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~施術室のカレンダー~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 施術室のカレンダー
施術室のカレンダー

 

 

年が明けると行う作業。その一つに院内のカレンダーを付け替えることがあります。2024年のカレンダーにしないといけません。当院では施術室、待合室、待合室の机に置く卓上カレンダー、玄関から見える所と4ヵ所に置きます。そんなにカレンダーは必要か?と思われるかもしれませんが結構大事なのです。スマートフォンを見れば分るでしょうと言いますが視界に入ることの便利さがカレンダーのいいところ(当たり前)。カレンダー機能ではなくカレンダーそのものが視野に入ることは手間が省けるのです

 

また置く場所によって用途が異なります。

 

玄関から見える位置のカレンダーは帰り際に次回の予定を思い出すため。それは患者さんも私も。目に入りづらい位置に掛けてあるので実質あってもなくてもさほど差はないのですがずっとそこにあることが大切です。

卓上カレンダーは新規の患者さんが予診票を書くときにあると便利。本日の日付。主訴が現れた日の確認。次回の予約。パッと見せると手間が省けます。特に予診票記入では本日が何日か分からないという場合は多々あります。それは私も。卓上カレンダーがあることで何日ですと即座に伝えることができます。

受付の壁に掛けてあるカレンダーは私の仕事用。事務仕事をする際に壁に目をやりカレンダーを見ます。予定を組むとき、仕事の進捗を考えるときなど仕事机の横に掛けてあるカレンダーは事務仕事をする上で必須です。

 

そして施術室のカレンダー。これはインテリアの意味合いが強くなります。施術室で日付が分かる必要はあるのか?というと結構あります。何日前から痛くなったのか。この後ある患者さんのイベントはいつなのか。月の連休を確認する。そういったことにカレンダーはあった方がいいのです。特にいつから症状があるのかという話になったときにカレンダーで何日前、一週間前と視覚で理解できることは重要。更に見れば済むという簡便さ。スマートフォンを出してカレンダー機能を出すよりずっと効率的。その施術室に掛けるカレンダーは一番患者さんの目にも入るので日付が分かればいいというものから、それなりの質があった方がいいわけです。だからといって雰囲気に合わないものは好ましくありません。例えば趣味でプロレスラーが映ったものとか社交ダンスのものとか。好きな人は食いつきますが、そうではない人には鍼灸やマッサージを受ける場所にそんな写真が目に入ってくると微妙な気持ちになりそうです。もしも病院の診療室にアイドルのカレンダーがあったらちょっとその施設を疑ってしまうでしょう。

 

重要な施術室のカレンダーは毎年DNP(大日本印刷株式会社)のものにしています。DNPとは印刷業の大手企業。現在は印刷だけでなくクレジットカードやセキュリティに関する事業も行っています。私が生まれ育った地域はすぐそばにDNPの印刷工場がありました。広大な工場とオフィス。私が泳ぎを覚えたのはDNPが運営するスイミングスクールでした。今でも施設は健在で大日本印刷のジム、プールがあります(現在はDNP)。東京都新宿区という土地柄、巨大企業の影響は相対的に低いのですが、間違いなくここら辺はDNPの城下町という表現が当てはまると思います。それくらい近隣にある中では圧倒的な企業です。ただその先には防衛相市谷駐屯地があり、少し離れたところには旧フジテレビ社屋がありました。官民ともにより目立つ施設があったためDNP一色というイメージが薄いのです。しかし私の同級生には父親がDNP勤務という人が少なくなく、紙製本全盛期の頃は巨大なトラックが直径10数mもの巨大紙ロールを搬入している様子をいつも目にしていました。今は大規模な再開発が進み巨大オフィスビルと森が誕生しています。もう少しで完全に完成するようです。

 

そのDNPのカレンダー。父親の関係でもらっています。なかなかの作りで最初は建築に関する資料が充実したページがあります。建築科を出ていないのでその価値はいまいちわからないのですが、母校東京理科大の建築科学生が絶賛する内容。本編は毎年内容が変わります。今年はひと月で一枚になっています。2ヵ月でまとめるということはしません。12ヵ月で12枚。今年は著名な芸術家の絵画や彫刻などが印刷されています。なかなかの大きさなので父にとっては場所を取るため手にあまり私にくれるのです。それのかわり立派でデザイン性が高いカレンダーというわけです。これを見たある患者さんが、日付部分に社名がでかでかと入っていないのが素晴らしい、と称していました。企業としては広告媒体であるわけですから最も目がいく日付の個所に大きく社名を入れておきたいところ。DNPのカレンダーはそれをせずに小さく表記しています。目立たない大きさです。そうすることで素晴らしいデザインになるのだと患者さんは言います。まずカレンダー単体として優れたデザイン。次にどこのものだろうと目を移すとDNPの文字。そうかDNPのものだったのか、と。このように気付かせることで印象を良くするのだとか。私はこのような工夫がされていることをはじめて知りました。

 

今年2024年もDNPのカレンダーを施術室に掛けて1年過ごします。

 

甲野 功

 

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