開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:[email protected]
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

昨日は西日暮里駅から歩いたところにある「イベントバーエデン日暮里」で開催された『東洋医学について語るBAR』に参加しました。こちらは漢方に興味があるエンジニアのヒハラさんと鍼灸マッサージ師のゆうせい先生、そしてあん摩マッサージ指圧師の黒澤一弘先生と鍼灸マッサージ師の露木美那先生が中心となった単発のイベントです。昨年7月に大田区蒲田で行われた同じタイトルのイベントの日暮里版です。
イベントバー蒲田からイベントバー日暮里に場所を移しての開催です。個人的に蒲田よりも日暮里の方が行きやすくて助かります。今回は今年9月にあった『あましフェス』に参加したメンバーが中心に。あましフェスからの流れで実行した印象です。
お酒が飲めないので人生でバーに行ったことは昨年の『東洋医学について語るBAR』以外ありません。普段ならまず近寄らない場所がバーです。そしてこの日はかなり前から学連OBOG練習会の予定が入っていたので参加しないつもりでした。『東洋医学について語るBAR』開催告知が出ると予約で満席になったと聞いていましたし。状況が変わったのが先月半ば。プレ学生で進学相談に乗っていた丹羽先生が来院しました。丹羽先生はあん摩マッサージ指圧師を目指そうと考えて業界のことを聞きに数年前にあじさい鍼灸マッサージ治療院にやってきました。事情を聞いて業界の状況を話し、相談した結果、浪越学園日本指圧専門学校に入学することを決めます。学校選びに関して私以外の先生にも仲を取り持ち、アドバイスをしてもらいました。業界のことや学校のことを調査した上であん摩マッサージ指圧師になるべく専門学校進学を決めました。それから3年経過し、無事にあん摩マッサージ指圧師国家試験に合格。プロのあん摩マッサージ指圧師として丹羽先生と再会します。その後も何度か交流があり、先月久しぶりに会いました。その際に丹羽先生からまた相談事を聞きます。端的には母校の日本指圧専門学校以外に知り合いが少ないので人脈を広げたいというもの。以前書きましたがあん摩マッサージ指圧師は母校以外と敵対しない代わりに交流もしないところがあります。良くも悪くも意識して競い合う鍼灸師と毛色が違います。あん摩マッサージ指圧師でも鍼灸師でもある私は常々感じていたこと。それが今年は色々と状況が動いていて、10月のあましフェスで浪越、長生、京都仏眼、後藤、呉竹といった各地の流派が交流しました。互いに知らなかった技術と学校の特色が相互に知られました。そして11月には京都で関西あまし師交流会があり、私は関西(京都仏眼、関西医療、行岡)のあん摩マッサージ指圧師関係者と接点を持ちました。互いに我関せずだったあん摩マッサージ指圧師達が交流を広げていきます。丹羽先生にそれらで得られた情報を伝えました。まずは私の母校である東京呉竹医療専門学校から接点を持ちましょうかという提案。そして思い出したこの『東洋医学について語るBAR』。日本指圧専門学校卒の黒澤一弘先生が参加し、丹羽先生は在学当時黒澤一弘先生に習ったことがあります。知り合いがいるから参加してはどうかという提案をします。幸運にも丹羽先生が参加できる日程でしたし。後藤流の露木美那先生にも会えます。
更に段々と私の知り合いも参加することが判明しました。神奈川衛生、長生学園、東京医療福祉、花田学園と様々な学校出身者や在校生がいる。特に先日アジサイ塾忘年会に参加した学生さんも『東洋医学について語るBAR』に行くといいます。学連OBOG練習会が20時からでこちらは18時開始。1時間くらいは居られると考え、丹羽先生を紹介する目的もあり、参加することにしました。
会場となるイベントバーエデン日暮里は地下にあり、いかにも、という感じのバーでした。これまでの人生で2か所しかバーを知りませんが。開始直後の18時の時点で結構人が集まっていました。既知の方はもちろん、初対面の方も。丹羽先生を知っている参加者に紹介します。席についた私は、この後ダンスの練習がありますし、そもそもお酒が飲めないので、露木美那先生が持参した静岡茶をオーダーしました。皆さん最初からお酒を頼んでいます。酒は飲みませんがこういう場は苦手ではありません。
