開院時間

平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)

: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)

 

休み:日曜祝日

電話:070-6529-3668

mail:[email protected]

住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

~あはき業界における視覚障害者就業人数~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 あん摩マッサージ指圧師国家試験 視覚障害者数
あん摩マッサージ指圧師国家試験 視覚障害者の受験者数推移

 

 

今年の当院のテーマとして~按マ指を探究する~としてあん摩マッサージ指圧師の各技術や知識を調査、練習をしています。あん摩マッサージ指圧師は国家資格ですが、按摩、マッサージ、指圧の3つの技術を用います。最初は按摩師から始まり、按摩マッサージ師、あん摩マッサージ指圧師と名称が変化していきました。按摩が日本に入ってきたのは1000年以上前のことで西暦701年に出た大宝律令にもその名前が登場します。そして按摩は鍼灸、楽器演奏と並び視覚障害者の生業としてわが国に根付いてきましたあん摩マッサージ指圧師の歴史をみると視覚障害者(かつて盲人という呼び名だった)との関係が切ってもきれません。江戸時代に生きた杉山和一検校。先日、江の島まで新しく設置された銅像を観にいきました。杉山和一は江戸幕府5代将軍徳川綱吉に領地をもらい世界初の視覚障害者支援施設を設立し、按摩、鍼の教育を行いました。現在でも全国に視覚支援学校があり、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師になるための授業をしている学校や科があります。

 

かつて視覚障害者(盲人)を「アンマ」という呼び方をしていた時代がありました。視覚障害者の多くが按摩師だったため、職業が視覚障害者全般を表すようになったのでしょう。ある時代までは一般用語だったのですが視覚障害者を侮蔑する言葉だとして使われなくなりました。それでも厚生労働省管轄の国家資格に「あん摩マッサージ指圧師」はあり、視覚障害者の方が資格を取っています。

ただし、その数は年々減っています。毎年2月末にあん摩マッサージ指圧師国家試験が行われます。その数は公表されており、学校別の数字も確認できます。視覚障害者が通う学校(視覚支援学校、大学)の受験者数と合格者数、合格率をみてみましょう。今年2025年開催の国家試験が第33回で、情報が分かる第17回からの数字です。

 

視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師国家試験における受験者数と合格者数と合格率

第17回:受験者数644名、合格者数409名、合格者数63.5%

第18回:受験者数639名、合格者数424名、合格者数66.4%

第19回:受験者数614名、合格者数430名、合格者数70.0%

第20回:受験者数543名、合格者数340名、合格者数62.6%

第21回:受験者数618名、合格者数433名、合格者数70.1%

第22回:受験者数558名、合格者数369名、合格者数66.1%

第23回:受験者数555名、合格者数391名、合格者数70.5%

第24回:受験者数483名、合格者数307名、合格者数63.6%

第25回:受験者数428名、合格者数275名、合格者数64.3%

第26回:受験者数405名、合格者数252名、合格者数62.2%

第27回:受験者数393名、合格者数282名、合格者数71.8%

第28回:受験者数345名、合格者数235名、合格者数68.1%

第29回:受験者数326名、合格者数230名、合格者数70.6%

第30回:受験者数275名、合格者数181名、合格者数65.8%

第31回:受験者数185名、合格者数131名、合格者数70.8%

第32回:受験者数204名、合格者数128名、合格者数62.7%

第33回:受験者数190名、合格者数124名、合格者数65.3%

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 あん摩マッサージ指圧師国家試験 視覚障害者数
あん摩マッサージ指圧師国家試験 視覚障害者の受験者数推移

 

 

この数字を見れば一目瞭然ですが受験者数は減少の一途をたどり、合格者数も同様です。この数字が意味するのは視覚障害者の方であん摩マッサージ指圧師になろうという人(受験者数)も、新たにあん摩マッサージ指圧師になった人(合格者数)も年々減少しているということです

 

