開院時間
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先週末の土日に学連の秋東部戦に出向きました。
学生競技ダンス連盟、通称“学連”。私は東京理科大学に入学し舞踏研究部という部活に入部しました。ここで学連という社交ダンスを競技として行う大学組織と出会います。この出会いが今の仕事に直結します。大学卒業後に会社員→脱サラを経て個人事業主としてあじさい鍼灸マッサージ治療院を運営しています。独立するにあたって必ずすると決めていたことの一つに社交ダンス関係者専門のコースを作ること。他のコースや按摩指圧だったり鍼灸だったりオイルマッサージだったりと、“何(どの施術方法)をするのか”ですが社交ダンサーケアというコースだけは“誰(社交ダンサー)に向けてするのか”が主眼となっています。その誰(社交ダンサー)の中でも最重要視しているのが学連選手です。4年間の学連生活で悔いなく終えて欲しいというのが私の切なる願いです。それは私自身が悔いだらけだったから。何の不満もなく達成感、満足感のみで学連を終える人はいないでしょうが少なくともやれることはやったと納得してもらいたい。体験する必要のない悔いを残してほしくない。そう思います。私は最も重要な4年生の全日本選手権(通称“冬全”)開催の10日前くらいに練習前のストレッチで大腿後面を肉離れしてしまいました。直後はまともに歩くこともできず。それまでスポーツ外傷と無関係だった私はどうしていいのか分からず、相談できる人もいなくて、自然治癒を待ちました。結局、冬全に出場することはできましたが万全のコンディションで挑めたらなどうだったのだろうと悔いが残ります。現役の学連選手たちにそのような経験は無いようにしたいです。
私の体験とは別に。最後の冬全に出場できず終わることは大きな悔いとして残ります。夏と冬の2回行われる全日本戦。冬は実質的な引退試合。夏は選抜戦なので出場できない大学がありますが、冬は加盟校全て出場できます。しかしいくつか学連特有のルールがあり出場できないことがあります。その一つがシャドー制度。
社交ダンスは男女ペアで行うもの。近年はそうでないやり方も登場していますが、学連においては男女ペアで競技することがルールです。一人で練習したりダンスしたりすることをシャドー練習・シャドーといいます。影(シャドー)と踊るという意味です。そこから組む相手がいない人をシャドー(選手)というように。大学単位で活動する学連では大学内の男女比が崩れているとシャドーが生まれます。私の頃は余って組めなかった部員は組めないまま終わりました。だいたいの大学は女性(※“パートナー”と社交ダンスではいいます)の方が男性(※“リーダー”といいます)よりも多いので組めないパートナーが出てきます。その場合、他学年でリーダーが余った場合はその人と組む、部活や組織の役職をする、フォーメーション競技のレギュラーを目指す、といった選択肢になります。あるいは辞めていくか。これはリーダーも同様で、東京理科大学は歴史的にリーダーが余る期間がとても長かったのですが、私の同期は2年生の終わりから卒部まで競技会に出ることなかった人がいます。
2000年にシャドー制度が正式に設立されて学連に所属する選手が他大学と組んで活動しても良くなります。この当時は学連の大会には出場できずアマチュア競技会という学連外の大会ならば出場可能でした。おそらく東京理科大学舞踏研究部で最初にこの新制度を利用したのが私で、OB1年目の会社員のときに他大学の3年生シャドーパートナーとカップルを結成しました。練習をしてアマチュア競技会に2回出場しました。同時に当時のパートナーは自大学の練習会や競技会に出席し、フォーメーション競技という団体戦に出場していました。なぜシャドー制度がそれまで無かったかというと学連の基本原則の一つに『学校を背景として団体競技であること』という内容がありました(※当時。現在の規約では『競技会は学校を背景とする団体競技を主体とすること』となっています。)。学校単位で行う競技であるから大学間をまたいだカップルは規約範囲外ということ。ただ同じように頑張っていてもリーダーが少ないため選手の道が絶たれるというのは問題なのでシャドー制度が特例で認められたのでしょう。
