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11月になりやっと涼しくなってきました。立冬を迎えて暦の上では冬。実際に最も寒いのは12月~2月なので11月は秋本番といったところでしょうか。身の危険を感じる暑さが過ぎたので秋を楽しみたいと思います。
秋といえば、という話で紅葉を思い浮かべます。若いときは植物全般に興味がなく、20代の頃から紫陽花を例外として植物や花に目が向きませんでした。普段は物知りと思われていて色々と聞かれることがあるのですが、植物・花については本当に知識がありません。東京理科大学を出た理系だから知っていると誤解されるのですが物理・化学で受験したため生物・地学はむしろ文系の方より勉強していません。小学校の頃から星の観測や化学実験は好きでしたが雄しべと雌しべとか裸子植物と被子植物といった話は非常に苦手でした。それが年齢を重ねてくると風景や植物に目がいくようになってきました。
特に紅葉はあってもなくてもどうでもいいものでしたが、今は11月になると一度くらいはいい紅葉の風景を見ておきたいなという気持ちになっています。
紅葉は観光地とイコールで素敵な観光地に紅葉があるという感じです。紅葉が綺麗だから観光地になっているのかもしれませんが。5月の紫陽花の名所に続いて11月は一か所、これまで見てきて良かった紅葉の名所を紹介することにしました。紅葉は割と期間が短く、気候によって彩りに差が出ます。また見頃もいつになるか不確かなところも。異常気象が例年になったようなここ数年ではこれまでの定説が崩れてきているようです。
紫陽花ほど穴場のようなものではなく、ド定番といえるところを出していきます。まずは京都の東福寺です。
世界的に有名な観光地、京都。特に桜と紅葉の季節は混雑ぶりが一気に増すといいます。つい先日も京都に日帰りで行ってきましたが、それは紅葉が始まる前、すなわち混雑する前に行っておこうという目論見。混雑具合はさほどでもなかったのですが非常に暑くてそれは想定外でした。
京都の紅葉といえば。京都は古都で神社仏閣が多数あります。自ずと紅葉の名所も数多くあります。その中でも永観堂、嵐山などと並び圧倒的な人気を誇るのが東福寺ではないでしょうか。京都が大好きで幾度も訪れている患者さんも東福寺の紅葉は見ておかないといけない、と断言していました。それはということで、昨年東福寺の紅葉を見に行ってきました。東福寺は京都駅からJR奈良線でひと駅となりの東福寺駅から徒歩10分ほど。ちなみに東福寺駅の次が(奈良線の)稲荷駅。昨年は長女と伏見稲荷大社と東福寺を観て日帰りで帰ってきました。東京から観光する者にとって、東福寺は京都駅から近いことも魅力です。
東福寺の紅葉はだいたい同じアングルで写真が撮られると思います。それは境内中央にある通天橋からの眺めです。東福寺三名橋と呼ばれる境内にある渓谷洗玉澗に架けられた3つの橋があります。中央にあるのが通天橋。仏殿・方丈から開山堂に至るところです。この橋からの眺め。またもう一つの橋、臥雲橋から紅葉の先にある通天橋をみる眺め。これがとても絵になります。紅葉の素晴らしさはもちろんですが通天橋という建築物とその渓谷との状況が美しいのです。なお現在の通天橋が昭和34年(1959年)に台風で倒壊した後に昭和36年(1961年)に再建されたものです。
京都の紅葉が素晴らしいというのは、色の濃さも関係すると思っています。東京をはじめ関東の紅葉よりも赤や黄色の色が濃いように感じます。これは関西出身で東京に移住してきた患者さんも同じ感想を持っていました。寒暖差が激しいせいか京都の紅葉は色が強くて関東のものをみたときにぼやけているなと。
次に京都は都市部に紅葉の名所があります。東京は開発が進み過ぎたと言えて都市部はコンクリートジャングル。相当大きな寺や神社でないと自然が残っていません。あるいは新宿御苑や浜離宮庭園のような庭園として整地されたものか。数百年前からの自然や地形を活かしたものが京都はたくさん残っています。東福寺も渓谷があり、その地形を活かした紅葉が見られます。なおかつ新幹線の停まる京都駅からすぐ。これが東京駅からひと駅であれだけの景色はなかなか見られないと思います。
東福寺の紅葉は渓谷にあるため、下からも上からもみることができます。通天橋を渡らずに川の方まで降りることができます。そうすると紅葉をしたから見上げることになります。通天橋からは水平方向、あるいはやや下に紅葉が広がります。更に開山堂の方は高台になっているのでそこまでいくと見下ろすように紅葉を眺めることができるのです。
紅葉とセットになる建物も重要です。現代的な高層ビルが背景にあるとどこか興ざめするというか、紅葉も人工物なのかと思えてしまいます。自然物なのに。やはり紅葉と同じ光景になるのは寺や神社といった歴史のある木造建築物が合います。古都に紅葉の名所が多いのはそういう理由もあるのでしょう。東福寺も非常によく溶け込んでいます。
余談ですが昨年は11月の月曜日、すなわち平日に長女と京都に行きました。東福寺を出て奈良線に乗ったのは16時過ぎだったと思います。平日なので帰宅する高校生と一緒になりましたが、駅が混雑してホームから人が溢れ改札内に入場制限がかかっていました。東京でもコロナ以降ここまでの満員電車は経験したことがないほどの満員電車でした。まさにすし詰め状態。ひと駅とはいえ大変でした。オーバーツーリズムを体感したものでした。昨年の体験に比べれば先月末の京都はまだまだ空いているものだと感じたものでした。
非常に有名な京都紅葉の名所、東福寺。混雑必死ですが一番いい時期の紅葉を観に行ってはいかがでしょうか。
甲野 功
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