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~長女と映画『いま、会いにゆきます』を観た~

いま、会いにゆきます スタンダード・エディション DVDパッケージ
いま、会いにゆきます スタンダード・エディション DVDパッケージ

 

 

映画『国宝』が興行収入100億円を突破しました。実写邦画では22年ぶりの快挙です。

 

近年、アニメ映画では興行収入100億円を突破する作品がバンバン生まれています。つい最近映画館で観た劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来』は既に200億円を軽く超えて300億円に近付いています。100億円までにかかった日数がわずか8日間と日本史上最速という記録を打ち出しました。記録を持つ同じく劇場版『鬼滅の刃』無限列車編の400億を超えるか注目されています。これだけアニメ映画が強い中、実写邦画で100億円を超えた作品はこの『国宝』を入れても4作しかありません。それくらい観客動員の規模がアニメとは違います。

 

最近は映画館に行く機会が増えてきましたが、かつては相当な頻度で映画鑑賞をしていた時期がありました。鍼灸マッサージ専門学校時代です。その頃は名画座を巡り、ときに1週間で4本邦画を観ていました。名画座は新作ではなく公開時期が遅れた作品をテーマに合わせて2本立て、3本立てで上映する映画館のこと。都内にはかなりありました。新作上映よりも入場料が安い上に私は学割が使えたのでたくさん観ました。新作も観ましたが圧倒的に名画座に行く方が多かったです。早稲田、飯田橋、池袋、渋谷、三軒茶屋、中野、黄金町。

私が高校、大学だった頃は洋画全盛。邦画を観るのはカッコ悪いという空気がありました。1980年から2000年くらいまで。バックトゥザフューチャーターミネータータイタニックアルマゲドンなど。ハリウッド超大作が大人気。邦画は日陰者で数年に1本くらいブームになる作品が出る感じでした。ここでも日本映画として踏ん張っていたのはアニメ。スタジオジブリ作品は誰もが観にいくものでした。

 

流れが変わったのが2004年公開の『世界の中心で愛を叫ぶ』からだと言われています。それまでのヒット邦画は人気ドラマの映画版が多かったのですが、本作は映画が先。映画『世界の中心で愛を叫ぶ』がヒットして後にテレビドラマ版が製作されます。かくいう私も邦画にのめり込んだきっかけはこの『世界の中心で愛を叫ぶ』でした。元々は知人から深田恭子土屋アンナ主演の『下妻物語』がとにかく面白いという話を聞いて、名画座で観たときに同時上映でセットだったのが『世界の中心で愛を叫ぶ』でした。1回の料金で2本観られるならと損をしたくない精神でみたのです。『下妻物語』はとても面白かったのですが『世界の中心で愛を叫ぶ』は感動もあり、何より俳優の素晴らしさに気付かされました。大スクリーンで観たときに分かる良さ。それまでの邦画の印象が大きく変わったのでした。派手なアクションが無くても、日常を描いていても、日本人俳優が出す雰囲気や演技や劇中音楽の良さが感じられました。あまりストーリーを気にしなくなります。洋画の字幕を読むストレスもない。

そこから良さそうな邦画を名画座のスケージュールを確認しながら観てまわる日々になります。当時は20代独身で時間もありましたから。専門学生という身分もプラスされ。特に感動して今でも好きな映画の上位に入る作品が2004年公開の『いま、会いにゆきます』です。実際に観たのは2005年か2006年だと記憶していて、やはり名画座での観賞。新作上映時には知らなかったのです。事前情報がなく何となく良さそうという雰囲気で観ました。20年以上前のことですが、今のようにスマホで調べることもなく勘で行こうと決めて。現在の私では時間やお金を費やして損をしたくないという感情が働くので、ある意味で若気の至りです。

 

