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~プロ同士のマッサージ練習会その2~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 露木先生を招いてのマッサージ練習会
露木先生を招いてのマッサージ練習会

 

 

昨日は再び『中央林間マッサージ鍼灸院つゆき按腹堂』の露木美那先生を当院に招いてマッサージの練習会を行いました。

 

神奈川県中央林間で開業している露木美那先生。神奈川衛生学園専門学校卒で4代目「後藤流按腹術」継承者で「結合織マッサージ」を修得しています。神奈川衛生専門学校は東京衛生専門学校との姉妹校。故後藤真一氏が後藤学園(当時)東京衛生専門学校を設立しました。そこで後藤流という技術があり、特に按腹という按摩の技術を深めたものがあります。代々創業の後藤家が引き継いできましたが4代目を露木先生が継承しました。またドイツのマッサージ技術を取り入れており、その象徴が「結合織マッサージ」と言えます。結合織マッサージはドイツ人のディッケ氏によって生み出された技術でそれを日本に取り入れたのは後藤家になります。

 

あん摩マッサージ指圧師。これが正式な国家資格の名称あり、厚生労働省が管轄する免許名であります。あん摩マッサージ指圧師免許を持たない者が、業として(※法律用語の範疇。「反復継続の意思を持って行うこと」と解釈される)マッサージ行為を行うと、あはき法(※正式名称「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師に関わる法律」)第1条違反となります。私も露木先生もあん摩マッサージ指圧師であります。あん摩マッサージ指圧師という長い名称はあん摩(按摩)マッサージ(massage)指圧の3つの技術をひとまとめにしていることに起因します。マッサージ(massage)は明治時代にフランス(あるいはヨーロッパ)から軍医が導入したことが我が国の始まりとされています。あん摩マッサージ指圧師は按摩とマッサージと指圧を厳密に区別しております。「あん摩マッサージ指圧理論」で学ぶことですし。一般の方にはどれも手で行う“マッサージ”でしょうと思うかもしれませんが技術、理論がそれぞれあるのです。あん摩マッサージ指圧師のマッサージ(massage)は皮膚を直接触り、滑剤(オイルやパウダーなど)を用いて、求心性に行う、技術をいいます。

 

各専門学校(視覚障害者のための視覚支援学校ではなく)はその成り立ちや時代の経緯によって教える技術に濃淡が生まれます。看護、マッサージの学校から始まった東京衛生専門学校、その流れを組む神奈川衛生専門学校は鍼灸も教えますが今もマッサージに力を入れています。私の母校呉竹学園東京呉竹医療専門学校は鍼灸師の故坂本貢氏が1926年に「東洋温灸医学院」を創設したことから始まります。あん摩マッサージ指圧師を養成しますが鍼灸の学校という自負が強くあります。他には東京医療福祉専門学校は江戸時代に吉田久庵によって生み出された「吉田流按摩」を継承する故平川荘作氏が、吉田流按摩の火を消してはならないと1950年に「東京マッサージ師養成所」を創設したことに由来します。今も東京医療福祉専門学校は吉田流按摩の学校として鍼灸も教えますが按摩へのこだわりが強いのです。このように各あん摩マッサージ指圧師養成専門学校で特色があります。ところが横の交流が乏しく、私も去年まで「結合織マッサージ」も「後藤流按腹術」も受けたことも見たこともありませんでした。

 

毎年1年のテーマを年初に決めて行動しています。今年のテーマは~按・マ・指を探求する~。様々なあん摩マッサージ指圧技術を研究追及しています。前回のマッサージ練習会では露木先生と東京医療福祉専門学校の学生さんをお呼びして結合織マッサージを見学しました。事前に露木先生の結合織マッサージを受けたことがあったので客観的に動作を見るために学生さんにお願いして行っているところを見て学びました。その後、露木先生のオイルマッサージ(あん摩マッサージ指圧師のいうマッサージ)を私は受けに行きます。そこで独特な、私の知らない動作が多数あり、もう一度マッサージの勉強会をしましょうという話になり、今回の開催になります。今回も露木先生、そして東京医療福祉専門学校鍼灸マッサージ科の学生であり柔道整復師の新城さんとその知人が当院に来てもらい(オイル)マッサージの練習会をしました。