●視覚障害者のはり師国家試験における受験者数と合格者数と合格率

第17回:受験者数487名、合格者数283名、合格者数58.1%

第18回:受験者数460名、合格者数244名、合格者数53.0%

第19回:受験者数460名、合格者数305名、合格者数66.3%

第20回:受験者数389名、合格者数198名、合格者数50.9%

第21回:受験者数445名、合格者数277名、合格者数62.2%

第22回:受験者数394名、合格者数250名、合格者数63.5%

第23回:受験者数377名、合格者数237名、合格者数62.9%

第24回:受験者数333名、合格者数204名、合格者数61.3%

第25回:受験者数336名、合格者数208名、合格者数61.9%

第26回:受験者数334名、合格者数173名、合格者数51.8%

第27回:受験者数275名、合格者数174名、合格者数63.3%

第28回:受験者数259名、合格者数150名、合格者数57.9%

第29回:受験者数238名、合格者数144名、合格者数60.5%

第30回:受験者数191名、合格者数128名、合格者数67.0%

第31回:受験者数189名、合格者数108名、合格者数57.1%

第32回:受験者数164名、合格者数88名、合格者数53.7%

第33回:受験者数157名、合格者数99名、合格者数63.1%

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 はり師国家試験 視覚障害者受験者数推移
はり師国家試験 視覚障害者の受験者数推移

 

 

はり師になるとあん摩マッサージ指圧師よりも受験者数が少なく合格者数も当然少なくなります。最新第33回、前回大32回は合格者数が100名を切っています。合格率もあん摩マッサージ指圧師国家試験に比べると低くなっており合格することが難しいことが分かります。

 

●視覚障害者のきゅう師国家試験における受験者数と合格者数と合格率

第17回:受験者数477名、合格者数276名、合格率57.9%

第18回:受験者数440名、合格者数243名、合格率55.2%

第19回:受験者数443名、合格者数310名、合格率70.0%

第20回:受験者数371名、合格者数187名、合格率50.4%

第21回:受験者数431名、合格者数284名、合格率65.9%

第22回:受験者数385名、合格者数251名、合格率65.2%

第23回:受験者数367名、合格者数236名、合格率64.3%

第24回:受験者数326名、合格者数207名、合格率63.5%

第25回:受験者数314名、合格者数167名、合格率53.2%

第26回:受験者数269名、合格者数140名、合格率52.0%

第27回:受験者数257名、合格者数166名、合格率64.6%

第28回:受験者数250名、合格者数146名、合格率58.4%

第29回:受験者数234名、合格者数145名、合格率62.0%

第30回:受験者数185名、合格者数131名、合格率70.8%

第31回:受験者数180名、合格者数103名、合格率57.2%

第32回:受験者数161名、合格者数90名、合格率55.9%

第33回:受験者数151名、合格者数101名、合格率66.9%

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 きゅう師国家試験 視覚障害者受験者数推移
きゅう師国家試験 視覚障害者の受験者数推移

 

 

きゅう師になると受験者数がはり師国家試験よりも少なくなりますが、合格率が高くなる傾向があります。最新第33回では受験者数ははり師国家試験より少ないですが合格者数は多くなっています。灸は火を扱うため完全に視力が無い方にはかなり難しくなります。一口に視覚障害者といっても失明、視野狭窄、弱視など視力の幅があります。あん摩マッサージ指圧師だけ、はり師とあん摩マッサージ指圧師、きゅう師もできるはり師、あん摩マッサージ指圧師のようにできる技術も違いがあることでしょう。

 

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の頭文字をとって“あはき”。視覚障害者の生業として歴史を紡いできたあはきは、その職業に就く者が減っていくことが国家試験の数字が示唆されます。それでは実際の視覚障害者のあはき業就業者数はどうでしょうか。2年ごとに国が統計を公表しています。

 

就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師,目が見える者―目が見えない者別;柔道整復師数及び率(人口10万対),都道府県別

 

こちらのデータから2012年度末から2024年度末までの視覚障害者就業者数をピックアップします。2年毎の年度末時点の数字です。視覚障害者、晴眼者(視覚障害のない者)、各資格の総数、総数から視覚障害の割合を出しました。それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師としています。

 

●あん摩マッサージ指圧師における視覚障害者就業人数推移

2012年度末:視覚障害者25,645名、晴眼者83,664名、総数109,309名、視覚障害者割合23.5%

2014年度末:視覚障害者25,999名、晴眼者87,216名、総数113,215名、視覚障害者割合23.0%

2016年度末:視覚障害者26,653名、晴眼者89,627名、総数116,280名、視覚障害者割合22.9%

2018年度末:視覚障害者26,822名、晴眼者92,094名、総数118,916名、視覚障害者割合22.6%

2020年度末:視覚障害者26,507名、晴眼者91,596名、総数118,103名、視覚障害者割合22.4%

2022年度末:視覚障害者26,283名、晴眼者92,630名、総数118,913名、視覚障害者割合22.1%

2024年度末:視覚障害者26,028名、晴眼者93,675名、総数119,703名、視覚障害者割合21.7%

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 2024年度末までの就業者あん摩マッサージ指圧師数推移
2012年から2024年度末までの就業者あん摩マッサージ指圧師数推移

