開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

仏教芸術に何となく興味があります。父が亡くなり(祖父は私が生まれる10年以上前に亡くなっています)どうしてあったのか不明なのですが、実家に仏頭がありました。軽い素材の作りものですが仏様の頭を模した、それも人間の頭よりも大きな、オブジェが子どもの頃から部屋にありました。また仏像の図鑑があり、子ども部屋として与えられた部屋の押し入れに最初から入っていました。また小学校を卒業するくらいまで飾ってあったのがバーミヤン石仏の写真。白黒で一体いつの時代に撮影されたものなのか。後に破壊されてしまうあの絶壁に彫られた。何となく仏像が身近にあった幼少期。
高校生の終わりに衝撃を受けます。大学進学を目前とした春。部活の同期2人と卒業旅行に行きました。高知と京都。幕末の志士を巡るために土佐藩の高知と幕末騒乱の舞台である京都。この時初めて京都に行きました。その時は同期が行きたい所に付いていくだけで自主性がありません。同期どちらかの希望か忘れましたが三十三間堂に行きました。そこで千体もの(天部を入れればもっと多くの)仏像を目の当たりにして度肝を抜かれました。圧倒される。強い感動がありました。高校は國學院高校で神道の学校。どちらかというと神道寄りだったのが一気に仏教に興味がわきました。神社とお寺の違いが分かっていませんでしたが。
それより少し前から仏像の興味が出ていました。マンガ『孔雀王』を読み始めていたからです。『孔雀王』は宗教バトルマンガの草分け的存在で密教の話。敵や味方にたくさんの仏像が登場します。各キャラクターに守護する仏像がついている感じです。主人公の孔雀には孔雀明王がついています。このマンガから仏像の名前を自然と覚えていきます。
現在、神社仏閣巡りをします。第二新卒ともいうべき29歳の秋。あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師として就職した職場で壁にぶつかっていたとき。肺炎になりかけて病院で点滴を受けたのち、自宅療養したことがありました。そのときテレビ番組で日光が関東一のパワースポットだと聞きました。やけにその話に惹かれて職場復帰したあとの休みの日に単身日光に行きます。日光東照宮や輪王寺を参拝しました。すると驚くほど運気が上がりました。それから気になった神社仏閣を参拝するようになります。
色々なところを巡りそのことをブログにして書くようになって数年。知識が蓄積されます。そこでふと思ったのが仏像の種類を詳しく知らない。基本の4種類、如来、菩薩、明王、天は分かります。どのような分類なのかも何となく。しかし詳しくは理解していませんでした。いつか調べてみようと頭の片隅にあるまま、数年が経ち。最近、神社とお寺を解説した本と出会い、読みました。そこには仏像の種類とその特徴が解説されています。勉強したので仏像の種類について書きます。
神社(神道)とお寺(仏教)の違いを説明するときに、偶像崇拝があるのが仏教であると言います。偶像すなわち仏像が仏教(お寺)にはあります。神道には偶像崇拝がなく本殿には鏡が祀られていることが多い。あるいは山そのものが御神体というように。原則として仏像ならぬ神像はありません。仏像を祀るのが仏教であるのですが。ところが仏教でも当初は仏像が存在しなかったそうです。ご存知の通り仏教は釈迦によって生まれました。釈迦は入滅(亡くなる)直前に「自分自身と仏の教えのみを拠りどころとせよ」と説いたため、釈迦の像は作られなかったのです。釈迦の遺骨(仏舎利)を納めた仏塔や、足跡を刻んだ仏足石などは作られ、礼拝の対象となりました。された。釈迦入滅後、400年以上が過ぎてから仏像が作られるようになります。最初は釈迦の像のみが作られていたのが、全ての人々が救済されると説く大乗仏教が発展すると、より多くの仏が必要とされ、それが、如来、菩薩、明玉、天部といった多彩な仏様達でした。仏にランクができます。