私のマッサージ技術はもちろん呉竹学園で学んだことがベースとしてあります。専門学校では国家試験合格が絶対のテーマであり、実技も座学も国家試験受験資格を得るための卒業認定が第一目的になります。勝手に国家試験を受験することはできず、専門学校が認めないと受験資格が得られないのです。そこには基本、安全に行うための技術が重要視されて、臨床で効果を出せるかというのは少し優先度が低くなります。それよりも安全に行うこと、基本に忠実であること。専門学校の実技授業はそこを守らないといけません。免許を取ってから臨床現場で実践経験を積み、鍼灸マッサージ教員養成科に進学して更に実践的な授業を受け、自分で研究や練習を重ねて今があります。20年以上練習や研究してきましたが露木先生のマッサージは私の経験(教科書)にないものでした。こちらもプロですからどんなことをしているのか感触で分かるのですが、なぜそれをするのか、どんな効果が期待できるのか、細かい指の使い方、など疑問点が多数ありました。会話して分かったことは結合織マッサージをベースにした(オイル)マッサージであることと、ドイツのマッサージが入っているということでした。呉竹学園ではスウェーデンマッサージを学ぶ機会があり、本も買って研究しました。スウェーデンとドイツは同じヨーロッパですが細かい部分で違いがありました。

 

まず新城さんの背部に露木先生が(オイル)マッサージをしていきます。それを見学しながら2度自身が体験した記憶と照合していきます。大きな特徴は私の習ったマッサージは縦の動きなのですが露木先生のそれは横の動きが多いこと。また一方向性ではなく戻ることや回転の動きがあります。文字にしても何が言いたのか分からないと思いますが、マッサージは求心性という原則にとらわれないという驚き。そして皮膚、皮下組織、結合織に対してアプローチをしていること。これまで私が習ってきたマッサージは静脈・リンパが主でそこに筋肉にもアプローチしていくもの。皮膚や皮下は自然と触れるので考えていません。それを皮膚の癒着をみて、体表面に皺を寄せていく、というやり方をしています。私の知っている概念とは違いました。これは結合織マッサージのもので、前回見学してその考えを学びましたが、オイルを用いたマッサージでも応用されているのでした。

皮膚を集めて皺を作る。そのときの指の使い方が難しかったです。新城さんの背中を借りて練習しました。露木先生より指が長く手が大きいせいか見た動きとやってみた動きが乖離しています。また動きが不連続になり(ぶつ切りになり)、連続して(ずっとつながった動作)できません。そして皺を寄せるにはある程度摩擦が必要でオイルをつけすぎるとできないという。

更に復習として結合織マッサージの擦過軽擦(平たい滑擦)、カギ型軽擦(立てた滑擦)、ハンゼン氏皮膚波法、皮膚牽引法を見せてもらいました。手首の使い方、中指と薬指の置き方といった細かいテクニックを教えてもらいました。

 

背中でのデモンストレーションと練習が終わった後は下肢(足)後面のマッサージを私が行いました。受け手の新城さんが本当に腰が痛いのと、連れてきた知人がプレ学生さんで今後鍼灸マッサージ専門学校進学を検討しているため。下肢の疲労があることと、呉竹のマッサージを見て後藤流と何が違うのかを見てもらおうという私の提案です。ついでに体の見立てや気にするポイントなど露木先生と若干違う部分を述べて。途中下肢でも先ほど露木先生にならった技術を下腿(ふくらはぎ)で行いつつ、下肢の後面をマッサージしました。時間が無くなってきたのですが、このような機会はなかなかないだろうと、下肢前面のマッサージを同時に私と露木先生で行いました。5分間という時間制限をつけて。学生の新城さんにとっては同時に左右別々の手技を受けることになります。技術のルーツも性別も体格も異なる二人から。マッサージをする私たちも分の組立で行いつつ、横を見て。順番や触り方、立ち方といったことが術者同士意識することがあります。また時間制限を課すことで何をして何をしないかも考えます。傍目で見学していたプレ学生さんにどれくらい通じるか分かりませんが、誰がやってもマッサージは同じでしょう、という事前に持っていた先入観が変わることを期待しました。

 

今回の練習会でよりマッサージ技術に幅と奥行きができた気がします。何となく露木先生の技術を真似ていたものからしっかりとやり方、意図すること、コツを学び。今後は練習を重ねて自分の引き出しに整理します。いつでも状況にあったときに実行できる技術にするため。

ご協力いただいた露木先生、新城さんありがとうございました。

 

甲野 功

 

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