開院時間
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最近このような本を買いました。
『マンガでわかるテスタの株式投資 テスタ(監修)、星井博文(編集)、松枝尚嗣(イラスト) 大和書房』
とっつきにくいことはマンガで解説しているものから読んでみようということです。株式投資。これまで何冊か本を買って勉強してみました。やるやらないは別として株式投資のことは知っておこうという考えがありました。株式投資以外にも投資そのものに。
私は理科系大学を出ており、根は研究系の理系人間です。そのせいか経済とか経営に対してアレルギーがありました。文系の経済学部や経営学部は大して勉強もしないで遊んでばかりだろう。こちらは実験、レポート、試験で大変なんだ。そんな偏見がありました。文系からすると物理や数学が社会に出て役に立つのか?、数式ばかり難解だと毛嫌いされていたことでしょう。ちなみに私の大学時代の所属を正式に記すと<東京理科大理学部第Ⅰ部応用物理学科>でした。理科の理が3つも出てくる、物理だけでも分からないのに応用が付くってもっと意味が分からない。そのように文系から言われたことがありました。そんな私ですから半導体商社に就職して営業研修を受けたときからアレルギーがありました。大学の研究室では半導体(青色発光ダイオード)を研究していたので技術的なことは面白かったのですが、売上、納期、利益といったところは嫌いでした。本当は嫌いとか言ってられないのですが学生気分が抜けなかったのでしょう。経済と政治は密接な関係があるから政治にも興味を持てと言われたのですが、やはり本腰が入らず。ただ社会人になってすぐにITバブル(ドットコムバブル)が弾けて急速に最も関係の深い国内半導体メーカーが業績悪化に陥ったときに経済の怖さを感じました。当時は韓国のサムスンを鼻で笑っていたのですから。技術者として手に職をつけた方が将来いいだろうと脱サラをしてこの業界に身を投じる遠因となりました。
そして数多くの専門学校に通い、4つの国家資格と専門学校教員免許を取り、13年前に独立し、11年前にあじさい鍼灸マッサージ治療院を始めたのです。そうなると嫌でも経済、経営のことを考える、学ぶようになります。さすがに「腕が良ければ食っていける」などと楽観的なことは言えません。過去の幻想や生存バイアスに惑わされていたら持ちません。経済のことを知らないと生き残れない。その中で投資というものが出てきます。私のような昭和生まれには貯金(貯蓄)は言われても投資のことを習ったことがありません。私が小学生の頃はバブルで銀行にお金を預けていれば1年で10%増えました。1万円が1万1千円。100万円なら110万円です。何もしなくても。それが最近まで0金利政策で0.0・・%。100万円を銀行に預けていても数円しか利息がつかない。独立して日々お金のチェックをしていると嫌でも実感します。そうなると投資という選択肢が否応なしに出てきます。
ただ投資と言っても最も利率がいいのは自分への投資であると言われています。ですから専門学校の学費というものにかなり投資してきました。私の国家資格は更新制ではないので一度取ってしまえば返納するか剥奪されない限り一生使えます。また数年に渡る経験と構築した人脈は非常に有用。目に見えない財産であります。それは子育てにも言えて、子どもを育てるのはコスパが悪いとか金持ちの道楽だといったことを言う人がいますが、子どもの価値は日本においてどんな金融商品よりも価値が上がっていきます。何故ならどんどん減っているから。今年父を亡くし、母も年老いていく自身の状況を考えると子どもへの投資はとてつもないリターンがあると感じています。
その上で。やはり株式投資や投資信託といった実質的なお金に関わる投資も考えていかないといけないと考えています。いつかはやろうと心の中で思っていたことを本格的に考える時期が来ているように感じていて、また本を手に取ったのです。
本書で最初に述べていることに
『生きていく上でお金の存在は絶対』
という至極当然のことがあります。これは最近キングコング西野亮廣氏がテレビ番組で述べていたことですが、お金(資金)が尽きた瞬間に夢は終わる、ということと同じ。お金で全てのモノやコトは買えませんが大概のものは買えてしまう。貧すれば鈍するという言葉あります。お金が無いと正常な判断ができなくなってしまいます。
そして
『投資はギャンブルではない』『(あなたは)円に投資している』
という言葉。同じく西野亮廣氏の言葉を引用しますが、負けたら生活できないようなやり方は博打であって挑戦ではない、といいます。投資とは負けても生き残れる状態で行うことだと。株式や先物取引で全額突っ込んで生活できないような状況に陥るのは投資ではなくギャンブル(博打)であるのです。また日本円を貯金しているのは日本円という価値に投資していることに他なりません。円安で円の価値が相対的に下がっていけば海外に行くことは厳しくなり、外国人が日本にやってくることになります。バブル期にこぞって海外旅行に行ったのは円が強いから海外に行けば日本よりも安くて豪遊できたから。そのようなことが分かってきます。
またとてもシンプルなことですが
『株価を決めるのは自分ではなくその他大勢です』
という事実。需要と供給により株価は変わるわけです。つまり状況によって価格は上下するので実質予測することは不可能だということ。絶対に儲かるということはあり得ないとも言えます。このことは開業すると身に染みて分かります。価値を判断するのは世間。私がどれだけ努力して勉強して資格を取っていても、施術の価値を決めるのは患者さん。それ以前に当院を選ぶのも。同業者だからあそこは胡散臭い、違法行為をしている、と私が分かっていても素人の人には判別がつかず目立ったところに行ってみる。そして料金に納得した内容であればそれでいい。悲しいかなそれが現実です。違法行為を広告面から取り締まる動きが出てきていますがまだまだ時間がかかりそうです。私自身が株価だとして、それを評価するのは私自身ではなくその他大勢であることを肝に銘じておかないといけない。それを株式投資から再認識させられます。
本書では株式投資のテクニックが書かれています。それはどの本でも書いてあること。私が感心したのは負の面を教えていること。例えばポンジ・スキーム。投資案件詐欺のことで集めた資金を運用せずに、あたかも配当金として還元するかのように装うことだそう。初めて知った用語でした。これまでの人生で一度たりとも目にしたことすらなかったもの。投資詐欺についての警告が書かれています。投資詐欺に遭わないために大事なことは、『他人を「頼る・信じる・あてにする・任せる」はダメです』と作者のテスタ氏は述べます。極論な気がしますが確かにそうかもしれません。また投資でいちばんやってはいけないこととして『「自分が理解していない」「納得できない」金融商品にお金を投じること』だとも。これは開業に関することや技術習得でも同じことだと感じました。訳の分からないコンサルタントにそそのかされて効果のない広告に手を出す。派手で成功しているように見える技術セミナーに大金を支払ってしまう。私の業界でも通用する苦言だと思います。
株式投資について学ぼうと思って本を読んだら自分の仕事を見つめ直すきっかけになりました。金融リテラシーを持ち、投資について学ぶことは必須です。もう高校の家庭科で学ぶそうですし。これからの若者は知っていて当然という時代が来ます。その令和に追いつくように投資や金融について勉強しながら本業にも活かしたいです。
甲野 功
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