開院時間
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昨日は来院している学連選手の応援で競技会会場まで行きました。
学連とは学生競技ダンス連盟の略称。社交ダンスを競技として行う競技ダンスをする学生団体です。私は東京理科大学を卒業しているのですが、そこで学連と出会います。学連との出会いが今の仕事に大きな影響を与えました。あじさい鍼灸マッサージ治療院は開業した11年前から社交ダンス関係者(競技ダンス選手、社交ダンス愛好家、コーチなど)専用のコースを作っています。その中でも特に学連選手の思い入れが強く、学連選手向けの割引やキャンペーンなどを実施しています。先月は秋東都戦という競技会会場まで視察に行きました。今回は出場選手の応援を含めて会場に出向きました。
学連は独自のルールがたくさんあります。プロやアマチュアの競技ダンス大会には無いものが。やっていることは同じなのですがシステムが独特で理解しにくいのです。学連経験者でないと分かりにくいのです。しかも年々変化していきます。私が学連に入った大学1年生は1996年のとき。もう30年近く前です。これだけ経てば様々なことが変わります。大筋は同じですがきちんと現状を把握していないと現役選手のサポートに応えられません。ただ施術をしてもらうであれば代わりはたくさんあります。学連の現状を知っていて、話すストレスがないことが重要。学年によって置かれている状況が異なりますので。
今回観にいったのは『第10回東部日本学生競技ダンスミニ選手権大会』という大会です。学連経験者でも新型コロナ前の世代だと、これは何だろう?と疑問に思うことでしょう。かつての秋理工戦です。理工戦といって通じるのもかなり上の世代になってしまいましたが。
学連では全国を地区ごとにブロック分けしています。北から北海道ブロック、全東北ブロック、東部日本ブロック、中部日本ブロック、中四国ブロック、全九州ブロック。母校の東京理科大学は東部日本ブロック(通称、東部)に所属しています。東部加盟校のうち東京六大学(東京、早稲田、慶應、明治、法政、立教)を抜いた大学が東都大学です。そして学連には通称、レギュラー戦といわれる大会が3種類あります。東都・六大学、東部、全日本です。前期、後期にそれぞれあり年間6大会。これは出場者の部歴制限がありません。学連は大学4年間ですので4年間しか在籍できません。大学を留年していたとしても4年経てば自動的に卒部となります。つまり4年生が最上級生で最も経験があります。レギュラー戦は4年生が主体の競技会です。レギュラー戦とは別の大会があり、これは招待試合とかジュニア戦と言われたものです。レギュラー戦は大会名が選手権大会で、今回の大会はミニ選手権大会ですのでかつて招待試合とかジュニア戦と呼ばれたカテゴリーです。3年生以下が出場し、1年生がJrクラス、2、3年生がSrクラスと別々に競技を行うのです。レギュラー戦には部歴で分けることはしません。今回の東部日本学生競技ダンスミニ選手権大会(以下、ミニ東部)は1年生だけのJrと2、3年生のSrの2部門で競技が行われました。4年生は特例を除き出場していません(※特例で4年生が出場していましたがそこの説明は省きます)。
さて招待試合について。学連の大会には特定の大学が主催して行う大会があります。それを招待試合といいます。主催大学が全ての運営を仕切るので会場準備や片付けをしなくてよい、他大学は招待される立場という。コロナ禍を経てかなり数が減りましたが今も獨協大学主催の天野杯、東京科学大学(旧東京工業大学)主催のツバメ杯がまだあります。そして特殊な招待試合として理工戦という大会がありました。理工戦校という複数の大学があつまって大会を主催します。理工科系大学の集まりでは無いのですが成立ちの事情から便宜上理工戦と名付けられました。春と秋、年に2回理工戦は行われていました。
この理工戦をミニ東部という大会に変えて、東部の学校が参加する大会にしたのです。ですから私の世代では馴染みのある理工戦はもう無くなり、代わりに開催時期やシステムを受け継いだのがミニ東部になったというわけです。春、秋2回なので10回目ということは5年前にできたと思われます。システムは変更を繰り返し、現在の秋ミニ東部ではJr(1年生カテゴリー)がワルツ、クイックステップ、チャチャチャ、ルンバの4種目単科戦、Sr(2、3年制カテゴリー)は5種目総合戦です。Srはスタンダード種目が1次予選ワルツ・クイックステップ、2次予選タンゴ・スローフォックストロット、3次予選ワルツ・クイックステップ、準決勝戦からワルツ・タンゴ・ヴィニーズワルツ・スローフォックストロット・クイックステップの総合成績、ラテン種目は1次予選チャチャチャ・ルンバ、2次予選サンバ・パソドブレ、3次予選チャチャチャ・ルンバ、準決勝戦からチャチャチャ・サンバ・ルンバ・パソドブレ・ジャイブの総合成績で順位を争います。