仏像は5つの種類になります。
まず釈迦グループの2つ。
〇如来
如来の意味は“悟りを開いた人”。最高位です。具体的には釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来など。その姿は出家後の釈迦を表し、そのため質素な身なりをしています。補足ですが釈迦はもともと王家の出身。修業のために豊かな暮らしを捨てます。
〇菩薩
菩薩の意味は“悟りを求める人”。悟りを開けるように修業する仏。そこに人々を救済するという役割が加わりました。その姿は出家前の釈迦を表します。そのためインドの王族を模した華やかな格好をしています。三十三間堂で私がみたのは無数の千手観音菩薩でした。観音も菩薩の種類です。他には文殊菩薩や地蔵菩薩などがあります。
インドの神様が仏教に取り込まれたグループがあります。
〇明王
明王はインドの神々などが仏教に取り込まれた尊格。不動明王がとても有名です。マンガ『孔雀王』では孔雀明王が重要ですがもちろんこれも明王になります。如来の教えに従わないものを強い力で仏法へ導くため、髪を逆立て、怒りの表情をしています。
〇天部
天部は古代インドのバラモン教やヒンドゥー教の神を起源とし、仏法を守る守護神としての役割をもたせた尊格。○○天というもので帝釈天、毘沙門天らがそうです。他の仏像とよりも多種多様な姿をしています。ブーツを履いているものもいます。
さらにもう一つあります。
〇羅漢・高僧
羅漢とは出家修行者の最高位である阿羅漢のことで、釈迦の弟子の像など。また一僧侶でも開祖や高僧の像も仏像になります。五百羅漢像や鑑真和上坐像などがそうです。
仏は如来、菩薩、明王、天部の4つですが、羅漢像や高層の像も仏像に分類されます。お寺にいくと必ず御本尊がありますのでどんな仏像を祀っているのか気にすると面白いです。本尊以外にも複数の仏像が祀られていることが多く、また立体曼荼羅といって仏像を複数並べることで曼荼羅を表現していることもあります。慣れないと違い分かりませんが特徴を抑えていくと区別がつてきます。一つ一つ細かく見ていきましょう。
〇如来
悟りを開いた仏、如来。仏像の最高位にして原点。背後に円光や二重円光、飛天光などの光背を背負います。頭頂部に肉髻という盛り上がった部分があり、髪は螺髪という渦巻く特徴的な形をしています。威厳のある表情や柔和な表情。大日如来を除き装飾品を身につけず衣類は大きな布を体に巻きつけています。指で印を結んでいてそれぞれ異なります。薬師如来だけは左手に薬壺を持っています。如来には人間を超越した存在であることを示す三十二相と呼ばれる32種類の特徴が細部にあります。足下安平立相、手足指縵網相といったものが三十二相です。更により詳しい特徴を定めた八十種好というものもあり、合計112の特徴があります。耳たぶが垂れ下がっている耳輪垂成は分かりやすい。
如来の中でも釈迦如来が全ての仏像の基本形になります。一般的なものは右手掌を前方に向けて上げた形の施無畏印と、左手掌を上向きに差し出すようにした与願印をしています。
如来のなかで唯一、持物を手にしているのが薬師如来。薬指の語源となった仏像で特徴的な薬指の形をしています。菩薩が修業の末、薬師如来になりました。薬師寺は薬師如来を本尊とします。
現世を救うのが薬師如来で来世の平安を約束するのが阿弥陀如来です。西方極楽浄土の教主となります。平安時代後期に末法思想が広まり阿弥陀如来がより信仰されるようになります。10円玉のデザインで有名な平等院の本尊が阿弥陀如来です。