『いま、会いにゆきます』は主演が竹内結子中村獅童。二人の子ども役で子役の武井証。驚くほど登場人物が少ない映画でエキストラやちょい役を除くと6~8名くらいで作品が進みます。作中に悪い人が出てこない、戦闘も殺人も起きない物語。年代を特定する描写がありませんが携帯電話が登場せず、テレビもブラウン管の分厚いものなので1990年前半か1980年代かと思われます。ラブストーリーですがファンタジーでもあり。ラストに向けて大きな謎が解けていきます。伏線が幾つも張られていて、再び見返すと気付くことがたくさんあります。

気に入った理由はまず主要3人の俳優の演技が素晴らしいこと。次にジブリ作品を実写化したような雰囲気。ボーカルのついたBGM(劇中歌)がなく、柔らかい音楽のみ。自然豊かな情景。20代後半で初めて観たときに本当に感動しましたし、その映像美、音楽、ストーリーに感心したものでした。

 

つい先日、話の流れで長女と今まで観た映画で特に良かった作品の話題になりました。そこで『いま、会いにゆきます』を紹介しました。どのような作品か。ストーリーの肝。俳優のこと。いかに良いのか。そしてその後もことも。話を聞いてかなり興味を持ったようなので二人で観ました。アマゾンプライムでも観られますし、DVDボックスでも持っているので。

長女は現代っ子ですからネタバレをしても構いません。事前に面白いという確約がないと観ようとしません。約2時間ありますからつまらないとそれだけ時間を費やしたくない。横で解説しながら観ました。現在よりも12年前が物語の主体の時間軸で、高校生時代の回想パートはもっと前になります。公開時2004年でそこから15年くらい前の日本になる計算。長女にはよく分からないものがたくたん画面に出てきます。今ならスマホで連絡すれば?という話も作中はそうもいきません。学校のイベントでプロが撮影した写真が張り出されていて、焼き増しを貰いたいものを番号で書いて後で業者に注文して手に入れる。長女には知らないシステム。ちょこちょこ解説をしないといけません。私にとっては実体験なので昔話にもなります。

事前にタイトルの「いま、会いにゆきます」という意味やオチを話していたので長女にとっては確認の視聴。それでも涙して感動していました。

 

そして作品公開から20年。裏側とその後も話をしています。竹内結子と中村獅童はこの作品をきっかけに結婚します。劇中の役から本当の夫婦に。だからこそあれだけの演技になったのでしょうか。二人には男の子が生まれます。作中でも一人息子を生む。当時ニュースを聞いて映画と現実がリンクしていると私は大いに幸せな気持ちになりました。しかし竹内結子と中村獅童はその後離婚。親権は竹内結子側になります。歌舞伎役者の中村獅童にとって息子と離れるのは大きな意味があります。この報道を知り私は寂しくなりました。それから中村獅童は別の女性と結婚し男児を授かり、息子も歌舞伎デビューを果たしています。竹内結子も後に再婚して子どもが生まれます。そしてコロナ禍の最中の5年前に突然自宅で亡くります。幼い子どもを残して。映画『いま、会いにゆきます』も6歳の一人息子を残して28歳で亡くなる役。悪い意味で映画をなぞったようなことが起きてしまいました。あのときの衝撃は今も心に残っています。

このような現実の事情を説明した上で長女と作品を観ました。私も子どもができた親の立場で、子どもと一緒に。20年前に観たときと、また違った気持ちがありました。作中で子役の武井証が、僕は生まれてこなかった方が良かったのかな、ママは僕のせいで死んじゃったんでしょ、というセリフがあります。そこに母親である竹内結子が、あなたは望まれて望まれて生まれてきたのよ、と語りかけるシーン。親になった自分が、長女と一緒に、現実に幼い子どもを残して亡くなってしまった竹内結子が語る姿を観たときに、20代の頃と全然違う感情になりました。忘れがちな日常の幸せを再認識するのでした。

 

エンディングで最初の最後の歌が流れます。ORANGE RANGEの『花』。大ヒット曲で何度も聴いてきました。それなのに歌詞の

君が僕に残したモノ

"今"という現実の宝物

だから僕は精一杯生きて

花になろう

がずしんと心に響きました。

 

本当に今、この現実を大切にしようと思います。

 

甲野 功

 

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