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~あましセミナー按摩編開催~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 あましセミナー按摩編 スライド表紙
あましセミナー按摩編 スライド表紙

 

 

昨日は当院に学生が集まり『あましセミナー按摩編』を行いました。全4回の3回目です。

 

あん摩マッサージ指圧師という厚生労働省管轄の国家資格。あん摩マッサージ指圧の頭文字を取って「あまし」と略します。あん摩マッサージ指圧師のセミナーということで『あましセミナー』としています。今回は前回の指圧編に続いてのものです。3つのうち、わが国で最も歴史のあるのが按摩(あん摩)です。

最初に座学として按摩の概要を復習しました。中国が発祥国。主として使う技術が揉捏。按摩独自の手技として曲手があります。相手の身体を薄い衣服の上から押す、揉むなどの徒手による刺激を与えます。方向は中心から末端に進む遠心性で行い、主にアプローチする部位は筋肉です。

 

鍼灸マッサージ教員養成科の学生さんも同席しているので参考として按摩の歴史についても紹介しました。あん摩マッサージ指圧理論の教科書に掲載されている程度ですが。按摩の起源は古代中国の「導引按蹻」というものにあります。東洋医学のバイブルと言える書物『黄帝内経 素問』の異法方宜論において導引按蹻は“中央より出ず”とあります。ここでは地域として東西南北そして中央から派生した技術について触れています。例えば北だったら寒いので現在の灸となるものが派生したというように。中央は政治家、官僚といった事務職が多かったので運動不足を解消する効果を期待して導引按蹻が生まれたのではないかと推測されているとか。導引按蹻の「導引」とは“筋骨を揺がし、支節を動かす”、「按」は“皮肉を抑按する”、「蹻」は“手足を捷挙する”と説明されています。体を揺らし動かし筋肉を揉み手足を挙げるといった感じでしょうか。そこから按摩になっていきます。なお按摩の「按」はおさえること(瀉法)、「摩」はなでること(補法)とされます。

日本には応神天皇の頃(5世紀当初頃)に百済から渡来した百済人の王仁(わに)(別名、和邇吉師)によって持たされたといわれています。大宝元年(701年)に制定された日本最初の法律である『大宝律令』の「醫疾令」第一條に按摩が記載されています。「醫疾令」は日本最初の医制で医学制度を定めています。醫疾令には按摩博士、按摩師、按摩生という文言が記載されています。1300年前から按摩は日本にあるわけです。

その後、視覚障害者(当時の言葉でいうと盲人)の生業として根付き、視覚障害者の多くは按摩、鍼、音楽で生計を立てることになります。昭和の中頃までは視覚障害者をアンマと職業で呼ぶ風習があり、それが視覚障害者への侮蔑用語だとしてマスメディアでは放送禁止用語として自粛するようになっているという話もあります。あん摩マッサージ指圧師は現在も国家資格の名称なのですが。

 

江戸時代に入るとそれまでの時代と異なり戦の無い世の中になります。そうすると健康増進に注目が集まり按摩は注目されるようになります。按摩の研究が進み、関連著書が多数登場することにあります。教科書に掲載されているものでも

林正且導引体要』 慶安元年(1648年)

竹中通庵著『古今養性録』 元禄4年(1692年)

大久保道古著『古今導引集』 宝永4年(1707年)

宮脇仲策著『導引口訣鈔(紗)』 正徳3年(1713年)

香川修庵(修徳)著『一本堂行余医言』 宝暦5年(1775年)?

藤林良伯著『按腹針術 按摩手引 全』 寛政11年(1799年)

太田晋斉著『按腹図解』 文政10年(1827年)

とあります。この頃には手描きのイラストもあり図で説明しています。古法按摩と言われ「鳴骨の術」とか「利関の術」といった用語が登場します。

 

続いて現在のあん摩マッサージ指圧専門学校における按摩技術の特徴を私が分かる範囲で説明しました。例えば母指線状揉捏という臨床で非常に用いられる技術があるのですが。東京医療福祉専門学校の吉田流按摩と呉竹学園(東京呉竹医療専門学校他2校)のMP揉みでは指の使い方が若干異なります。なおこの後の実技パートで説明しました。

按摩の基本手技7項目として教科書に掲載されているものを紹介しました。

軽擦法(撫でること)。手掌、指腹、指端。

揉捏法(揉むこと)。手掌、把握、母指、四指、手根、櫓盪、錐状(錐揉状)、鋸切状。

叩打法(叩くこと)。手拳、切打、指頭、合掌、宿気打。

圧迫法(押すこと)。母指、四指、手掌。

振戦法(振らすこと)。指頭、手掌、牽引性。

運動法(動かすこと)。

曲手(按摩独自の手技)。車手、挫手、突手、横手、柳手、頭の曲手、耳鐘の曲手、袋打の術。

 

実技練習はとにかく揉捏を中心に練習しました。揉捏は主に筋肉を揉む動作です。動かし方で線状と輪状の2種類があります。術者が用いる部位により手掌、手根、四指、母指などがあります。母指揉捏が一番使うので重要なのですが、いきなりやると難しいので手掌、手根での揉捏で皮膚面の遊びを取り、その奥にある筋肉をしっかりと捉えて動かす感覚をつかめるようにさせました。前回の指圧編で皮膚の下にある筋肉の硬結(こり、固さ)を触知できるように練習し、それを揉めるように練習します。肩上部、背中、下肢後面、前腕と様々な部位で行い、また線状と輪状と種類の違う動かし方を練習させました。按摩は揉捏ができればほとんどできるといっていいくらいです。圧迫法は指圧の押圧操作ができれば申し分ないです。

短い時間ですが叩打法も練習しました。コツを伝えました。曲手は紹介程度と考えていたのですが、初回の総論編で見せたので省略しました。

 

総論編、指圧編ときて按摩編でした。次が最終回のマッサージ編です。この順番も私なりの考えがあってのものです。手や体の使い方を区別していく上で。講師をしながら技術の理論体系が作られている感覚があります。

 

甲野 功

 

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