開院時間
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昨日はDANCE GRAND Harajuku(グラン原宿)で行われた学連OBOG同好会に参加しました。
学生競技ダンス連盟、略して学連。東京理科大学に入学した私は学連の世界を知り、その後の人生に大きな絵強を与えました。現在の仕事をしているのも学連によるものです。東京理科大学は勉強が大変で入るより出る方が難しいといわれる大学。日本一留年率が高いと噂されたものでした。実際に大学入試のときより定期試験の方が遥かに勉強しました。そんな大学時代に勉強以上に励んだのが学連でした。
学連を経験した学連OBOGが集まるイベントが学連OBOG同好会。東京農業大学卒の新井健伊稚・新井由紀子先生が主催しています。新井由紀子先生は学連同期で新井健伊稚先生は1学年下。学連現役時代を知っています。二人は大学卒業後にプロ選手となり活躍。JBDFという国内最大のプロ団体でプロラテンA級でした。その姿は雑誌等で知っていて、当院から近いJR市ヶ谷駅前のダンススタジオに勤務していたことも。その後新しくできたグラン原宿に移籍しました。2ヵ月に一度のペースで学連OBOG同好会が開催されています。それとは別に学連OBOG練習会というものもあり、こちらは月1回、モダン・ラテンを交互に行っています。今月の学連OBOGラテン練習会にはトラブルにより練習着を用意していた段階で断念することになりました。その分、同好会の方を楽しみにしていました。
学連OBOG練習会は文字通り練習会でかなり高度でマニアックなことを学びます。社交ダンスではなく競技ダンス。学連は入ってすぐに競技の世界を叩きこまれていき、大会を試合といい勝ち負けで成績を評価します。競技者であるため勝つための練習をしっかりするのでその練習内容はハードです。本当の話ですが、東京理科大学Ⅱ部(夜間部)に通う現役海上自衛隊が部員にいて、広島の江田島で訓練もしたという者ですが、ダンス部の夏合宿の方がその訓練より若干きついと話していました。学連経験者なので驚くほど地味で細かいところを学びます。練習会に対して学連OBOG同好会はダンスパーティー色が強く、同窓イベントという感じです。ただダンスタイムになると運動量が激しいので練習会より消耗するのですが。まただんだん学連色が出てきてボックスという基礎中の基礎という練習をやるのが最近の恒例となっています。
そんな学連OBOG同好会ですが、今回は懐かしい出会いがありました。かねてから話題になっていた明治学院大学の同期と再会しました。明治学院大学を卒業してプロ選手となった永島岳先生。彼とは同じモダン専攻で、よくダンスバイトが一緒になりました。学連時代の成績は雲の上でしたがバイトでの交流がありました。私にとっては伝説のY2K問題に揺れた1999年末の年越しダンスパーティーバイト以来の再会です。同期に新井由紀子先生と3ショットにおさまりました。また約10年前に、当時学連現役生で当院ホームページ等のモデルになってくれた女性とも再会でした。偶然にも現在新井由紀子先生に習っているといいます。びっくりしました。そして私以上に驚いていたのが新井由紀子先生でした。現在も当院のホームページやリーフレットに写真が掲載されており、時間流れを感じました。
ダンスに関しては最近気付いたコツのようなものを試しました。今までは相手と組むと棒立ちになる感覚があり、うまく体を動かせませんでした。それを新しい視点が見つかり実験です。これは苦手なラテン種目にもできて身体意識を変える実践練習となっています。もっと経験を積めば体に馴染んでくるように思えます。
学連OBOG同好会が終わり。グラン原宿を後にした私は歩いて代々木第二体育館へ。三笠宮杯観戦に向かいました。
三笠宮杯。正式名称を「第45回三笠宮杯全日本ダンススポーツ選手権」。年に一度開催される歴史あるダンスの競技会で1980年(昭和55年)に始まりました。故三笠宮崇仁親王が旧日本アマチュアダンス協会(JADA)にご就任いただいたことを記念して始まりました。第1回は1981年。過去には会場にお越しになっていて、そのお姿を拝見したものでした。
三笠宮杯は国内最大のアマチュア競技会です。競技ダンスには大きくプロとアマチュアの2部門があります。先に紹介した新井健伊稚・新井由紀子先生や永島岳先生はプロ。現在アマチュアとプロの境界は曖昧でプロ選手に登録していないでアマチュア登録している人がアマチュア部門という感じです。学連はアマチュアの中の特殊部門という感じです。学連に登録した全国の大学に在籍する学生だけが登録される世界。アマチュアでは、下は小学生から上は動ければ何歳でも、登録できます。三笠宮杯を開催するのが公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(JDSF)です。プロプロの最大団体がJBDF(正式名称:公益財団法人日本ボールルームダンス連盟)。JDSFとJBDFで非常に似ているので社交ダンス外の人には分かりにくいのです。JDSFはダンススポーツの団体でパリオリンピックで金メダルに輝いたブレイキンの日本選手を管轄しています。元々競技ダンスの団体(JADA)だったのがダンススポーツという概念にし、オリンピック種目採用を目指して活動しています。このJDSFの最大競技会が三笠宮杯なのです。アマチュア最高峰を決める競技会として歴史を刻んできました。