最初は緊張している感じの丹羽先生は女性卓に移動して交流しています。それならば私は初対面の方と話そうと4人テーブルに顔を向けました。知り合いの学生さん、ヒハラさん、鍼灸師、ヒハラさんの知り合いの方の4名。初対面のお二人に名刺を渡します。丹羽先生に人を繋げる目的ですが、自身の交流も目的です。こういう場で顔を売ることも重要な仕事。今年お亡くなりになられた日本を代表する故野中郁次郎先生もBa(場)の大切さを説き、仕事はバー(BAR、Ba、場)で生まれるといいました。
卓には鍼灸師ではない、すなわち東洋医学を知らない参加者がいます。ヒハラさんは漢方の興味から東洋医学、鍼灸、あん摩マッサージ指圧と興味を広げています。あましフェスに参加した先生の手技を片っ端から受けて見聞を広げています。更に薬剤師でもある鍼灸師さんがいて漢方薬の話題に。周囲で東洋医学について解説するような雰囲気ができていました。テーマが“東洋医学について語る”ですから、東洋医学を知らない人にどう伝えるかという有意義な状況。
私が東洋医学の根本には陰陽五行説があると考えています。陰陽五行説は陰陽論と五行説が組み合わさったもの。東洋医学概論という教科で最初に習う基礎。まず漢方の話から虚実、補瀉という話題が出ました。これは陰陽論で万物を陰陽に分けて考え、物事を相対的に考えるという話。葛根湯は風邪に効くというのは正しくなく、風邪の引き始めや体力が充実している人でないといけないということを伝えました。西洋医学では風邪は感冒でいつでも誰でも同じ、一つの症状と考えます。東洋医学では風邪には段階があり、表層から段々と体の奥に入っていく。表層にいる初期段階に効果があるのが葛根湯。虚証、実証という体質があり、虚証には補法を実証には瀉法をするという話。これらは陰陽論で2つ分けて考えていく。
更に五行説という万物を今度は5つに分けてそれぞれが相互に関係しあうこと。五行色体表といって青、赤、黄、白、黒の5色が代表で各色に様々なものが配当されます。方角なら東、南、中央、西、北。季節なら春、夏、長夏、秋、冬。五臓なら肝、心、脾、肺、腎といったように。青春という言葉は五行に由来します。目黒、目白という駅名がありますが、これは不動尊からで他に目青、目赤、目黄もあります。五行の発祥は古代中国王朝の盛衰を説明するために生まれたと言われています。マンガ『キングダム』は秦始皇帝が中華を統一する話ですが秦国は五行で黒。そして相克という理論があり、相生というものもある。五行は方角も関係していて北東の方向が丑寅で鬼門。悪いものは北東方向からやってくると考えられ、鬼門封じといって北東方向に守り神になるものを置きます。京都だと京都御所の北東方向に比叡山延暦寺があり、これが鬼門からの影響を守っています。徳川家康が江戸にやってきて都市開発をする際に京である京都を模した作りを考えます。3代徳川家光は江戸城の北東方向に寛永寺を置きます。上野の寛永寺です。寛永寺は正式には東叡山寛永寺。年号が寛永のときにできたから寛永寺ですが、山号は東の比叡山という意味です。京都の比叡山延暦寺と同じ天台宗。また琵琶湖の代わりに不忍池としました。ちょうどバーがある日暮里も江戸城(後の皇居)から鬼門方向にあります。また裏鬼門といって真逆の西南方向も守りを置くのですが増上寺がそれにあたります。
このような話を都市伝説や雑学といった感じで説明しました。私は退席する時刻が迫っていたので身近に感じる陰陽五行説としてまくしたてました。治療に関係することは非鍼灸師には実感がわかないでしょう。東洋思想の基礎となる陰陽五行説を日常に溶け込んでいるものを引き合いに出す。そういう方面から興味を持ってくれればと考えました。どうしても鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師が集まると細かいテクニックや業界内の話題になってしまいますので。たまたまバーの店長も神社仏閣の話が好きだったので日光東照宮と江戸の間にスカイツリーがあるとか、北極星を崇める北辰信仰とかも話題に出ました。周りから今まで一番東洋医学について語っているという声があがりました。
色々な垣根を越えて集まり交流する場になった『東洋医学について語るBAR』。初の日暮里開催。今後も不定期で継続することを期待しています。主催していただいたゆうせい先生、ヒハラさん達、ありがとうございました。
甲野 功
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