最初に触れたマンガ『孔雀王』は正確には密教のマンガ。密教においては釈迦如来よりも上位にあるのが大日如来です。奈良の大仏の正式名称は毘盧遮那仏。大日如来の別名は摩訶毘盧遮那仏で毘盧遮那仏(大仏)よりも偉大だということです。如来の中でも大日如来だけは煌びやか装飾品で着飾っています。密教の世界は慈悲を表す「胎蔵界」と智慧を表す「金剛界」に分けられ、大日如来にもこの2種類があります。胎蔵界大日如来は禅定印を結び、金剛界大日如来は智拳印を結んでいます。印の違いで胎蔵界か金剛界か分かりますし、曼荼羅も胎蔵界曼荼羅か金剛界曼荼羅か区別がつくようになります。
〇菩薩
如来に次ぐランクが菩薩です。菩薩はサンスクリット語で“ボーディサットヴァ”といい、これを音訳したものが菩提薩埵、略して菩薩となりました。菩提は悟りを、薩埵は衆生を意味します。如来になるための修行をしながら悟りを求めるとともに生けるものの救済をする仏なのです。菩薩はより多くの人を救うため、多面多臂(複数の顔とたくさんの腕がある)の仏像が多い。出家前の(王族の)釈迦を表しているので高く結い上げた宝髪に冠などをのせています。地蔵菩薩は剃髪にしていますが。馬頭観音だけは怒りの表情(忿怒相)をしていますが他の菩薩はおだやかな表情を浮かべています。袋を下半身にまとい、ショールを上半身にかけ、首や腕、足首などに装飾品を身につけていて、見た目が豪華です。
菩薩は如来をサポートするという役割があり、脇侍として釈迦如来や薬師如来、阿弥陀如来の脇に控え、如来とともに悩める人々の救済にあたっています。
菩薩の中でも有名なのが観音菩薩。観音菩薩の基本形である聖観音菩薩はあらゆる人のあらゆる悩みに対応しようと33の異なる観音に姿を変えます。その結果生まれたのが多面多臂の観音像で変化観音と称されます。六道を救うという使命のもとに選ばれた聖観音菩薩、十一面観音、千手観音、馬頭観音、准胝観音(または不空罰索観音)、如意輪観音を六観音といいます。聖観音菩薩は一面二臂の姿。観世音菩薩、觀自在菩薩とも呼ばれる。十一面観音は聖観音が姿を変えた変化観音の一つ。私がよく行く鎌倉の長谷寺は本尊が十一面観音です。千手観音はその名の通り千もの手をもち、それぞれの手のひらに一つの眼がついています。これは、あらゆる人の悩みを見落とさず、あらゆる方法で救おうとしているため。実際には本当に千の手がある像は少なく、合掌する2本と他にある40本の腕で表されます。一つの手で25の願いを叶え、40本の手で千の願いを成就させるという。
他には文殊菩薩や普賢菩薩、虚空蔵菩薩、日光菩薩、月光菩薩など多くの種類があります。文殊菩薩と普賢菩薩は、釈迦三尊像で脇侍に配されます。
身近な“お地蔵さん”も地蔵菩薩で菩薩の一種です。平安時代に地獄から救済してくれる仏として崇められました。六道思想と結びついた六地蔵、賽の河原で死んだ子どもを守るという子地蔵、安産をかなえる子安地蔵、寿命を延ばす延命地蔵、必勝祈願の勝軍地蔵など種類が増えていきます。
弥勒菩薩は、釈迦入滅から五六億七〇〇〇万年後にこの世に現れて衆生を救うとされるのが弥勒菩薩です。釈迦の後継者として位置づけされていいます。弥勒信仰が知られています。
〇明王
密教が成立する過程でインドの神々が取り込まれて誕生したのが明王です。「明」は明呪(=密教)の真理を込めた呪文をさします。短い呪文を「真言」、長い呪文を「陀羅尼」といい、この真言・陀羅尼のもつ神秘的な力を身につけた者のなかで「王」たる最高位の存在が明王。如来や菩薩もってしても救われない衆生を救済する最後の砦です。如来の命によって、仏の教えに従わない相手を武力で導き、仏道の妨げとなる煩悩を打ち砕き、仏教を守護する。そのため忿怒相という怒りの表情をしています。髪型も焔髪または怒髪と呼ばれるもので髪を逆立てています。多面多臂(複数の顔、腕が多い)の姿が多い。如来とは異なり燃え盛る炎を示す火焔光の光背を背負います。鳥や動物など多様な台座に乗っていて、装身具を身につけ、武器を持ちます。
