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~卒後臨床研修講座「灸治療」に参加しました~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 卒業研修お灸
東京医療専門学校卒後研修に参加

 

 

昨日は母校である東京医療専門学校卒後臨床研修講座に参加しました。数年ぶりに母校四谷校舎での講習です。東京医療専門学校は代々木校舎と四谷校舎の2つがあります。四谷校舎は鍼灸科、鍼灸マッサージ科があります。代々木校舎には柔道整復科と鍼灸マッサージ教員養成科があります。どちらの校舎にも通ったのですが四谷校舎の鍼灸マッサージ科が先で3年間通いました。そこであん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師免許を取得するための勉強をしました。今こうして開業しているのも四ツ谷校舎での3年間があってこそ。始まりの校舎です。その後、柔道整復師になるため働きながら代々木校舎に通うこと3年。更に独立してから鍼灸マッサージ教員養成科に通うために代々木校舎に2年。教員養成科を卒業してからも同科の卒業論文発表会や特別授業のために頻繁に代々木校舎に行っていました。むしろ四谷校舎は足が遠のいていました。その間に建て替え工事が始まり、私が主に過ごした旧本館や旧1号館は解体。1号館は新しい校舎になり、本館も来年竣工に向けて建設中です。卒後研修も過去に受講していたのですが、新型コロナにより開催が中断、4年ぶりに今年から再開しました。久しぶりの対面講習が新校舎1号館での開催となりました。

 

講座名は

臨床に役立つ「灸治療の考え方と実際」

です。講師は三村直巳先生。医学博士でもあります。学校で教えているだけでなく研究も行っています。どのような研究をしているのかは以下の記事をご覧ください。

 

ハリトヒト。学び お灸と温度の話/鍼灸師・医学博士:三村 直巳

 

三村先生は有名な越石鍼灸院越石まつ江先生の娘です。越石式灸法という技術がありこの業界では非常に有名です。過去に施術を受けた、鍼灸マッサージサロンなごみの有山優子先生がこのやり方をしています。艾を捻る直接灸は私を含めてあまり臨床で使う者が少なくなっています。越石式灸法は艾を捻るやり方で、かつ非常にたくさん置いていきます(多壮といいます)。その分、技術が必要です。

 

私はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の免許を持っていて臨床で特に使うのが最初の3つのもの。あん摩マッサージ指圧師はその名前の通り按摩(あん摩)、マッサージ、指圧の3種類を一括りにしたもの。その発祥も技術も歴史も異なります。対してはり師、きゅう師と免許が分かれていますが一般的には鍼灸師と一まとめにして扱うことが多く多くの養成機関では鍼灸科として一緒に教えます。法制上は別の免許であります。また技術面を含めて鍼と灸では大きな違いがあります。よって私は按摩・マッサージ・指圧・鍼・灸の5つの技術体系を組み合わせて日々の臨床に臨んでいます。その中で圧倒的に灸のレベルが他に比べると低いと感じています。それはやはり艾を捻ることが苦手ということ。専門学校の鍼灸マッサージ科時代に実技試験で落ちて再試験になったのはお灸実技だけでした。それくらい苦手です。免許を取得して働いた職場でも温灸といって製品化したものに着火して経穴(いわるるツボのこと)に乗せる手法をするところでした。免許取得から5年後に鍼灸マッサージ教員養成科に入学して再度、灸実技をしっかり習いましたが苦手意識は払しょくできず。あじさい鍼灸マッサージ治療院を開業後も避けてきました。ずっとコンプレックスがあり、今年から艾を捻る直接灸にしっかりと向き合おうと決意して地道に練習をしてきました。そして今回、母校の卒業研修が復活し、艾を捻る直接灸を学ぶ機会を得たのでした。

 

講座は最初に座学。そこでそもそもお灸とは何ですか?という定義から。法的な定義は随分前にできたので機器が発達した現代ではそれだけでは定義しきれない部分があります。電子温灸なんてものも今はあります。その状況で敢えて昔ながらの、身体に艾をのせて線香で火をつけて温熱刺激を与えるもの、ということを確認しました。これはすなわち、艾を身体に乗せる、線香で艾に火を付ける、という2つの工程を踏むことによって、温熱刺激を与える、という結果が得られるということ。単に温熱刺激を与えるだけならば温泉に入ればいい、暖炉にあたればいい、ドライヤーを体にあてればいい、などと言えるわけです。それは灸ではないでしょうと。更に技術面で

艾をのせる→艾を捻る、体表に置く、置く場所を選定する(経穴を選ぶなど)

線香で火をつける→安全に火をつけることができるか

といった注意事項があるのです。ここまでは私も理解していました。

 

続いて、鍼と灸の効果の違いについて、です。鍼と灸はどう違うのですか?と聞かれれば、見ての通り全然違いますと答えられます。片方が鍼を体に刺し、もう一方は艾をのせて線香で火をつける。使う器材からそもそも違います。では効果はどう違うのですか?という質問にも、鍼は鍼という物体が身体に刺されるという物理的刺激で灸は体表面の温熱刺激ということで分かりやすい。更に詳しく効果の違いは?と考えると結構答えることが難しいのです。きちんと説明できる鍼灸師は少ないと三村先生は話ましたが確かにそうでしょう。教員養成科でも習った記憶がありません。そこについて踏み込んだ説明がありました。何となく鍼灸と一緒くたにしていて、かつ鍼ばかりに重きを置いていたので盲点でした。

更に灸だけに注目して、直接灸(透熱灸)と間接灸の違いについても教わりました。技術的な違いは重々承知していて(だからこそ避けてきたわけです)、効果や適応、得意分野などについては考えたことがなく、これも大いに勉強になりました。

一つを極めるために他と比較する。大事なことです。大学時代に日本を知りたかったら海外に行った方が良いと言われましたがそれと同じでしょう。私の場合は鍼と灸の比較に加えて、按摩・マッサージ・指圧と灸の違いを比較できるわけですし、更に柔道整復術とも比べることもできます。それを考えてこなかったのは灸のことをあまり理解していなかったからでしょう。

 

お灸の作用メカニズムについても研究者らしく詳しい説明がありました。形態変化温熱含有成分の3要素からなると。言い換えるとこの3要素を考えて技術や器材を選択することが大切です。灸理論の話になるのですが過去に習った以上の視点と情報がありました。現在進行形で研究が進んでおりまだ教科書に掲載されないような話も出てきました。私は元が理系頭脳なので東洋医学的な概念より、科学的な情報の方がしっくりくるところがあり、この内容は大いにやる気が出るものでした。

 

実技に関してはとにかく練習あるのみ。三村先生の灸を体験できたこと、目の前で手の動きを見られたことは大きな収穫でした。技術は実際に見た方がいいです。リモートでモニター越し、映像で見るよりも。その熟練したスピードは参考になるほど私自身の技術が追いついていないのですが、実際を見ることができたことが大きかったです。そうすると今まで見えてこなかった越石式灸法の特徴が分かってきました。これまで艾を捻るきゅう師の灸を受けてきましたが、その違いも。これは真剣に取り組まないと分からないことでした。

 

座学と実技。1日受講しただけではきっかけに過ぎず、今後どれだけ練習していけるかにかかっています。この先が大事であることは当たり前。10数年に渡り避けて通ってきた艾を捻るお灸に真摯に取り組んでいきます。

 

甲野 功

 

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