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~つゆき按腹堂でマッサージを受けました~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 マッサージ治療院つゆき按腹堂モニュメント
マッサージ治療院つゆき按腹堂にて

 

 

2025年、令和7年も約半分が終わりました。毎年、年始に当院のテーマを決めています。今年1年間何に取り組んでいくのかという。本年のテーマが~按マ指を探求する~です。按マ指とは按摩マッサージ指圧の頭文字です。私はあん摩マッサージ指圧師という国家資格を取得してこの仕事をしています(※他にはり師、きゅう師、柔道整復師の免許も仕事をする上で活用しております)。あん摩マッサージ指圧師という長い名称は、あん摩(按摩)、マッサージ(massage)、指圧の3つの技術をひとまとめにしていることに起因します。一般の方にはどれも手で行う“マッサージ”でしょうと思うかもしれませんが、その発祥から歴史、技術と理論がそれぞれにあります。専門的な話になりますが術者にとっては重要なこと。そして多くのあん摩マッサージ指圧師は3つのうちどれか一つ、あるいは二つしか臨床で重きを置いていないことが往々にしてあります。按摩のみ、指圧のみ、マッサージのみ、といったように。あん摩マッサージ指圧師になるためには厚生労働省あるいは文部科学省が定めた専門学校、大学、視覚支援学校などの養成施設を卒業し年に一度の国家試験に合格しないといけません。

 

その養成施設によって特色があり指圧を重視する、按摩を重視する、マッサージを重視するといった違いがあります。そのため出身校によって術者の特色も出てくるものです。私の母校は呉竹学園東京呉竹医療専門学校(※当時は東京医療専門学校)で鍼灸色が強い学校です。そのため特に偏りというかこれを推すということは感じられませんでした。個人的な方針ですが、何でもできる、をモットーにしておりあん摩マッサージ指圧師である以上、按摩もマッサージも指圧もしっかりできる術者でありたいとずっと願っていました。昨年以前からも行動していましたが按摩・マッサージ・指圧どれも研究していこうというのが今年のテーマ。まだまだ知らないことがありますし、その知らないことがあることを知り始めているとも言えますし。3種類の技術を対比させたときにどう差異があるのか。

 

そこで出てくるのがマッサージ。あん摩マッサージ指圧師のいうマッサージは皮膚に直接触れて、主に滑剤(オイルやパウダー)を用いて求心性の方向(末端から中枢に向ける)に行う手技になります。衣服の上やタオルの上から触るのは按摩、指圧になります。ヨーロッパが発祥とされるマッサージは、日本ではエステの印象が強くなります。素肌に直接触れるので男性術者が臨床でしっかり行うケースは少ないです。むしろあん摩マッサージ指圧師を持っていない者が行うことが多いといえます。あん摩マッサージ指圧師のきちんとしたマッサージを受ける機会はなかなか珍しいのです。きちんとした、というのは練習、講習会などで受けるマッサージではないということ。教えるため、練習のためではなく、料金を支払って症状に対して行うマッサージ。それを受ける機会は少ないです。術者は女性が多いので女性患者限定で男性は不可という場合もありますし。マッサージの講習会を受講し自主練習を繰り返してきましたが、店舗等で臨床としてのマッサージを受けた経験はほぼ皆無なのです。

そこで考えたのが中央林間にある『マッサージ鍼灸院つゆき按腹堂』で露木美那先生のマッサージを受けることです。

 

マッサージ鍼灸院つゆき按腹堂

 