仏像の中でも圧倒的に恐ろしい風貌ですが「お不動さん」と親しまれるのが不動明王です。密教において大日如来が変身したものとします。炎で煩悩を焼き尽くすことから護摩法の本尊として崇められてきました。その表情は目を見開き、歯で唇を噛んだ忿怒。片方の目を天に、もう一方の目を地に向けた天地眼が多いです。
不動明王を主尊に、降三世明王、軍荼利明王、大威德明王、金剛夜叉明王で構成されるのが五大明王です。
愛染明王は愛欲を浄化し悟りへと昇華させる煩悩即菩提という教えを具現化しています。左手に弓、右手に矢を持ち、西洋神話のキューピッドと偶然にも同じなのです。
大元帥明王は荒野に住み子どもを食い殺す荒野鬼神大得というインドの悪鬼が起源となっています。
明王のなかで唯一穏やかな表情をするのが孔雀明王。孔雀をかたどった台座に乗り、衣装やアクセサリーを身につけ優雅な姿をしています。修験道の開祖である役行者が孔雀明王呪法を習得したといわれています。
〇天部
天部は他の仏像と異なり共通の特徴がありません。表情は穏やかなものから忿怒相もあります。梵天のような貴人姿の貴紳形と、四天王のような武装した姿の武将形に主に二分されます。鳥獣や鬼といった異形のものまであります。天部の前身はバラモン教やヒンドゥー教の神々なのです。仏教がインドで繫栄するために古来信仰されていた神々が取り込まれました。金剛力士、四天王、十二神将、二十八部衆などのグループをつくることが多い天部。四天王という言葉はここからですね。仏像では唯一の吉祥天、弁財天といった女神の姿の像もあります。髪型は多様で表情も様々。衣装も甲冑、貴人服、中国の礼服・官服などバリエーション豊富です。持物は武器から小槌まで。
天部で特に有名なのが阿修羅。元はインドの神で、バラモン教の英雄神インドラと敵対した鬼神アスラです。
バラモン教のインドラは帝釈天になります。
同じくバラモン教の最高位の神ブラフマンに由来するのが梵天です。修行中の釈迦を世話したのがブラフマンと伝わります。
四天王は仏教で世界の中心にある須弥山を守る仏のこと。持国天(東)、増長天(南)、広目天(西)、多聞天(北)の4体で構成されます。多聞天は単独では毘沙門天として祀られます。地元神楽坂にも毘沙門天を祀るお寺があります。
仁王は金剛力士とも呼ばれます。 向かって右側、口を開いたものが阿形、左側の口を閉じたものが吽形。二体で対になります。
弁才天(弁財天)の前身はインドの水や音楽の女神。日本では奈良時代に武器を手にした像が作られ、お馴染みの琵琶を奏でる姿になったのは中世以降。また食物を司る宇賀神と習合します。
釈迦の歯を盗んで逃げた鬼のあとを追って奪い返したというのが韋駄天。今でも俊足の人を韋駄天と呼びます。
象頭心身の二体が抱き合う異形の姿をするのが歓喜天です。
〇羅漢・高僧
仏教では仏ではない実在の人物も信仰の対象となっています。他の仏像は人間を超えた存在であることを多彩な姿で表現していますが、羅漢・高僧なの場合は徹底的にリアルに各人の内面までをも表出させるような造形になっています。
羅漢とはバーリ語のアルハントを音写した阿羅漢を略したもの。煩悩を絶つことに成功し悟りの境地に達した高僧をさします。十六羅漢、十八羅漢、五百羅漢らの石像があります。
宗祖や開祖、中興の祖などその宗派の歴史に名を残す高僧の祖師像が作られ信仰の対象となりました。最初の肖像彫刻とされるのが律宗の開祖となった鑑真和上の坐像。生前につくっておく肖像彫刻を寿像、故人の像は遺像といいます。大きなお寺に行くと開祖の仏像(人物像に近い)があるところが多いです。日光では、東照宮よりも前に日光を切り開いた勝道上人の像があります。
このように様々な仏像があります。仏像の区別が少し分かると初詣の参拝がより楽しくなるのではないでしょうか。
甲野 功
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