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~モダンとラテンの違い~

学連OBOG練習会モダン 2025年5月15日
学連OBOG練習会モダン 2025年5月15日

 

 

 

今年に入って初めて学連OBOG練習会に参加しました。学生競技ダンス連盟、通称「学連」。大学生が社交ダンスを競技として行う競技ダンスの組織。競技ダンスのカテゴリーはプロフェッショナル部門とアマチュア部門に大きく分けられますがアマチュア部門の中の特異な存在が学連。近年はジュブナイル(小学生以下)、ジュニア(中学、高校生)で経験した者が学連入りすることも増えてきましたが、かつては大学生で競技ダンスを始める受け皿でした。多くは社交ダンス愛好家から始まり、競技に転向していきます。もしくは親がやっていて幼少期から習い事として社交ダンスを習い競技に出場するようになるか。10代の終わりというタイミングで競技ダンスに出会うというのは学連ならでは。しかも同世代としか競技会にでないというのも非常に稀です。ジュニア世代になると同世代のリーダー(男性)がいないため、女性同士のカップルや女子高校生が30歳を過ぎた会社員男性と組んで競技会に出るなんてこともあります。更に年齢制限がないカテゴリーなら高校生と60歳が同じフロアーで競技することもアマチュア部門の競技であればあり得るのです。学連では現役大学生が所属しますから概ね18歳から24歳くらいまでの選手しかいません。4年間しか在籍することはできず。また東部ブロックは「学校を背景とする団体競技」であることを前提としており、どの大学かが非常に重要です。強豪校、大規模校、弱小校、少人数校とあります。歴史的にモダン部門が強い大学、ラテンが強い大学といった伝統もあります。

 

学連出身者が集まる学連OBOG練習会。モダン(現在はスタンダードと呼ぶのが一般的。私が学連現役時代はモダンと呼び、学連OBOG練習会では旧称のモダンといいます。)とラテンを毎月交互に開催していてモダンの講師は武蔵野美術大学OBの本池淳先生。東京理科大学だった私の(学連で)1学年上の先輩で理工戦校で一緒だったのでよく知っています。(※東京理科大は分かるが武蔵野美術大学がなぜ理工なのかという疑問は学連特有の事情です。なお理工戦は現在ミニ東部という名称に変更して東部ブロック全ての大学が出場する大会になっています。)

今回の参加者は日本大学、関西外国語大学、獨協大学、工学院大学、慶応義塾大学、中央大学、京都大学、明治大学、筑波大学、北海道大学らと多岐に渡りました。なお学連は共同加盟校といって女子大学が提携する場合があります。その場合だと代表校の大学を母校といい、実際は共同加盟校の女子大学、短大であることも多いです。文化として代表校ということが学連では一般的です。

 

学連の独特な文化としてカテゴリーがはっきり分かれることがあります。競技ダンスは10種目で競われます。モダンラテンの2部門があり、各5種目。全ての種目を競技会出場レベルで踊れる人を10ダンサーと言います。アマチュアやプロではかなりいるのですが、学連ではモダン・ラテンとはっきりと分かれて専念します。1年生のうちは両方やりますが2年生以降は専攻分けがされてモダンに進めばそれに専念、逆もそう。私の時代は数が少ないですが裏専攻の種目に出る競技会がありましたが、現在の東部ブロック学連ではもうありません。そしてモダン専攻の選手をモダン人、ラテンならラテン人といいます。モダン人はワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップの練習に専念し、ラテン人はチャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレに専念します。近年、東部ブロックではモダン(スタンダード)にウィンナーワルツ、ラテンにジャイブが一部導入され、来年から正式に導入されると言われています。そうなるとますます裏選考のダンスは練習しなくなる(その時間がない。大学生のうちしか学連は競技できないので。)のです。それらの事情を踏まえて今回の学連OBOG練習会についてです。

 