しかし近年はブレイキンを取り入れたりPD部門を作るなどしたりしていて少々複雑になっています。オリンピックは本来アマチュアスポーツの祭典。JDSFはアマチュア選手のみでした。また社交ダンス、ボールルームダンスといった従来の芸術性よりもスポーツ色を強くしたダンススポーツという方向性を持っていました。芸術性のプロ、スポーティーなアマチュア、という棲み分けがされていました。ところがJDSFは2018年からPD部門を作ります。プレミアムディビジョン。実質プロ部門です。従来のアマチュアをGDと称しています。私のような30年近く競技ダンスの世界にいると違和感を覚えることでJDSFにプロを入れてどうするのか?という疑問がありました。他にJBDFやJDC、JCFなど既存のプロ団体は存在しています。PD部門の競技会を作る意図は何なのか。JDSFのPDに所属する選手は原則他のプロ団体が主催する競技会に参加しません(最近は出場することも増えましたが)。選手数が少なく層が薄いのです。現実に今回の三笠宮杯全日本PDダンススポーツ選手権のスタンダード部門には18組しかエントリーしていません。アマチュアの三笠宮杯には出場制限があり参加数を制限して同じスタンダードで81組です。そして第1回から前回第7回までPDスタンダードは全てオレクシーグザー・太田吏圭子組が優勝です。絶対王者といえばそうなのですが層が薄くて新陳代謝がされていないとも言えるのです。
実は2年前にも三笠宮杯も観戦しています。それは来院している学連選手が出場するからでした。今年も出場していましたが今回の目的はアマチュアの現在と新しいPDを見ようというものでした。
テレビ番組にも出演して知名度がある大西兄妹。兄と妹の血のつながったカップル。ご両親は名古屋大学学連経験者で伝説の記録を樹立した有名カップルでした。私が1年生の時の4年生で誰にも並ぶこともできない記録を樹立した選手でした。大西兄妹は昨年の三笠宮杯においてスタンダード・ラテン両部門で優勝するという36年ぶりの快挙を達成します。2日間出場して両方優勝。三笠宮杯の頂点に立ちました。そしてテレビ番組で特集されるほど話題となったカップル解消。生まれてからずっと組んでいた二人は別々の相手と組むことになります。昨年王者が出場しない三笠宮杯、誰が優勝するのか。三笠宮杯は土日の2日間行われますが、前日のスタンダード部門は小島みなと・盛田めぐみ組が3年ぶりに返り咲きました。ラテンはどうなるのか。
そして大西兄妹の大西咲菜さんは廣島悠仁先生と組んでPDスタンダードに出場するのです。廣島悠仁先生は元々アマチュアで活躍し三笠宮杯でもファイナリスでした。そこからプロに転向しJBDFに所属、JBDFのスタンダードチャンピオンになります。最大のプロ団体JBDFのチャンピオンとして何年も王座を守るグレードチャンピオンになると思っていました。それが2年前に突如カップル解消。業界に衝撃を与えました。その廣島悠仁先生がアマチュアチャンピオンの大西咲菜さんとカップル結成。大西咲菜さんはPDに移籍して大西咲菜先生となり、三笠宮杯PD選手権に出場です。
アマチュアラテンのトップは誰になるのか。競技ダンスの世界は団体が複数あり、色々としがらみがあります。アマチュアにいる全てのトップ選手が出場するとは限りません。出場する競技会を選ぶ場合があります。プロではないだからと思いますが現実は各々諸事情があります。それも踏まえて決勝に残った選手を観戦。新チャンピオンが誕生でした。ダンススポーツとして若い選手が台頭するものですが脂ののった中堅選手の優勝でした。三笠宮杯は採点方法がオリンピック種目を目指すために細かい点数による審判方式を採用しています(ラウンドによる)。ビデオ判定も採用されています。私の観た印象だと別の選手が優勝でもいいのかなと思いました。上位3組は私の考えと一致していました。
そして注目のPDスタンダード。絶対王者のオレクシーグザー・太田吏圭子組は不出場。誰が優勝しても新王者誕生です。常識的に考えてプロ王者だった廣島悠仁先生とアマチュア王者だった大西咲菜先生が組めば強いはず。優勝は堅いと私は予想していました。二人のダンスを動画ではなく生で観たいと思っていました。そのダンスは圧巻でした。別カテゴリーに来ても、採点方法が変わっても、やはり優勝。文句なく。凄いカップルが誕生したと思い知らされました。国内外のコンペにどんどん挑戦してほしいと願います。またこんなにPD競技会が盛り上がるとはという感想。ソロ(フロアーに1組だけ)、デュエル(フロアーに2組だけ)、20小節の規定フィガー、全員で一斉にダンス、と他と違う競技方式が採用されていましたし。ずっと変わらなかった王者が変わり、新しい景色だったと思います。
前半は自ら踊り、最下位があり。後半は現在の最高峰を観戦する。毛色の違ったダンス体験をした1日でした。
甲野 功
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