かつての理工戦を知る世代は隔世の感があることでしょう。予選は4種目戦ではないのか。ついにヴィニーズワルツ、ジャイブが導入されたのか。これらの驚きがあるのではないでしょうか。現在、全日本選抜戦(夏全)を除いて東部ブロックのレギュラー戦は4種目ですがゆくゆくは5種目になると言います。それに先駆けて5種目戦になったのが招待試合。ツバメ杯がいち早く5種目となり、国公立戦、天野杯、ミニ東部と導入が進んでいます。
種目以外にもシステムの変化があり、ペーパーレス化、時間の短縮化が進んでいます。
そしてこのミニ東部の会場が東京理科大学葛飾キャンパス。私の母校です。遂に東京理科大学でも学連公式戦が開催されることになりました。今年の春ミニ東部から会場利用が開始。私の感覚でいえば快挙です。連盟委員といって各大学から係が出て競技会運営をする役職があります。私は連盟委員だったので競技会を行うことがどれだけ大変か身に染みて理解しています。会場として貸し出す大学も、その学校の選手も大変です。長らく獨協大学にお世話になってきましたがコロナ禍以降会場確保が大変で電気通信大学、東京大学に続き東京理科大学も会場提供となっています。なお私が学連在籍中に葛飾キャンパスは存在していなかったので別世界にも感じます。
今回の観戦は来院している選手が出場するので応援が目的でした。そして現状視察も大事な目的になります。1年生、2、3年生が出場するジュニア戦を観にいくのは何年振りでしょうか。間違いなくコロナ禍前に遡ります。2019年以前でもいつ以来か記憶にありません。動画ではチェックしますが生観戦するのは本当に久しぶりです。会場に着くとJrの準決勝戦でした。準決勝戦は勝ち残った原則12組が登場。そこから6組が選ばれて決勝戦を戦います。現時点でのJr、すなわち1年生のレベルはどれくらいでしょうか。全体の技術は高くなっています。調べたら4種目(ワルツ、クイックステップ、チャチャチャ、ルンバ)全て優勝したのはリーダー(男性)が経験者のカップル。見ていて妥当でした。多くが大学から始める学連では高校生までに競技ダンスをしていた経験者は圧倒的に有利です。ただ他の経験者は決勝前で敗退したり、決勝に残っても学連から始めた選手に負けたりしている例もありました。10年前なら経験者がJrでは圧倒的に勝つものでしたが今はそうではありません。上達スピードが速くなっており、4月から始めた選手が10月時点で追い付いてくるのです。
エントリー数をみても1年生の出場数がかなり増えています。コロナ禍で複数の大学が廃部となり、全体でも選手数が激減しました。1年生パートナー(女性)を出場させるために上級生リーダーのカップルが加わってはいますが(それだけパートナー部員がリーダー部員より多く入部している証拠であるが)エントリー数増加は顕著です。それは層の厚さと直結し、決勝まで残るのは大変です。
続いてSr。昨年までJrで競技していた2年生を含めた部歴2、3年生の競技。先月の秋東都戦以上に上達スピードの速さに驚きました。多くの大学で夏に正式カップル(固定カップルといいます)が決まります。固定カップルになると特定の相手と練習し、各組の個性を磨いていきます。2年生は固定が決まって2ヵ月くらい。1年以上組んでいる3年生と差がつくもの。それがあまり2年生だと分かるカップルがいなかったです。複雑なステップをこなしています。Jr以上に上達スピードが速いと感じました。更には1組だけ2年生カップルが決勝に残ります。10月半ば時点で3年生を抑えて決勝に残る。レギュラー戦の単科戦ならまだしも、5種目総合戦で。
そしてレベルも跳ね上がっていました。秋東都戦で優勝した3年生カップルを倒す選手。かつてはレギュラー戦で優勝する3年生は招待試合でも優勝するものでしたがそうはならない。レギュラー戦に出場しない強豪がいるのと秋東都戦から秋六大学戦を経て上達していること。このような事情が考えられます。よく言われる明日になったら成績が変わる、というやつで学連選手はわずかな期間で変わります。それにしても3年生でこれだけ上手いとは驚きました。特に数年前はヴィニーズワルツ、ジャイブのレベルは他の4種目に比べて圧倒的に低かったのですが、それも克服しつつあると思います。何より学連の競技会でこの2種が踊られている光景を初めて目の当たりにして時代の変化を痛感したわけで。
環境が変わることで選手に求められることが変わります。それを踏まえて私も学連選手と向き合わないといけません。大会運営まで含めて現地で観戦したことは大きな収穫でした。こちらの意識、常識もアップデートしないといけないと分かりました。
甲野 功
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