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~都師会の灸講習会に参加しました~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 都師会の灸講習会
都師会主催の灸講習会

 

 

昨日は東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会が開催した講習会に参加しました。

 

公益社団法人東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会

令和5年度第8回東京都委託施術者講習会「灸治療の基礎的な考え方と臨床の実際」

 

東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会は公益社団法人であん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師(鍼灸師)で主に開業している者のための業界団体です。業界内の通称として「都師会」と呼ばれます。この上に公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会があり、「全鍼会」といいます。他にも公益社団法人日本鍼灸師会(「日鍼会」)、公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会(「日マ会」)と別の業界団体もあります。

その都師会が東京都委託施術者講習会を無料で開催しております。昨年の10月に同じく都師会が開催した東京都委託施術者講習会「精神科領域の鍼灸治療の最前線 ―医鍼連携のネットワーク構築を目指して―」に参加しました。それに続いて2度目の参加になります。

 

今回のテーマは灸治療の基礎的な考え方と臨床の実際。今年の当院のテーマを「灸術を高める」としており、お灸に真摯に向き合うことを掲げています。昨年、母校の東京医療専門学校卒後研修で三村直巳先生の講習を受けましたが、今回も同じ三村先生が講師をする講習会。前回に引き続き学ぼうと思いました。

 

会場は東京医療専門学校5号館。四谷にある私の母校です。ただし5号館は新しいビルで私が鍼灸マッサージ科に在学していたときには無かった校舎です。過去に鍼灸科、鍼灸マッサージ科の2年生向けの授業を担当したときに来校したことがあるだけ。実技室に足を踏み入れたのは初めてでした。会場が8階と聞いてそんなに高いのかと驚きました。なお母校の呉竹学園東京医療専門学校は新年度、すなわち来月から校名が変わります。東京呉竹医療専門学校になるのです。現在、私が学んだ本館の建て替えがほぼ終了し新本館ができています。その建物には新校名の「東京呉竹医療専門学校」の文字が刻まれています。東京医療専門学校校舎と表記するのもあとわずか。そして代々木にある鍼灸マッサージ教員養成科、柔道整復科が四谷校舎に秋ごろを目途に引っ越してきます。5号館は鍼灸マッサージ教員養成科になります。私は代々木校舎に合計5年通ったので寂しい気持ちもありますが、四谷に校舎が統合されて新たな東京呉竹医療専門学校になるのです。

 

講師の三村直巳先生は業界では非常に有名な越石まつ江先生の子です。越石式紫雲膏灸という技術が知られています。特徴は、艾を捻って線香で火をつける直接灸を行うやり方なのですがその数が圧倒的に多いのです。一度に数百壮(お灸は1壮、2壮と数えます)すえます。直接灸は非常に技術を要するもので臨床で使用する鍼灸師は多くないでしょう。かくいう私も苦手で敬遠してきました。間接灸という簡便なやり方を採用してきました。鍼灸専門学校の教員免許を持っているのでもちろんそれなりにはできるのですが、患者さんに堂々と行うという自分自身が納得できる技術レベルにはありません。それがずっと心残りで今年本格的に技術アップを図ろうというわけです。

 

その布石でもあり、昨年の卒業後研修に参加しました。これは東京医療専門学校卒業生だけが参加できるセミナーです。東京医療専門学校専任教員をしている三村先生の講義。幸か不幸かあまり参加者が多くなかったので参加者全員が三村先生の灸を体験することができ、かつ各自練習する時間が取れました。このときに感じたのは想像以上の灸をすえるスピード。目の前で見ましたがもうレベルが違うというのはこのことで。生半可な練習ではないことはよく分かりました。その日から無意識で指が動くように機会をみて艾捻りの練習をしてきました。先生曰く小脳に定着させるまで練習する(運動の記憶は主に小脳が司ります)。その練習をする上で見つかった課題を今回突き詰めようと思っていました。

 

会場には紫雲膏灸をする有山優子先生がいました。何度もお会いしている灸術のスペシャリスト。受けたことがありますが有山先生の技術も凄いです。また灸と按摩を組み合わせるという他で聞いたことがない方法を採用しており参考にする先生の一人です。講義前に有山先生に艾の捻り方について質問をしてアドバイスをいただきました。また線香、艾、バームなどの使用器材についても教わりました。

