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~長生学園附属治療院で長生術を体験~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 長生学園附属臨床実習室で長生術を受けました
長生学園附属臨床実習室で長生術を受けました

 

 

今年の当院のテーマは~按マ指を探求する~。毎年年始に1年間取り組むテーマ(あじさい鍼灸マッサージ治療院としても個人としても)を決めております。今年はあん摩マッサージ指圧師としての技術・知見に改めて向き合うことにしました。按摩マッサージ指圧の3つの技術を修得する国家資格「あん摩マッサージ指圧師」。元々別々の技術を一緒くたにしてしまった感があります。按摩は按摩の、マッサージにはマッサージの、そして指圧には指圧のルーツと技法があります。私の場合、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師でありますが、最も必要とした資格があん摩マッサージ指圧師でした。徒手療法がメインでした。

 

鍼灸マッサージ専門学校である呉竹学園東京呉竹医療専門学校(当時の校名は東京医療専門学校)鍼灸マッサージ科に入学したのが20年以上前。あん摩マッサージ指圧師の勉強、練習を経て国家試験に合格し今に至ります。鍼灸も柔道整復も学びました。鍼灸マッサージ専門学校の教員免許も取りました。11年前にあじさい鍼灸マッサージ治療院を開業しました。キャリアを積む過程で原初たる按摩・マッサージ・指圧のことを再度研究しようと今年のテーマにしています。

呉竹学園は鍼灸から始まった学校です。そのため個人的な感想として鍼灸メインであん摩マッサージ指圧はその次という印象です。一方、母校と同じように鍼灸マッサージ専門学校であっても、按摩・マッサージ・指圧から始まった専門学校があります。あるいはあん摩マッサージ指圧のみで鍼灸は教えない専門学校も。各学校のこだわりが技術に出ます。ルーツが今に影響します。視覚障害者のための視覚支援学校ではなく、晴眼者のための専門学校であん摩マッサージ指圧師の国家試験受験資格が得られるところは全国で21校。鍼灸師や柔道整復師、理学療法士を養成する専門学校・大学がそれぞれ100校を優に超えるなか、あん摩マッサージ指圧師を養成する専門学校は少ないのです。視覚支援学校を入れるとその数は大幅に増えますが。各あん摩マッサージ指圧専門学校の特徴を調査する年でもあると考えています。それは呉竹学園卒であるからこそで、按摩・マッサージ・指圧のどれもまんべんなく強烈なこだわりがないからできると信じています。学校によってはこの技術が全て、という強い信念があるのです。

 

先に説明した21校のあん摩マッサージ指圧師養成専門学校が以下の通りです。()内は所在地です。

 

東京呉竹医療専門学校(東京都四ツ谷)

東洋鍼灸専門学校(東京都大久保)

名古屋鍼灸学校(愛知県名古屋市)

京都仏眼鍼灸理療専門学校(京都府京都市)

大阪行岡医療専門学校長柄校(大阪府大阪市)

日本指圧専門学校(東京都小石川)

仙台赤門医療専門学校(宮城県仙台市)

東京医療福祉専門学校(東京都八丁堀)

東京衛生学園専門学校(東京都大森)

横浜呉竹医療専門学校(神奈川県新横浜)

日本鍼灸理療専門学校(東京都渋谷)

長生学園(東京都雑色)

四国医療専門学校(香川県綾歌郡)

国際鍼灸専門学校(東京都青砥)

東海医療学園専門学校(静岡県熱海)

関西医療学園専門学校(大阪府大阪市)

中和医療専門学校(愛知県稲沢市)

湘南医療福祉専門学校(神奈川県戸塚)

神奈川衛生学園専門学校(神奈川県横須賀)

鹿児島鍼灸専門学校(鹿児島県鹿児島市)

大宮呉竹医療専門学校(埼玉県大宮)

 

このうち、あん摩マッサージ指圧師単独の科があるのは京都仏眼鍼灸理療専門学校日本指圧専門学校長生学園の3校のみ。そしてあん摩マッサージ指圧師単独の学校は日本指圧専門学校と長生学園だけです。京都仏眼鍼灸理療専門学校を含めた他の19校は鍼灸科があります。日本指圧専門学校と長生学園が業界内では稀有な存在です。日本指圧専門学校は浪越学園という学校法人。故浪越徳次郎氏の名前はある程度の世代からは耳にしたことがあるでしょう。名称に付いているように指圧メインの学校です。それも『浪越指圧』という技術の。一方長生学園は『長生術』(長生医学)を教える専門学校です。長生学園は業界内において特に異質です。唯一の宗教法人が運営します。そのことについては別の機会に触れるとして、長生術という技法を継承する学校です。

長生術は按摩・マッサージ・指圧の中では“指圧”に分類されるもの。按摩でもマッサージ(※あん摩マッサージ指圧師がいうマッサージという意味)とも違います。かといって浪越指圧や呉竹学園の呉竹指圧とも違うものです。あん摩マッサージ指圧師のいう指圧は実はかなり範囲が広いので、同じ“指圧”というカテゴリーに入れるがそれはもう別物という感じです。

