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~地域散策 林氏墓地~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 林氏墓地
林氏墓地

 

 

私が小学生の頃。近所に謎の施設があり、そこの前を通るときは息を止めないと死んでしまう噂がありました。そこは住宅街にあるのでその話が本当であれば近隣住民は誰も生きていけないのでもちろん嘘に決まっています。小学生の頃はそのような子ども同士の噂(謎ルール)に影響を受けて、その前を歩くときは口を閉じ、鼻を摘まんで息を止めていたものでした。子どものノリは奇妙な行動を起こすものです。

その施設というのは林家墓地です。

 

伝統の日本紀行 林氏墓地 - 東京都新宿区 - 幕府の儒官の儒式墓

 

牛込柳町駅から徒歩4分ほど。大久保通りから住宅街に入ったところにあるので地元の人ではないと分からないと思います。しかもいつも門が閉ざされていて中に入ることができません。塀からある鉄格子窓から中の様子をうかがうことはできますが。この黒い鉄門に閉ざされた場所が子ども心に不気味に感じてかような噂(都市伝説?)が生まれたのかもしれません。

 

林氏とはどのような一族でしょうか。それは江戸幕府に仕えた儒官林家のことです。何といっても有名なのは初代林羅山徳川家康に林羅山が召し抱えられて林家が有名になります。

では林羅山とはどのような人物でしょうか。天正11年(1583年)に生まれ明暦3年(1657年)に没。林家の祖となります。幼少の頃から秀才としていわれ、文禄4年(1595年)に京都の建仁寺で仏教を学びます。しかし出家することは拒否して慶長2年(1597年)には家に戻ります。それからはもっぱら儒書に親しみ研究します。儒学を発展させた朱子学に熱中していき学びます。慶長10年(1605年)に推挙されて林羅山は徳川家康に謁見します。徳川家康にその才覚を認められ、23歳の若さでブレーンの一人となるのでした。そしてかの有名な事件の立役者となります。豊臣秀頼方広寺の大仏及び大仏殿再建に際して納める梵鐘の銘文にある「国家安康」「君臣豊楽」の文言は徳川家を滅ぼし豊臣家の復興を願うものだといちゃもんをつけるのです。これが方広寺鐘銘事件で慶長19年(1614年)の大坂の陣(大阪冬の陣、夏の陣)に繋がるのです。大阪の陣(あるいは大阪の役)により豊臣家は滅亡。徳川幕府が続く世が訪れるのです。この話を小学生のときに知った私はよくもまあ見つけてこじつけたものだと思いました。林羅山はさらに3代将軍の徳川家光にも使えて政治に深く関与していきます。寛永12年(1635年)には武家諸法度を起草します。寛永7年(1630年)に徳川家光から江戸の上野忍岡に土地を与えられると寛永9年(1632年)に、羅山は私塾(学問所)・文庫と孔子廟を建てて「先聖殿」と称します。これらはのちに神田の昌平坂に移され湯島聖堂となるのです。この私塾から多くの門人が輩出し後世の昌平坂学問所の基礎となります。4代将軍徳川家綱まで林羅山は使えるのでした。このように林羅山によって林家は徳川幕府にとって影響力を持つ家系となります。3代目林鳳岡の代から林家当代の主を大学頭(だいがくのかみ)と称すようになります。林家は代々幕府の教学の責任者としての役割を担い、駿河文庫の管理も行いました。

 

林家の墓はもともと林家邸宅や昌平坂学問所・湯島聖堂の前身となった私塾と同様、上野忍岡(現在の台東区)にありましたが、元禄11年(1698年)に牛込の地(現在の新宿区山伏町)に移転しました。それが現在まで残る林氏墓地です。日本では珍しい儒式の墓が残っているのが特徴です。林家12世の代々の当主の他、その兄弟や妻子など計81基の墓碑が立ちます。なお儒式墓として残っているのは8代~11代です。珍しいのですが中に入れるのは例年、東京文化財ウィークの行われる文化の日(11月3日)前後のみ。しかも林家本家は断絶しており明治以降に林氏墓地は荒廃します。もともと土饅頭形だったものが陥没して平らとなり木が生えています。文化財指定されたために復元せずにそのままの状態にしてあるのです。今でも湯島聖堂は立派に保存されているのにお墓の方は放置されている感があります。

 

歴史好きな人でもほとんど知らないのではないかと思われる林氏墓地。普段は中に入れませんが外から中をうかがうことはできます。地元を調べてみると意外な史跡があるものです。江戸時代から栄えた地域であるので住宅街になっても史跡が埋もれるように残っている。そのことを再認識します。

 

甲野 功

 

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