会場には以前当院に学生ペア割で来院した方もいました。なんとまだ鍼灸専門学校に入学していません。来月入学するのではなく、これから受験をして2025年度入学予定という。入学前から多くの学校見学をし、開業鍼灸師の先生と会って話を聞き、学費を貯めているという。そして今回この講習会に参加したのです。ここまで熱心な人を知りません。まだ入学先すら決まっていないのに。しかしきちんと艾を用意していて鍼灸や東洋医学について勉強をしているのです。これも時代だと思いました。SNSのおかげで意欲、行動力があればどんどん情報を得て最前線にいる人間と交流できる。

 

講習会前半は座学です。三村先生はお灸の研究で医学博士を取得しています。基礎研究も長く行いネズミによる実験をして灸に関する研究をしてきました。伝統医学でどこかおまじないのように見られる鍼灸。まだ鍼の方は研究が進んでいるのですが灸は比較すると研究がされていません。話の内容の主はTRPチャネルの発見です。近年熱刺激でチャネルが開いてイオン流入することが分かりました。化学物質だけでなく温度で反応する。この発見により灸術の研究が大きく進展したといいます。私が専門学生だった頃は教科書に掲載されていなかった内容です。ちょうど2月にあった鍼灸マッサージ教員養成科卒業論文発表会でこのTRPチャネルに関する温熱刺激を用いた実験研究がありました。昨年の卒後研修やWebメディア「ハリトヒト。」の記事を踏まえて少し学んでいたのでした。今回の講義内容はより細かく説明されており、正直なところ半分くらい分かりませんでした。生理学をもう一度復習しないといけないなと思いました。チャネルがこれだけの種類があるとは。

 

後半は実技で紫雲膏灸です。都師会スタッフが3台のカメラで撮影しZOOMで配信してくれます。同時に会場では先生の手元の映像をスクリーンに映してくれます。昨年目の前で見ているので今回は俯瞰して遠目から観察していました。すると艾を捻る指の位置が私と違うことに気付きます。有山先生の手つきともちょっと違うようでした。男性と女性、指の太さが違うことも考慮しつつ、どの部分を使ったらいいのか迷うことになりました。また線香の付け方にも注目。線香を持っている右手の小指の動きがポイントだと分かりました。また線香を患者さんの皮膚に近づけないように消火する。その動きも習得しないといけないなと思いました。患者さんの皮膚に線香の灰を落とすことは許されません。線香の灰をどれくらいの頻度で払うかも重要なのですが灰が溜まる時間を手が覚えているようでした。

 

面白いのは、前半の座学は非常に現代科学的な説明をしているのですが、後半の技術パートは感覚的な説明。これは術者なら誰もが分かることでしょうが技術を全て言語化して説明するのは不可能です。暗黙知というやつで勘、感覚、経験などと表現されるもの。また例え百や千の言葉で説明できたとしてもそれを受講している者が体現できるかは別の話。まさに小脳に定着させるくらい反復練習するしかないのでしょう。一番学びたかった技術面に関しては、見て盗め、といういわば前時代的なことにつきました。自主練習するしかないと。

 

会場ではお馴染みの鍼灸師から初めましての鍼灸師と同業者の出会いが多数ありました。これもSNS時代を象徴し、挨拶して名刺を渡すと「ああ、あの」と知ってもらっていることが多いです。私は実名、顔出しでSNSをしているので名前と顔が知れています。これにより話が早くなります。また過去に授業をしてその場にいた学生さんや過去に学生ペア割で来院した学生さんや卒業生と会いました。開業している先生、今月鍼灸国家試験を終えた新卒生、現在専門学校に通う学生、更にはこれから受験をする進学希望者まで、同じ会場で等しく講義を受けるという空間でした。キャリアの差はあれど学ぼうという気持ちに溢れていました。

講義のあとは希望者に夜飲み会に参加しました。コロナ前はたくさんありましたが全て無くなったもの。ここ1年くらいでまた復活して業界内の情報交換、交流の場。私は一切お酒を飲まない(飲めない)のですがこのような場は大切だと考えています。そこで得られるチャンスというのは間違いなくあります。会社員時代は気嫌いしていて極力行かないようにしていたのに。個人で働く、仕事を作るという立場になると考えが変わるものです。今回も表に出ない情報を知ることができました。

 

一度のイベントに様々なポイントがありました。学生、業界団体、鍼灸師、専門学校など絡み合った。業界は人が作り人が動かしていくもの。知識を学び、技術を習得し、人脈をつくる。いわば泥臭いことが詰まっています。この講習会を好機として灸術を高めることに励みます。

 

甲野 功

 

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