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~価値のある情報とは~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 コロナが残る中での授業
新型コロナの影響が残る中での

 

 

先日は母校の東京呉竹医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科で特別授業を行いました。それ以外にも個人で学生向けセミナーを不定期で開催しています。講義する立場からすると教えることは情報を提供していることと等しいと感じます。経営の世界ではリソース(経営資源)として人・物・金・時間・情報を挙げることが多いです。人材、物資、資金、時間、そして情報。情報は重要な経営資源の一つというわけです。昔から情報は貴重で、戦争においても情報が戦局を左右します。情報戦という言葉があるくらい。

 

ところが最近では、情報は相対的に価値がなくなっていると考えています。どういうことかと言いますと。先の教員養成科特別授業、一緒に登壇した内原拓宗先生から「この授業を聞いた今年の2年生は幸せですよ」という絶賛のお言葉をいただきました。業界でも教員養成科でも先輩にあたり、専門学校副校長を務めた学校教育に長く携わってきた内原先生に。ただ私が話した内容の9割はウェブサイトで見つかる情報です。秘密の、特別な、情報ではありません。丁寧に根気強く調べれば出てくる情報です。何年もチェックして、各情報を時系列にまとめて流れを作り、将来の予測までしたのは私の作業ですが。点と点を繋いで線にしてまとめた。点であるそれぞれの情報を入手するアンテナを張っていて、出たら内容を理解して情報を保存しておく。それをストーリー(講義内容にそった話の流れ)にそって並べていくという線にする。これはなかなか他人にはできないことでしょう。しかしどんどんAIができるようになっていくことです

チャットGPTをはじめ優秀なAIがどんどん現れています。今はGoogleで検索するとAIでまとめてくれて解説を勝手にしてくれます。どこから情報を取ったのかもリンク先を示してくれます。検索するだけでAIが自動的に要約してくれるのです。さらにAIで上手く質問を重ねていけばより詳しい情報を得られるでしょう。ファクトチェックといってAIが示した情報が正しいのか事実確認をしないといけませんが、その精度は年々上昇するはずです。AIが根拠としてソース(情報源)はだいたいリンク先を示すので元情報を確かめておけば完全に間違ったものには現時点でもならないでしょう。更に集めた情報をAIにテーマに沿ってまとめさせることができます。AIが作成したものをたたき台として更にブラッシュアップを自らするのか、AIに投げかけるのか、という作り方。もう大学の論文でもこのようなやり方が浸透しています。私はAIを用いずに授業資料を作成しましたが、情報収集→まとめる、という作業はAIに置き換わっていくことでしょう

 

そうなると情報の価値はどんどん下がっていきます。私がわざわざ資料を作って教室に出向き話さなくても。AIに質問を投げかければ情報を得られる。今回の教員養成科特別授業ではあはき・柔整広告ガイドラインについて話をしましたが、それもAIによって解説してもらえるのです。どういう視点で話すかがカギですが、それも分かっていればAIにそのように聞いていけばそれ相応の結果を出してくれます。あと数年もすれば、いちいち授業で聞くほどの話(情報)ではない、という状況になるでしょう。

 

それではAIがどんどん進化していく時代に、価値のある情報とはどのようなものでしょうか。果たしてそのような情報はあるのでしょうか。無ければ、あるいは生み出せなければ、仕事を奪われていくわけです。一般企業でも新人は先輩に聞くよりAIに聞いた方が正確だからと先輩の話に耳を傾けないということが起きているそうです。その行き着く先は人を雇わなくてもAIにやらせればできるからと、人が雇用されない社会がやってくる。まさにAIに仕事が奪われるというわけです。AIに奪われない仕事としてまず挙げられるのがエッセンシャルワーカー。実際に人に触れて行う職業。AIは直訳すると人工知能。手足がありません。物理的に何かすることは苦手です。苦手なだけでできないわけではなく。3Dプリンタで家を建てることができるように、物を作ることはかなり実用されています。人間に対しても機械的ではないアプローチができるようになったとしたらやはり仕事は奪われるでしょう。マシンを使った遠隔手術ができるように、正確にこれをすればいいという条件であればマシンのアームで代用できるのです。話を戻してAIに出せない価値のある情報を生み出すことができないと今行っている仕事を失う可能性が高いです。特に教員、講師といったセミナービジネスはどんどん厳しくなっていくことでしょう。

 

価値のある情報はどのようなものでしょうか。私が現時点で考えているのは、個人のエピソードがある、ストーリーがある、体験を伴う、などの付加価値を伴う情報です。AIにはモチベーションがありません。これを学びなさいと指示を出せばディープラーニングでどんどん学びますが、最初にこれをしようというきっかけがなければ動き出しません。人は一見、これは何の意味があるのか?という不条理な事にも興味を持ち行動に移します。個人が体験したこと、なぜそれを体験したのか、体験したことで何を得たのか。そういった情報はAIで生成することができません。例えばある神社の情報。神社のホームページや特集しているウェブサイトを見れば神社の情報は手に入ります。更に項目を絞ってAIに質問していけばより深い細かい情報も手に入ることでしょう。それが実際に参拝した上での情報だったらどうでしょう。何がきっかけで行ったのか。道中起きた出来事。参拝して感じたもの。食べたもの。買ったお土産。このような情報があれば興味が持たれるかどうかは別としてAIでは出せない情報になります。その人の視点から得た神社の情報になります。要は一般的な知識という情報ではなく、その人でないと得られない情報に価値が出てくるのだと考えます。その情報にその人なりのストーリーがあれば感情が伴います。感情が動くとドラマになりますます。少し前からモノ消費からコト消費に変わったといいます。品物を買うことよりも体験することの方が消費者は求めているという。このように体験が伴う情報の方が、より価値があるのではないでしょうか。

 

別に視点で価値のある情報を考えます。それはネットにない情報です。インターネットに掲載されている情報しかAIは集められません。デジタル、ウェブ。そこにない情報は入手できない。言い換えるとネットに載せた瞬間からAIの養分になるといえます。今や文字情報はもちろん、イラスト、絵画、風景、人物の顔、声、音楽、小説、歌、動画などデジタル化してインターネット上にある情報は全てAIが入手してしまいます。そうすると相対的に現実世界で会って話をすることで得られる情報は価値があると考えます。私は日々自分で得た情報をSNSで発信し、まとめてブログにしてホームページに掲載しています。その情報はもう誰か、いやAIによって参考にされる材料になります。何か検索したりAIに尋ねたりした際に、回答の文章や参考にしたサイトに私自身が書いた情報が出てくることがあります。本末転倒。実体験として、ウェブ上に出せばAIの材料になり、反対にウェブ上にないものはAIでも分からないという考えです。だからこそオンラインではない、オフライン(現実世界)の交流が価値があり、そこから得られる情報は価値のあるものだと考えます。体験も伴いますし。

 

AIの登場と進歩で情報の価値が相対的に下がっていると考えています。実際にそうでしょう。コンテンツだってそうで青春時代に過ごした90年代の音楽や映像はほとんどインターネット上で無料で視聴できます。お小遣いを貯めてCDを買ったときと違います。音楽という情報の価値は下がって安価で手に入るようになっています。一方であの頃の曲をもう一度聴きたい!というモチベーションがなければ90年代の曲だって私には価値のない情報です。AI時代に価値ある情報とはなにか。それを見極めることが今後の生き残りに大きな影響があるのではないでしょうか。

 

甲野 功

 

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