開院時間
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12月18日の木曜日。イベントバーエデン日暮里で開催された『東洋医学について語るBAR』の会場を後にして西日暮里駅から原宿駅近くにある『DANCE GRAND Harajuku』に向かいました。学連OBOG練習会に参加するため。学連とは「学生競技ダンス連盟」の略称。社交ダンスを競技として行う競技ダンスを行う大学組織。私は東京理科大学で学連の世界を知り、現在に至るまで関りがあります。
社交ダンス界は文字通り舞踏会で交流のツールとして行われる社交ダンスの他に、競技として行う、最近はダンススポーツという概念が生まれましたが、競技ダンスがあります。日本の社交ダンスの起源は諸説あるでしょうが明治維新後に西洋文化を取り入れるために(そして外交のために)鹿鳴館でダンスパーティーを開いたことでしょう。明治16年11月29日に鹿鳴館が開館しました。その11月29日を「ダンスの日」と設定しています。このダンスは社交ダンス(ボールルームダンス)のこと。対して競技ダンスは社交ダンスを複数名で踊り審査員によって優劣をつけるもの。近年はブレイキン(ブレイクダンス)と並びダンススポーツとしてアーバンスポーツに入っています。先のパリオリンピックでブレイキンが正式種目に採用され日本人金メダリストが誕生したことは記憶にあるでしょう。
学連は戦後間もない昭和23年に生まれ数年後に誕生80周年となります。歴史があります。国内の競技ダンスにはプロフェッショナル部門とアマチュア部門があり、学連はアマチュア部門にカテゴライズされますが独自の文化を持っています。野球でいうと甲子園、高校球児のようなイメージ。プロ野球とも社会人野球とも違う。学連は出身大学と学年が非常に強い意味を持ちます。どこの大学でどの代なのか。学連経験者は特有のコミュニティを持ちます。
学連OBOG練習会は数年前に発足し、現在、東部と関西にあります。東部はモダン(スタンダード、ボールルーム)の講師が武蔵野美術大学OBの本池淳先生でラテン(ラテンアメリカン)は東京外国語大学OBの金光進陪先生。交互に1ヵ月に一度開催されています。奇数月がモダンで偶数月がラテン。なおかつての学連では現在はスタンダード、ボールルームと言われる種目をモダンと呼んでいて、その名残を継承し学連OBOG練習会ではモダンを使っています。学連の特徴として部歴2年生以降は専攻分けといってモダンかラテンかを選んで専念して練習します。原則2年生以降は片方の種目しか競技会に出場しません。今の東部では裏種目に出場する公式戦はありません。ですから学連卒は片方の種目に偏っています。私はモダン専攻だったのでラテン種目になると途端に苦手意識が出てきます。
今回の学連OBOG練習会はラテンだったのですが年末ということもありダンスパーティー形式の特別会でした。いつもより広いフロアーで1杯のドリンクが振る舞われました。昨年は忘年パーティーとしてしっかりとしたパーティー形式でした。途中、各講師の本池淳先生、金光進陪先生からレクチャーが入ります。諸事情により10月、11月の学連OBOG練習会に出ていなかったので久しぶりの練習会。前日に学連OG瀧澤怜奈さんが設立したダンス用品店『ドレスネットアニエル』でダンスシューズ(モダン用)を新たに購入して参加しました。ラテン練習会の日ですからラテンシューズも持参して。
参加者は昨年に比べると人数が少なかったです。その代わり普段は「学連OBOG同好会」を主催する東京農業大学OBの新井健伊稚先生が参加していました。数日前の日曜日に「学連OBOG同好会」で同じフロアーに来たばかり。私は酒が飲めないのでソフトドリンクですが、他の参加者はお酒を飲んでいました。乾杯後にダンスタイムへ。本来の社交ダンスという感じです。
