～学連同期と話す時間～

昨日は『DANCE GRAND Harajuku』で行われた「学連ＯＢＯＧ同好会」に参加しました。学生競技ダンス連盟、略して“学連”。全国の大学にある競技ダンス部で組織された団体です。競技ダンスとは社交ダンスを競技として行うこと。私は平成８年（１９９６年）に東京理科大学へ入学し、ここで学連という世界を知りました。学連時代の経験はとても重要で、その後の人生と現在の仕事を決めるものでした。開業してからずっと競技ダンス選手、社交ダンス愛好家のサポートを掲げていて社交ダンサーケアというコースを作っています。特に学連現役選手には尽力を注いでいます。

この「学連ＯＢＯＧ同好会」は東京農業大学出身の新井健伊稚先生・新井由紀子先生が主催しています。２ヵ月に一度のペースで開催し、ダンスタイム中心のイベントです。新井由紀子先生とは大学が異なりますが学連同期です。学連という世界は厳密な上下関係があります。コロナ禍を経て、時代の変化もあり、現在はそこまで厳しくないようですが私たちが在籍した２０世紀は部歴が絶対的なものでした。１年生、２年生、３年生、４年生。立場が明確に違いました。華やかな社交ダンスに見えてゴリゴリの体育会系の世界。今だと間違いなくハラスメント認定されて問題となることが日常茶飯事でした。それ故に同期というのは非常に強い思い入れがあります。そこに年齢や出身校の差がほとんどなく。あの時あの代で。それが重要です。特に月日が経てば経つほど。

今月は同じ『DANCE GRAND Harajuku』で「学連ＯＢＯＧ練習会ラテン」が開催されました。その時の講師が特別に新井健伊稚先生でした。そのためお馴染みの感じがします。準備運動、エクササイズのダンスを経てダンスタイムに。そこは社交ダンスの姿であり男性が女性を誘いに行くというスタイル。よくよく思い返すと自分の人生にこのような行動をすることは皆無。日本人の文化や特性に合っていないような気がします。それが学連時代にダンスバイトで鍛えたせいで自然とできてしまう。若いときの経験は恐ろしい。今もこのように踊れるのは大学４年間毎日のように練習した経験から。過去の財産です。今から新たにステップを覚えて経験を積んでということをしてもできないこと。できたとしても生活の全てをつぎ込んで行わないとできないでしょう。学連のあの頃は学業と抜くと本当にほとんどの時間を費やしていました。学業は手を抜いて卒業できる大学ではないので必死でした。

体力もそうですが機会（チャンス）も同じです。イベントが「学連ＯＢＯＧ同好会」ですから学連に所属したことがないとその場に居られません。一般のダンス愛好家でもアマチュア選手でもダメ。参加できる機会を持てるのも過去の財産です。通常のダンスイベントではやらないであろうナチュリバ。東京理科大学でいうボックスです。ナチュラルターンをくり返す。リバースターンをくり返す。基礎練習です。夏合宿で冷房のない体育館で叫びながら行った。側筋（そっきん。学校によってはサイド強化ともいう。）と並ぶ学連特有練習でしょう。この「学連ＯＢＯＧ同好会」でも大学名を言いながらペアで踊りました。学校を背景とする団体競技、という原則を持つ学連では母校が非常に重要視します。四半世紀前に卒業した大学名を意識するのです。

イベント後に同期メンバーと話す機会がありました。親の世代になり１８～２２歳だった頃は遠い昔のはず。それがよく覚えていてエピソードがたくさん出てきます。誰もそうでしょうが、仕事のこと、家庭のことが日常の大部分で自分のことはそれらの延長線にあると思われます。令和の今なら絶対アウトなことも２０世紀末は当たり前のようにできた。ノストラダムスの大予言とか２０００年問題（Y2K）とかいって人類が滅亡するのではないかと騒いでいた頃。本や映画で観た世界ではなく本当に体験したもの。過去からの連続によって今がある。それを雑談から再認識します。

同じ時代を過ごした同世代と話ができるのはとても貴重な体験です。過去を懐かしむにはまだまだ早すぎるし老け込むような年齢ではないです。けれども培ってきた過去を振り返るのは、尊い時間、でした。

甲野　功

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