開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
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電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

3連休最終日。11月24日に
NPO法人芸術家のくすり箱NEO
2026年度セミナー
「踊る身体を知る〜社交ダンスの魅力とヘルスケア〜」
に参加しました。
『芸術家のくすり箱NEO』は芸術活動を行う方々のヘルスケアサポートを行う一般社団法人です。具体的にはバレエダンサーを中心にダンサーの外傷や身体のケアを行っています。メンバーには医師をはじめ理学療法士、柔道整復師、鍼灸師などいます。
その『芸術家のくすり箱NEO』主催の社交ダンスに関するセミナーが東京都有明にあるダンススポーツトレーニングセンターで行われたのです。講師は整形外科医の竹島憲一郎先生。竹島憲一郎先生は以前から知っている方です。慶応義塾大学医学部を卒業されているのですが在学中は学生競技ダンス連盟に所属していました。私も東京理科大学時代にこの学生競技ダンスをしていました。学年は被らないくらい下の世代ですが、OBとして母校の後輩を指導、応援しているときに、後輩選手たちが目指すべき頂きの一人であるトップ選手だったのです。そして後輩の多くが竹島憲一郎先生と同門になったので共通の知り合いがいました。人づてによく竹島先生のことを聞いていたのです。竹島先生は医師免許を取得後に整形外科医となりキャリアを積んでいきます。私も一般企業を経てあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師となり、更に柔道整復師の資格を取ることになります。医療職種の最上位にいるのが医師であり、私が3年間の勉強と国家試験合格で得た資格の業務を医師は全て行うことが法的に認められています。まして柔道整復師にとって整形外科医は完全な上位互換の資格。外傷に対して、観血療法(外科手術などの処置)と投薬(薬物投与)、診断らを除いた保存療法(観血療法ができない)が許されているのが柔道整復師です。竹島先生とは共通の知人がいたため、またその職種もあり、SNSで繋がっていて、私が整形外科クリニックで働いているときには少しやり取りがありました。
現在、国立病院機構埼玉病院に所属する竹島先生。臨床、研究のかたわら『芸術家のくすり箱NEO』で講師を勤めていることを存じ上げていました。今回とても興味深く、また医師以外の職種でも『芸術家のくすり箱NEO』のメンバーでなくても参加できると分かり参加したのでした。
今回の「踊るカラダを知る 〜社交ダンスの魅力とヘルスケア〜」は2部構成になっていました。第1部では社交ダンスを体験してみましょうというもの。それが分かっていたのでダンス用の恰好でダンスシューズを持参して会場に向かいました。日本ダンススポーツ連盟JDSFのダンストレーニングセンターに初めて乗り込みます。もちろんこのような会場があることは知っていました。会場に着き竹島先生にご挨拶をするとダンスが踊れる人が参加してくれて助かりますと言われて恐縮です。更に社交ダンス専門誌『ダンスビュウ』編集長の吉川有機さんも到着しました。吉川有機さんは業界内で有名な方で私は何度かイベントでお会いしています。今回のセミナーを取材に来たのです。吉川有機さんもダンスができます。そしてビッグゲストの廣島悠仁・大西咲菜組。今年カップルを結成したチャンピオンです。先月の三笠宮杯PDスタンダード部門で初優勝。統一全日本で第3位。そしてセミナー前日の11月23日に開催されたバルカーカップ優勝というトップ中のトッププロなのです。団体の垣根を越えて競技会に出るチャンピオンで、団体間のしがらみを飛び越えていくカップルです。個人的にそばで拝見できるだけでも儲けものというもの。