学連OBOG練習会は毎回事前にテーマが発表されます。今回のテーマは「ラテン人のモダンあるあるを言いたい」でした。ラテン人という学連時代にラテン専攻に進みラテン種目に専念し続けて学連を卒業したOBOG。この学連特有の条件下でダンス人生を歩んだ人が踊るモダンでよくあるよねということ。これは本当に身に覚えがあるすぎます。私は生粋のモダン人だったので反対の立場ですが、ラテン人ってこういうことをするよね、ということは山のように感じます。反対もそうでしょう。本池先生は学連時代から、当時非常に稀であったラテンもできるモダン人でした。それも当時のパートナーさんも。ラテンも踊れた上でのモダン人というのが異彩を放っていました。そんな本池先生がいうラテン人のモダンとは。

 

練習は基礎練習から。ホールドというモダンの構え。そこから足を肩幅に開いて膝を内側に入れたままにする。膝を内側に入れたまま上下に動く(ライズ&ロアーと言われるもの)。モダンは常に膝が内側にある意識を持つこと。足を開いていてもそれは変わらない。だから着物を着ていてもモダンは踊れるという。このことは私が学連を卒業したあとこの仕事に就くために人体のことや運動学を学んでいるときに感じたことと一致していました。その頃誰にも習っていない状態で膝を内側に入れてライズ&ロアーを自主練習していました。あの頃の自分は間違っていなかったのかと20年前の私にちょっと感動しました。もちろんこの膝を内側に入れるというのがモダンとラテンの違いであり、すなわちこれができないのがラテン人の特徴であるという後の伏線になるわけです。

 

続いて立ち方。モダンは身体全体に曲線(弧)が入っているといいます。横のサイドカーブ、前のフロンティアカーブ。真っ直ぐと学連の1年生は習うのですが実際には弧を描いている感覚が必要。現在のダンススポーツスタイルのスタンダード(モダンと同じ意味)ではそっくり返っているように昔からやってきた私世代は思うことがあるのですが、弧を凄く強調するのかさほどでもないのか、ということだそう。ただ以前言われたヘッドウェイトを感じることは大事で首を後ろに折ってしまうのは間違いなのでしょう。これまでの話と繋がりました。一方、ラテンは直線が強いといいます。ラテンに曲線の、弧を入れた、シェイプを入れるとなよなよしてカッコ悪い。ただそのようにダンスを進化させたのはレジェンドダンサー、ドニー・バーンズだとか。1970年代くらいまではラテンにもモダン要素が入っていた。それを現在のラテンらしさにしていったのがかのドニーだと。ドニー・バーンズは大ヒットした邦画『Shall Weダンス?』で竹中直人氏が演じる青木が憧れていて自身をドニー青木と称しているエピソードがあります。膝をピンと伸ばし外側(股関節外旋位)にする。ラテンの所作をモダン種目を踊る時にも入れてしまいがちなのがラテン人。これは反対にモダン人である私がラテンを踊る時のコツになります。モダンの所作をラテン種目を踊るときに入ってしまうからです。

 

弧の応用で、ボディ(胴体)を3分割してそれぞれ違う方向に回転させる意識というもの。ボディを上・中・下に分けて考える。上・下は後ろに回転、中は前に回転させるようにする。その結果、更に細かい弧が描かれる。言われてみれば確かに、という内容でした。またこの動作は日本人より西洋人種の方がやりやすいだろうとも思いました。何となく分かって、解剖学知識とも照らし合わせてみても合点がいくものを、きちんと言語化してくれた気がします。

 

他にもネックの返し(顔の向きをどのタイミングで変えるのか)やLOD(Line of Dance:踊るときの進行方向に関するルール)などこれまで勘違いしていたことが判明しました。

社交ダンスを競技とする競技ダンス。競技として他者と競うとなるとより大きな運動量、より強いアピールなど進化していく必要がありました。モダンとラテンという2つの種目(要素)からなる競技ダンスはその差異を大きくしていった。しかし競技者は誰も分かっていますが、基礎は同じ。基礎は同じだけれど曖昧にしてしまうとどちらの種目も上手くいかない。2つの要素があるというのは東洋医学の基礎中の基礎である陰陽論にも通じます。何となく本業に通じるものがあります。違いを整理して踊り分けることが大切だと分かりました。

 

甲野 功

 

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