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年が明けました。1月15日はかつての成人式の日。これは旧暦の小正月に関係しているもの。昔の日本は数え年で生まれた時点で1歳、年が明ければ全員が一つ年を取るという考え方をしていました。大正月の1月1日は全員の誕生日で正月が終わる小正月で成人した者を祝う習わしでした。その観点でいうと今日で正月が終わります。
年が明けるとテレビ番組は今年の運勢やパワースポットを紹介するものが増えます。初詣はここ。今年の開運スポットはこれ。という感じで。お寺も紹介されますがやはり神社が多いです。今年は午年。馬にちなんだ神社にご利益があると全国の馬に関係する神社が紹介されています。
その際に神社の名前について疑問に思ったことはないでしょうか。固有名詞の方ではなく最後の方。○○社、××神社、△△神宮など。社、神社、神宮といったものを社号といいます。例えば伊勢神宮、明治神宮は伊勢という地名と明治天皇を祭るという意味の明治が固有名詞になって違いを示しますが社号はどちらも神宮です。全国にたくさんある稲荷神社の総本山は伏見稲荷大社。伏見は地名、稲荷は神社の種類。そして社号は大社。大社とつく神社はそれほど多くなく、出雲大社も社号は大社です。なお伏見稲荷大社の大社は“たいしゃ”ですが出雲大社の大社は正式には“おおやしろ”です。我が家が七五三や祈祷を受けるときは東京大神宮に行きます。大神宮が社号になりますが、神宮と大神宮は何が違うのでしょうか。
神社の種類、すなわち社号の種類について説明します。主に『イラスト図解でよくわかる! 日本の神社・お寺入門』(宝島社)の情報を参考にしました。
社号の話になる前に、寺社仏閣という言葉をご存知でしょうか。神社仏閣という方をよく耳にするかもしれません。どちらも神社とお寺をまとめた言葉。神社と寺社は何が違うのか。寺社はお寺と神社のことです。字で分かるように寺はお寺ですが、社は一文字で神社を表します。社(やしろ)ですね。社はお寺には使用しません。反対にお寺を寺院と呼ぶことがあります。院はお寺を表します。知恩院、三千院、大猷院。これらは全てお寺であり寺院です。このように神社の最も基本となるのは社と言えるでしょう。
社格の話に戻して。“社”は規模の小さな神社に用いられる社号です。神社の境内には摂社、末社といった規模の小さな神社があります。非常に大きな神社であれば摂社でもとても立派なものもありますが。多くは小さな建築物が単独であるだけ。そのようなものを○○社と称することがあります。
“神社”という社号は最も一般的で多くの神社がこの社号です。神社という一般名詞と同じといえます。
“大社”は地域で崇敬される大規模な神社に付けられる社号です。具体的には出雲大社、諏訪大社、春日大社、伏見稲荷大社など。地域と関りがあるので地名が付くものが多いわけです。なお本来は出雲大社だけが大社の社号でした。これは社格というかつてあり、社格が高い神社に大社の社号を付ける傾向がありました。
“宮”は古くから信仰されている神々を祭ったり、特別な由緒を認められたりした神社の社号です。八幡宮、天満宮、東照宮など。八幡宮は応神天皇(八幡大神)天満宮は菅原道真、東照宮は徳川家康を祭っています。格式の高い神社に用いられる社号です。
宮に神が付いた“神宮”はどうでしょうか。神宮は皇室と縁の深い由緒ある神社に用いられる社号です。伊勢神宮、明治神宮など。伊勢神宮内宮は天皇家のルーツである天照大神を祭り、明治神宮は明治天皇を祭っています。皇族を宮家と呼び、秋篠宮、高円宮、三笠宮と宮がつきます。なお元々は伊勢神宮だけが神宮の社号でした。そのため伊勢神宮の正式名称は『神宮』です。後に他にも神宮が増えたため識別するために地名の伊勢が付いていますが正宮、別宮、摂社、末社、所管社合計125社を総称して(伊勢)神宮というのです。伊勢神宮の他には鹿島神宮、香取神宮などがあります。
“大神宮”は特別な社号です。元々伊勢神宮内宮である皇大神宮のことを大神宮としていて、そこから伊勢神宮に関りが深い神社に付けられる傾向があります。例えば東京大神宮、船橋大神宮、猪野大神宮。これらは順番に「東京のお伊勢さま」、「船橋のお伊勢さま」、「九州のお伊勢さま」という異名があります。他にも芝大神宮などがあります。
このように社号には種類があり、社格とも関係があります。社格とは神社の格式や序列を示す制度ですが、戦後に廃止されています。そのため旧社格として参考として紹介されることがあります。旧社格では官幣社と国幣社がありました。それぞれに中社、小社が規定されていました。官幣社は朝廷の神祇官から奉幣(お供え物)を受ける神社でありその中でも大社、中社、小社がありました。旧官幣大社には奈良県の大神神社があります。国幣社は地方国司から受ける神社です。他に別格官幣社という官幣社とは別に、国家に功績のあった人物が祭られた神社の社格もありました。また平安時代の律令規定書『延喜式』に名前の載る神社を式内社あるいは延喜式内社といい格の高い神社とみなしていました。現在でも残っているのが一宮。令制国に分かれていた時代、国ごとに定められた最も大きな神社を示します。埼玉県の氷川神社は“武蔵國一宮”で神奈川県の寒川神社は“相模國一宮”です。あまり神社を格付けしてランキングするのは戦後よろしくないという考えのもと社格という概念は消えていき、社号にその名残を感じるもの。
社号のことを知ると初詣の際に興味が湧いてくるのではないでしょうか。
甲野 功
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