 

 

国家試験合格者数は新規のあん摩マッサージ指圧師免許を得た人数で、就業者数は実際に働いている人数です。この数字をみると視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師は2018年度末まで増加しそこから減少に転じています。一方晴眼者のあん摩マッサージ指圧師は数を増やしており、総数も増加。その結果、視覚障害者が占める割合も減少していきます。2024年度末ではあん摩マッサージ指圧師全体で約5人に1人が視覚障害者であります

 

●はり師における視覚障害者就業人数推移

2012年度末:視覚障害者14,912名、晴眼者85,969名、総数100,881名、視覚障害者割合14.8%

2014年度末:視覚障害者14,927名、晴眼者93,610名、総数108,537名、視覚障害者割合13.8%

2016年度末:視覚障害者15,207名、晴眼者100,800 名、総数116,007名、視覚障害者割合13.1%

2018年度末:視覚障害者15,225名、晴眼者106,532 名、総数121,757名、視覚障害者割合12.5%

2020年度末:視覚障害者15,063名、晴眼者111,735名、総数126,798名、視覚障害者割合11.9%

2022年度末:視覚障害者14,754名、晴眼者116,732 名、総数131,486 名、視覚障害者割合11.2%

2024年度末:視覚障害者14,768名、晴眼者121,968 名、総数136,736名、視覚障害者割合10.8%

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 2024年度末までの視覚障害者の就業者きゅう師数推移
2014年から2024年度末までの視覚障害者の就業者きゅう師数推移

 

 

視覚障害者のはり師はあん摩マッサージ指圧師に比べると約千人少ないです。2018年度末まで増加し、それ以降減少しています。一方晴眼者のはり師就業者数は増える一方。そのため視覚障害者が占める割合は減少していき、2024年度末で10人に1人ほど。あん摩マッサージ指圧師に比べると半分です。

 

●きゅう師における視覚障害者就業人数推移

2012年度末:視覚障害者14,221名、晴眼者84,897名、総数99,118名、視覚障害者割合14.3%

2014年度末:視覚障害者14,307名、晴眼者92,335名、総数106,642名、視覚障害者割合13.4%

2016年度末:視覚障害者14,546名、晴眼者99,502名、総数114,048名、視覚障害者割合12.8%

2018年度末:視覚障害者14,594名、晴眼者105,202名、総数119,796 名、視覚障害者割合12.2%

2020年度末:視覚障害者14,372名、晴眼者110,584名、総数124,956 名、視覚障害者割合11.5%

2022年度末:視覚障害者14,103名、晴眼者115,375 名、総数129,478 名、視覚障害者割合10.9%

2024年度末:視覚障害者14,128名、晴眼者120,602 名、総数134,730 名、視覚障害者割合10.5%

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 2024年度末までの視覚障害者のきゅう師就業者数推移
2012年から2024年度末までの視覚障害者のきゅう師就業者数推移

 

 

 

きゅう師もはり師と似た数字の経過をたどります。就業者数は数百人ほどはり師よりも少ないです。全体に対する割合もはり師よりも低くなっています。

 

この統計をどう見るのか。現在(2024年度末)でも視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師は2万6千人、はり師・きゅう師はそれぞれ1万4千人もいると考えるのか。視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師はもう全体の22%、はり師・きゅう師であれば10%ほどしかいないと考えるのか。捉え方はそれぞれ意見があるでしょう。あはき業に新しく参入する(すなわち国家資格を取った新卒者)が減っていて、就業者数も減少している。晴眼者の就業者数は右肩上がりで増えていて視覚障害者の割合は減る一方。

その理由は

・医学の発展で視覚障害者が減っている・あはき業以外の仕事ができるようになっている

・あはき業を目指す視覚障害者が減っている

・就業していたあはき業の視覚障害者が引退や死去による自然減が自然増を上回っている

といったことが考えられます。

 

視覚障害者の生業としてあったあはき業が時代と共にそうではなくなっていることが数字に表れています。

 

甲野 功

 

★ご予約はこちらへ

電話   :070-6529-3668

メール  :[email protected]

LINE :@qee9465q

 

ご連絡お待ちしております。

 

こちらもあわせて読みたい

業界関連について書いたブログはこちら→詳しくはこちらへ