第1部は自己紹介を経ての社交ダンス体験。社交ダンスの中でもパーティーダンスであるマンボとブルースです。競技会では踊られないこの2種目は私も大学競技ダンス部新歓でしかやったことがありません。ブルースはパーティーで踊ることが稀にありますがマンボは約30年ぶりです。竹島先生号令のもと行う体験会は大学部活の新歓そのものでした。既視感。やはりというか竹島先生は慶応義塾大学競技ダンス部で技術部長をしていたとのこと。医師、理学療法士、柔道整復師らの参加者は多くがバレエ、ジャズ、チアなどのダンス経験者ですが社交ダンスは未経験者。その中に廣島悠仁先生と大西咲菜先生が混じっていて何とも豪華でした。競技会のフロアーではない素の姿を見ることできます。更には廣島悠仁・大西咲菜組のデモンストレーション。前日にバルカーカップという大規模な大会で優勝していて肉体的疲労が溜まっている中。ベーシックステップくらいのかと思いきや普段競技会で踊る正規ルーティーンを踊ってくださいました。先月代々木第二体育館の観客席で観たあのワルツを目の前で。他の参加者が座って観賞する中、私は立っていました。更にクイックステップもと自ら言い、踊ってくれました。クイックステップが最も好きな私には非常に貴重な時間です。座って眺めるなどできません。これだけでも参加した価値があります。
第2部は竹島先生が登壇し、社交ダンスと他のダンスの違い、競技ダンスの特徴、論文等で報告されている研究などを解説します。私は社交ダンス(競技ダンス)畑ですが参加者の多くはそうではないので丁寧に説明しています。そして廣島悠仁・大西咲菜組を竹島先生とトレーナーがどのように支えてきたのかを報告します。そこでは廣島悠仁先生がインタビューに応える形式。プライバシーの観点から詳細は書きませんが、外からは計り知れない廣島悠仁先生の故障を知りました。竹島先生による診断や画像データも公開されており、一医療従事者としてあまりにも貴重な情報でした。医師の立場で診断する竹島先生と以前からサポートしてきた理学療法士の先生が実際のエピソードを踏まえて説明してくれます。そして参加者の質疑応答に応えてくれる廣島悠仁先生、そして大西咲菜先生も。こんなにさらけ出してくれるとは思っていませんでした。
竹島先生の理念を「踊りを止めない支援」、「二択(完全休養or継続)にしないことが重要」、「踊りながら守る」といったキーワードで語っていました。私もまさに同意です。社交ダンスの特異性、プロのおかれた環境を熟知しているからこその対応。お客さんと踊ることで生計を立て、同時並行で自身の競技に向き合う。その事情が踏まえた上でのサポート。整形外科医なら手術をしたいと考える一面があると思うのですが、選手の事情を考慮して考える。自身がトップ選手であったからこそのスタンスだと思います。私の職種は手術(観血療法)も診断も選択肢にないので考える必要がなく。整形外科医としての葛藤があるのではないでしょうか。
質疑応答では私も何回か廣島悠仁先生に質問させていただきました。鍼灸の刺激のこと、若年選手への指導システムについて。想像以上に真摯に答えていただき、また大西咲菜先生も回答していただきました。世界を知る両先生から中国、ロシア、イタリアの練習環境のことを聞きました。また廣島悠仁先生が特に何を大切にしているのかということ。担当しているトレーナーから二人のフィジカル面の特徴。あのダンスからは予想していなかったことがありました。日常のことから業界のことまで話してくれて、素直にそんなことまで教えてくれるのかという驚きがありました。社交ダンス畑以外の参加者には何のことやらという気持ちにさせてしまったような気がしてやや反省しました。
セミナーの内容以外にも散会後の医師同士の会話、研究についてのディスカッションを横から聞いているだけも勉強になりました。医師、理学療法士の見方は我々あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師と違うことが分かります。日々の臨床で使える新しい視点、アプローチ方法を得られました。どうしても私はどのようなマッサージや鍼灸をするかという施術面の方法に目がいきがちだと。評価面が疎かになると感じます。
3連休最終日。学術的にも社交ダンス関係としても有意義で貴重なセミナーでした。竹島先生、廣島悠仁・大西咲菜組、吉川有機編集長と一緒に写真に納まったことが凄く嬉しかったです。さらにプレゼンテーション資料をデータでいただくことができ、大変貴重な情報を入手できました。この日の経験を自分の現場で活かしていくことを決意しました。
甲野 功
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