ダンスタイムになると参加者は皆競技畑出身。昔のイメージでガツガツ動きます。私はアマチュア一般の社交ダンスイベントにはほぼ参加しません。学連で社交ダンスを始めたため、最初から競技志向。というより競技ではない社交ダンスを知りませんでした。そのため楽しく交流するための“社交ダンス”に戸惑いがあり、非学連の世界に馴染めませんでした。実際には学連の方が特異ですが。新型コロナが流行してからは社交ダンスイベントそのものから足が遠のき、体力も落ちていきました。学連OBOG同好会、学連OBOG練習会は同世代の先生が主催しているから参加を決意しましたが、参加まではかなり葛藤しました。もう動けないだろうと。いざ復活してみるとある程度は動けたのと、学連現役時代を共に過ごした人がいることで継続して参加するようになりました。この練習会では非常に細かい基礎的な技術をトップ講師が教えてくれますが、反対に社交ダンスとは何かということも教えてくれます。特に金光進陪先生は競技ダンスでは学連でもプロフェッショナル部門でも日本一になった選手ですが、文化としての社交ダンスにも理解と研究があります。今回は一曲が長く、踊りながら学連時代の踊り込み練習を彷彿しました。相手と「曲が長い」、「合宿(の練習会)みたいだ」、「しんどい」という会話がありました。全力で動くという癖が染みついています。これは普段の学連OBOG練習会よりも疲れるぞという気持ちになりました。
そして金光進陪先生のレクチャーへ。心なしか参加者に少し休めるぞという雰囲気があります。普段練習会で話す精緻なテクニックではなくパーティーで使えるステップの紹介でした。モダン、ラテン問わず使える。互いに両手を繋いだ状態で行う。3ステップでカウントの取り方を変えれば3拍子はもちろん4拍子でもできる。通常のステップに組み方を変えて入れてみましょうというもの。アメリカンスムースというモダンの変形的なダンスもあり、それに近い組み込み方。先生の模範ダンスを観て、これが社交ダンスであり、これがプロというものか、と感心しました。社交ダンスは、特にリードをする男性は、踊る女性のレベルに男性が合わせるのが基本だといいます。その相手に合わせて楽しく踊ってもらう。どんな相手とも優雅に踊らせている金光進陪先生、本池淳先生、新井健伊稚先生の姿を見ると、ただ自分たちカップルとして上手いところから不特定多数の相手を躍らせることができることが“社交ダンスのプロ”である。参加した先輩とこのような会話をしました。また全力でガツガツ動くのではなくゆとりをもってアレンジして相手を楽しませることが社交ダンスの役割なのだと分かりました。今年後半は数多くの競技会を視察して競技ダンスを散々観戦。フィジカル、テクニック、メンタルでもっと上達したい、負けたくないという感情が出てきていました。金光進陪先生のレクチャーでダンスパーティーはダンスパーティーの動きや立ち振る舞いがあることを、この期に及んで、知らされます。そこからは、周りはお酒が入っていることもあり、気持ちを切り替えて“社交ダンス”をしようと意識を変えました。
次に本池淳先生のレクチャー。モダンは近接して踊り離れません。そこでスピン系を踊りやすくするために右大腿部内側を互いに付ける意識を持つこと。インサイドといって互いの足の間に右足がある状態で回るときに右太ももの内側をくっつけると二人で回りやすくなります。これはモダン専攻なら知っていることですが、ラテンの方々は目から鱗が落ちるというか寝耳に水という反応でした。もっと早く教えてよ、と。実は過去に本池淳先生は練習会で話していたのですが。これはモダンとラテンの構造の違いに関係していて、太ももを内側に回すこと(運動学用語で股関節内旋)がモダンの基本で、ラテンは反対に太ももを外側に回します(股関節外旋)。モダンは足を開いていても足が内側に回転させる意識を持ちながら踊る。的確なアドバイスでした。これを意識すると二人でスピンを続けても互いの位置(ポジション)が崩れなくなります。改めて学びました。
競技ダンスと社交ダンス。根っこが同じですが非なるものだと私は考えます。スポーツと文化。競技と交流。今年最後の学連OBOG練習会でその違いを再認識しました。
甲野 功
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