 

20年以上前からあん摩マッサージ指圧師の勉強をしていますが、長生術と長生学園を知ったのは割と最近です。卒業生にあったのは6年前、実際に長生術を受けたのは4年前でした。6年前は今ほど専門学校の状況や技術について知識がなく、ほぼ何も知らなかった長生術。何度か受けて、また独学で調べて段々と輪郭が見えてきたところです。そして今回、長生学園の付属治療院に受けに行ってきました。

 

長生学園付属治療院「臨床実習室」

 

今年は東京医療福祉専門学校が教える『吉田流按摩』、東京衛生専門学校・神奈川衛生専門学校が継承する『後藤流按腹術』と『結合織マッサージ』、日本指圧専門学校卒の『浪越指圧』を、最近受ける機会に恵まれました。そして今回長生術を長生学園附属治療院「臨床実習室」で再度体験することにしました。

 

長生学園は京浜急行本線雑色駅にあります。雑色駅に降りたのが初めてのことでそのような駅があることも知りませんでした。隣の蒲田駅は有名なので知っていましたが。住宅街にある長生学園校舎とその隣にある附属治療院。中に入ると実習生がざっと6人はいたでしょうか。担当した先生を含めてほぼ全員が今年国家試験を突破した新卒だそうです。朝いちばん時間帯に行ったのですが地元の利用者でいっぱいでした。地域に根付いていることがうかがえます。広い部屋にベッドが複数台あり、カーテンの仕切りがなく、他から見える状態でした。鍼灸をする場合はこうはいきません。あん摩マッサージ指圧の施術所ならではでしょう。

長生術を受けた率直な感想として、レベルの高さに驚きました。新卒でここまでできるとは、という。鍼灸マッサージ科と違って3年間あん摩マッサージ指圧だけを学びます。私の出た鍼灸マッサージ科は鍼灸とあん摩マッサージ指圧を3年間で修得します。学校の成り立ちからも鍼灸教育に比重が高くなります。対しての長生学園、あん摩マッサージ指圧専門学校の強さを感じます。長生術についてもいつかもっと勉強したら触れることにしますが、大きな特徴として“脊椎矯正”があります。これは長生術を構成する三要素の一つ。脊椎、いわゆる背骨。その関節アライメントに注目するというのは伝統的な日本の手技ではあまり見られません。どちらかというと西洋が主流でカイロプラクティックがまさにそう。長生術の元となる長生療術ができ脊椎矯正法が完成したのが昭和6年(1931年)だといいます。カイロプラクティックやオステオパシーといったアメリカの技術が日本に入ってきたのが大正時代くらいと言われているので近代に構築された技術と言えるでしょう。江戸時代からある古法按摩や明治時代に導入されたマッサージよりも新しいものです。仙腸関節を含めて脊椎の状態をみていくのはあん摩マッサージ指圧師の技術では稀有なものです。

 

以前、長生学園卒の鈴木恭平先生に「なりひら治療院」で受けたときと手技の内容がかなり異なっていました。見立て、理論は同じなのでしょうが用いる技が違いました。これまで知っている技術でいうとタイ古式マッサージ、AKAに近いと感じました。タイ古式マッサージは元々タイの仏教僧侶が行うもの。長生術も僧侶の長生上人から始まっており関連性があるのでしょうか。体のいたるところを利用する手技はタイ古式マッサージに通じるものがありました。関節の動きをみる、調整するというのはカイロプラクティックやAKAと同じだと感じました。ただしそのやり方は異なっていました。手足からアプローチして、その後脊椎へ。私も術者ですし、様々な手技を学び受けてきた上で、やる側の立場からすると珍しい組立だと思いました。あまり周囲を見渡す余裕がなかったのですが、附属治療院で同時に行っている研修生は各々やり方があってマニュアルとして統一されている感じはしませんでした。

手の置き方、使い方が複雑で体勢がどうなっているのか受けていて分からないものもありました。これは鈴木恭平先生の時も思ったことですが、術者の身体をたくさん活用し、かつ凝った使い方をします。今まで体験したことのない手技で勉強になりました。こういうベッドの使い方ができるのかと感心しました。また指での押し方も細かい技術がありました。浪越指圧とは異なる指での押し方。不思議な感覚でした。

何より新卒でこれだけできるのか、という衝撃。手技や会話によどみというか迷いが感じられず。最初に私の立場を明かしていたので、他校を卒業した先輩同業者はやりづらいはずです。安定していて不安なく体をあずけることができました。

 

長生術と長生学園。まだまだ情報不足ですがとても勉強になり興味がわきました。そして今までにない視点が得られて、こういうアプローチ方法があるのかと感心するしだい。教員免許を持つ身としては、学校で技術をきちんと教え修得できていることにも。今後も探求していく気持ちになりました。

 

甲野 功

 

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