シャドー制度が導入されて数年経つと学連の公式戦も出場しても構わなくなります。先に説明したようにリーダーが毎年あまる東京理科大学舞踏研究部では半分以上がシャドー選手で他大学のパートナーを組む時代がありました。紆余曲折を経て現在は、招待試合・ジュニア戦は出場できるがレギュラー戦は4年生から、シャドーカップル結成には手続きが必要、などルールが定められています。その中で特に重要なものが『シャドーカップルが冬全に出場するには秋東部戦で準決勝以上に残らないといけない』という項目です。学校を背景とする団体競技の観点から、選手として優秀なので特別に個人枠で冬全の出場を認めるという形です。他の大会と異なりシャドーカップルは「東部」と書かれた背番号を使用します。学連では大学名の入った大学独自の背番号を使います。全日本では東部日本ブロックからの推奨選手ということでシャドーカップルが出場するのです。このシャドーカップルの冬全出場を巡る戦いに多くの後輩たちが立ち向かってきました。
シャドーリーダーが多数出てきた東京理科大学舞踏研究部。「東京シャドー大学」とか「シャドー王国」などと言われていた時期もありました。そして少なくない後輩が冬全出場が叶わず11月で引退という憂き目に遭いました。大学内で組んだ正規カップルならば枠があれば出場できるのに。またその前の大会でファイナリストとなるような強豪選手も秋東部で予選落ちしてしまい冬全出場を逃すということが何度かありました。その姿を見てきた私は毎年あじさい鍼灸マッサージ治療院で『シャドー応援キャンペーン』を開催しています。冬全出場を目指すシャドー選手を対象としたもの。あの4年生の冬全に出場できず学連を終えるということは本当に避けてほしいという気持ちからです。全国の大学が集結し、大勢の観客が入った中で行われる学連最大最重要な大会。例え1次予選0チェックで敗退したとしてもフロアーに立って踊って終えて欲しい。そう願っています。
今年もシャドー選手が来院しているため応援、視察のために秋東部の会場に行きました。今年の秋東部戦、正式名称を「第116回東部日本学生競技ダンス選手権大会」といいます。春と秋に2回東部戦が行われます。選手の応援もありますが現状視察も重要です。だんだんと大会ルールが変わっているのです。
かつての学連東部日本ブロックでは大学数が多いためにⅠ部校とⅡ部校に分けていました。春の東部戦で団体成績上位12校をⅠ部校、13位以下をⅡ部校とします。これは年が明けるとリセットされて引き継がれません。なお夏の全日本は団体成績18位以上でないと出場できません。Ⅱ部校だけが集まり9月に東部Ⅱ部戦を行い、そこで団体成績6位以上の大学を準Ⅰ部校とし、11月に行われる東部Ⅰ部戦への出場が認められます。この東部Ⅰ部戦が現在の秋東部です。新型コロナ流行で大学数も部員数も減ってしまい、Ⅰ部とⅡ部に分けるという概念が無くなります。そのためコロナ禍以降、Ⅱ部戦は消滅し東部日本ブロック全校が無条件で秋の東部戦に出場できるようになりました。ある年代上のOBOGだともうⅠ部戦って言わないんだと驚かれます。
そして東部Ⅰ部戦から秋東部戦になって何が変わるかというと。出場カップル数が増えるということです。Ⅰ部戦は出場大学18校。1種目につき各大学2カップルまでエントリー可能。ですから最大で36組しか出場しません。そこにシャドーカップル(こちらも2種目までしか出場できず)が入っても40組いくかどうか。しかも選手層が薄く団体成績が低いため出場できない強豪選手が出場しないケースがあります。私が現役時代に東京理科大学舞踏研究部から2組全日本チャンピオンが出ていますがどちらもⅡ部校でした。私の同期は夏の全日本チャンピオンですが、大学としてはⅠ部戦に出場できませんでした。準Ⅰ部校だと選手層が薄いことが多いのでエントリー数を埋めるために2年生を出場させていきます。そのため東部Ⅰ部戦で準決勝まで残るというのは今よりも難しくありませんでした。現在の秋東部戦は全大学が出場しますからエントリー数が増えます。実際の今大会で最もエントリー数が少ないパソドブレですら38組で最も多いサンバでは49組がエントリーしています。準決勝は原則12組なのでシャドーカップルは上位12組に残らないと冬全出場はかないません。コロナ禍で部員数が激減した学連では勝ち上がりやすかったのですが、多くの大学で部員数が戻りつつある現在の学連では選手層が厚くなっていますから年々厳しくなります。
