開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
先週の金曜日に東京呉竹医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科で特別授業を担当しました。授業の前後に職員室にいます。私は東京医療専門学校(東京呉竹医療専門学校の旧名称)の鍼灸マッサージ科(本科)、柔道整復科(柔整科)、鍼灸マッサージ教員養成科(養成科)の3科を卒業しています。このうち職員室に在校生が入ることができるのは養成科だけでした。試験や成績のことがありますから職員室に生徒が入室できないのは当然で、教員に質問等がある場合は入り口までで別室や入り口カウンターで教員と話をします。養成科は生徒全員が鍼灸師の資格を持ったプロという判断なのでしょう。さすがに教員の机前まで行くことはできませんが職員室に入ることができました。卒業生として職員室に入りました。そこでは別の講師がいることが多いのですが、今回は他校の専任教員となった卒業生がたくさんいました。
養成科。文字通り鍼灸マッサージ専門学校の教員免許が取ることができる学科です。入学要件としてあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のいずれかの国家資格を持つ者です。私は資格を取得して5年空けて養成科に入学しました。多くは国家試験を2月末に終えてそのまま4月に養成科に進学するというパターン。特別授業を一緒に行う内原拓宗先生も養成科卒業生で、元は関東鍼灸専門学校の専任教員でした。私が入学するときは教員の採用はあまり無いのでと言われたものでした。養成科は『10年の修業を2年で』という売り文句で臨床強化を謳っていました。私としても臨床重視で教員になろうとは考えず入学しました。それでも同期からは複数名専任教員になりました。専任教員というのは文字通り専門学校の教員を主とするもの。専門学校に就職して職員であります。授業を担当することはもちろん、学校の業務をこなします。職員ですから固定給で社会保障もあります(※もしかしたら違うところもあるかもしれません)。対して非常勤講師という業態もあります。専門学校に所属せず授業ごとに来校して決まった授業を担当するというもの。フリーで専門学校とは授業毎の契約になります。1コマいくらという。場合によれば附属施術所の担当といった授業外の業務もありますがそれも契約次第。歩合制で社会保障は基本的にありません。私もたまに単発で授業を行うことがあり、その場合は非常勤講師ということになります。
特別授業当日は2コマ目が担当だったのですが、1コマ目はリクルート。来年卒業の養成科2年生に対して、うちで専任教員として就職しませんかというお話でした。3校から各2名、合計6名の先生が来校していました。私が担当する授業前後でご挨拶させてもらいました。6名のうち5名が本校養成科の卒業生。すなわち私や内原先生の後輩にあたります。私は卒業してから毎年養成科の卒業論文発表会を公聴しています。養成科2年生は1年間かけて卒業研究をして論文にします。その発表会を2月に行います。1年生はその発表を聴き、自身の研究の参考にするのです。私は卒業後も毎回参加しております。印象深いテーマは記憶しているので挨拶した卒業生の卒論テーマを聞くとあれですかと思い出します。さすがに発表者の名前と顔は覚えていないのですが(毎年約25名いてそれが12年)、研究内容は大体記憶しています。そのため、あああの!という気持ちになります。中にはとても影響を受けて新しく器材を導入するきっかけとなった研究をした先生もいました。また8年前以降に卒業した先生は私達の特別授業を受けているのでこちらを覚えている先生もいました。
私は専任教員という道は進まず地元で開業するという道を選びました。母校の東京呉竹医療専門学校が同じ東京都新宿区にあるため卒業後も縁があります。学校の教育編成会議で外部委員を務めているので年に2回は会議のため来校しています。そのため東京呉竹医療専門学校の事情はある程度分かります。一方他校のことはやはり情報が入ってきません。同期で専任教員になった人の話や、他校の学生さんが勉強にくるときに話を聞くくらいです。国家試験合格率や受験者数、所在地など公開されている情報はチェックしています。進学希望者のプレ学生さんに学校選びでアドバイスするために。全国の鍼灸マッサージ専門学校は名前と所在地域くらいまでは頭に入っています。そこで他校の専任教員になった先生方と話をして状況を知る機会となりました。
私が住む、そして母校がある新宿区は東京都でも都心です。東京23区の中でも都庁がある区。ここでの環境は人が多くて交通の便が抜群に良い。反面、競合する学校がたくさんあります。地方になると状況が一変して県に1校しか専門学校がないところも少なくありません。複数あったとしてもエリアごとに1校だけという場合も。そういった学校では事情がやはり異なります。また、学校毎に取り組み、課題点がそれぞれある。外からでは分からないものがあるのだと知りました。私は開業鍼灸師の立場ですが、内原先生は元副校長で他の先生方は養成科職員を含めてみんな専任教員です。学校の実情を語り合っています。同じ鍼灸師で母校が同じでありますが、置かれた立場が違うので新鮮でした。
本校教員養成科は日本初の鍼灸マッサージ専門学校教員養成施設。創設40年を超えています。来年呉竹学園創立100周年とともに40周年記念イベントが行われるかもしれません。これだけの歴史があり、私のように開業する者が多いのですが、専任教員として学校教育に携わる先生も大勢います。校長や学科長になった人も少なくありません。本科卒ではこのような人たちと出会う機会は限られていたでしょう。同窓生が全国の専門学校にいて教壇に立っている。図らずも9月6日は養成科卒業生が集まりました。そこに養成科の伝統と人脈の広がりを感じます。普段は臨床のことばかりですが、教員・教育面でも世界が広がるのが養成科の利点。しかも卒業生が多いので広がる範囲が大きい。もう卒業して10年以上経過していますが、養成科は大きな財産だと思った日でした。
甲野 功
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