つゆき按腹堂は今年3月に開業したばかり。前年に共通の知人を通じて多摩センター駅に「後藤流按腹術」と「結合織マッサージ」を受けに行ったことが始まりでした。開業祝いも兼ねて3月に来院しました。露木先生は神奈川衛生学園専門学校を卒業しています。マッサージから始まった学校でマッサージに力を入れています。露木先生はマッサージの実技講師も務めています。後藤流按腹術は創業家の後藤家が創始継承してきた技術で4代目が露木先生となります。またドイツ発祥でドイツから取り入れたのは結合織マッサージ。東京呉竹医療専門学校卒の私には名前しか知らなかった技術です。それを受けました。後日露木先生に当院まで来てもらって練習会もしました。ところが露木先生の“あん摩マッサージ指圧師がいうマッサージ”を受けたことがなかったのです。後藤流按腹術はパウダーを用いて行い、結合織マッサージは滑剤を使いません。オイルを用いたマッサージが未経験。そして、当院でも按摩・指圧と分ける意味で用いている、いわゆるオイルマッサージを受けることが目的で先日中央林間まで出向いたのでした。

 

最初にタオルの上から押される按摩、指圧を受けます。前回もそうでしたが直線的ではなく曲線的な押し方、揉み方でした。この後のオイルマッサージでもその特徴を感じることになります。オイルを用いて滑るようにして行う背中のマッサージ。結合織マッサージはオイルを使わず敢えて滑らない状況で皮下組織をみていきます。それに近い技術のようです。手技を受けてみてこれまで私が持っていたオイルマッサージにおける常識のようなものが崩れました。大きな理由が手技の方向が違い一方向ではないのです。求心性を教科書で習っているので同じ方向に末端から中枢に向かって一方向で行うのがマッサージの原則だと信じていました。ところが手指の動きが自由自在に動いていきます。後できくとドイツの結合織マッサージは方向性がなく、マッサージもあまり方向性にこだわらないのだとか。これは以前、広橋憲子先生の講習会を受けたときにスウェーデンマッサージも同じようなことを話していました。本場のヨーロッパは日本の教科書と違うのかと思ったのです。そして動きも直線でリンパ・静脈を流す動きというよりも円を描くような動きがありました。イメージでいうと無限大マーク(∞)のような。圧が循環している。これは露木先生がスキンサークルの動きかもしれないとのことでした。動かし方自体が既知のものと違いました。

 

具体的な技術でいうと振戦法叩打法の中間みたいな技術がありました。振戦とは揺らすことで叩打は叩くこと。下腿を叩きつつ揺らすようなものがありました。頚部には細かい鋸切状のような揉捏がありました。専門的な話なので詳しく説明をしませんが鋸切状揉捏を頚部にするという発想がありません。そもそもあの手技が鋸切状揉捏なのかも定かではありません。一般的にマッサージは手が大きい方が有利とされています(触れる面が大きくなるので効果的)が露木先生は小柄な女性ですから手が大きくありません。指が細いと圧が鋭くなるものですがそういう感触もなく。手が小さいことを感じさせないのです。それももしかすると曲線的な動きが関係するのかもしれないと思いました。

 

腹部の圧迫も印象的でした。今回は後藤流按腹術を受けませんでした。しかし腹部への手技はありました。お腹を押すのですがその力加減が絶妙です。私は自他共に認めるお腹が固くて過敏です。幼少期からお腹を触られるのが極度に嫌がり、無意識に手をはらいます。腹診をする鍼灸師はみな一様に固いと驚きます。その私がお腹を圧迫されても平気でした。苦しくて息が止まる寸前というか。それも指先、手掌、手根と押す部位を変えていきます。私は何も言わないので腹部の状態や息遣いから圧を判断しているのでしょう。手技が多彩な後藤流按腹術と違って単純に上から押す手技。そこにむしろ技量を感じました。相手の状況を感じとるセンサー能力が非常に鋭いのだろうと思いました。

 

そして何より圧倒的に手技をやり込んでいる指先だと感じました。皮膚に直接触れる。滑らせる技術が多いのでぐっと押すことがほとんどないため繊細な感触が分かります。鍼灸師も皮膚に直接鍼を刺し、灸を据えるので分かるのですが、熟練の鍼灸師とは違った感触でした。探る指先ではなく効かせるための指先。自分自身ができているのだろうか?という自問自答することになりました。

 

マッサージが一番難しい。学生時代に教員に言われた言葉です。それを実感します。感心したことで終わらずまた復習の練習をしないといけないと心に決めました。

 

甲野 功

 

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