そして日程も変化が。今年も2日間に分けての秋東部戦開催でした。
11月15日(土) ラテンアメリカン種目
11月16日(日) スタンダード種目、フォーメーション競技
コロナ前は1日でしていた競技会も密を避けることから2日開催が増えます。またフォーメーション予選会が無くなり秋東部戦に東部全校がフォーメーション競技に参加するため大会時間が大幅に延長。1日で終わりません。するとどうなるというと初日はラテンアメリカン種目だけ、二日目はスタンダード種目だけということになります。通常大会では交互に行うので1次予選が終わると裏種目の競技があり時間が取れます。勝ち上がった場合はその時間で調整を重ねて当日スキルアップをします。やはり一発目のダンスは体が動かないことが多いわけで実力通りとはいかないものです。一度会場で本番のダンスをして調子を上げていく。そのインターバルが通常の競技会よりも遥かに短くなります。審査員もほぼ休憩が無く、1次予選の印象が残ったまま次の審査に進みます。私の主たる願いは来院するシャドー選手が予選を突破することなので最終予選である2次予選までしか両日とも観戦しませんでした。今までにないテンポで進行するなと思いました。
観戦した感想はとても厳しいなということ。それには色々な意味があります。まず1次予選で24組が上がります。私の頃は最大1種目36組しかエントリーしませんから3分の2が上がれます。上で書いた通り下手な選手もいますから4年生にとって1次予選は上がりやすい。ところがⅠ部校、Ⅱ部校の区分が撤廃されて全大学がエントリーして、シャドーカップルも入ると出場数は増加。今回のサンバでは半分が1次予選で落ちることになります。
そして上達の速い2年生カップル、3年生カップルがシャドーカップルの準決勝進出を阻みます。層が厚くなり、しかも上達スピードが近年さらに上がっている学連。部歴が長い上級生を倒していく選手がいます。2年前の秋東部戦でスタンダード種目において2年生が優勝したときは目を疑いました。ラテンアメリカン種目より二人の積み重ねがものをいうスタンダード種目で3年生はおろか2年生が優勝とは。どの大学も夏に固定カップルを結成するので組んで3~4ヵ月程度の2年生カップルが4年生を差し置いて。私の頃では考えられなくて。コロナ禍で上級生がいないからだと2年前は思いました。ところが今年もスタンダード種目で2年生カップルが優勝したと知ります。もう上級生が少ないということから成長スピードが速いという認識に変わりました。かつて2年生の頃から上級生を倒してきた現在の4年生が下級生に抜かされるという。カップルによっては昨年よりも成績が下がっている4年生も確認できます。会場であったプロになった後輩の話。今は経験者か?と疑うくらい上手で上達していく学連から始めた選手がいるといいます。それはおそらくインスタグラムやYouTubeなどのSNSから情報を得ることができて研究しやすいからでしょう。また選手の身体面がコロナ前より強化されている感じがあり、効率的な科学トレーニングが浸透しているのではないかと、私は身体つきをみていて思います。
コロナ禍以降の2日に分ける形式の大会を連日で観戦したのは初めてだったと記憶しています。それも1次予選から。過去に準決勝や決勝からみたことはありましたが。この形式で予選を突破することは、私の過去データにはなく、アップデートできました。この状況で勝ち上がれるようにこちらも考慮して施術しないといけないと思います。
甲野 功
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