開院時間

平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)

: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)

 

休み:日曜祝日

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~行政書士非弁活動疑いで逮捕報道~

 

 

私は柔道整復師として日々、報道をチェックしています。私は現在『あじさい鍼灸マッサージ治療院』という施術所を運営しています。施術所とは保健所に届け出を提出し認可を受けた施設。分類には「あはき」と「柔整」という区分があります。なお施術所と似たものとして診療所・歯科診療所・歯科技工所があります。「あはき」というのはあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の略で各国家資格の者が開設する施術所。「柔整」は柔道整復師の略で柔道整復師が開設する施術所。整骨院、接骨院が「柔整」分類の施術所です。あじさい鍼灸マッサージ治療院は「あはき」分類になります。私は柔道整復師の資格を持ちますが接骨院はしていません。「あはき」と「柔整」両方の施術所を併設する場合はありますが、私はしていないのです。

 

柔道整復師の整骨院には療養費を不正に請求する事件がずっとありました。これらの不正請求に対して、かつてはやりたい放題といったところでしたが、数年前から摘発が続き厳しく取り締まるようになっています。私が柔道整復師になった15年前とは比べ物にならないほど療養費の請求要件が厳しくなっております。私が柔道整復師になった2011年3月当時では柔道整復師であればすぐに開業できて(整骨院を開設できて)、療養費の請求も新卒1年目で可能でした。現在は療養費を(受領委任払いで)請求するには規定にあった施設で実務3年以上と施術管理者研修の修了が必要です。つまり最短でも柔道整復師になっても3年間は療養費を請求することができません。関東の都市部では療養費の不正請求報道はかなり減りましたが地方ではまだ報道があります。

 

そして療養費と異なる交通事故での自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の請求における不正請求事件が報道されています。これは交通事故に遭った被害者が整骨院にかかり、その施術費を自賠責保険で支払うことが制度上できるのですが、実際に行った施術以上の費用を虚偽に申請して過剰な費用を手に入れる詐欺事件です。交通事故加害者は負い目がありますから自賠責保険で請求された通りの額をついつい支払ってしまうもの。善意につけ込んだ手口です。東京では10年くらい前まで流行っていて、交通事故を取り扱えば儲かるという風潮が整骨院にありました。当院の近所にある整骨院でも不正を働いた柔道整復師だけでなく交通事故被害者も不正請求に加担したとして逮捕された事例がありました。現在は保険会社がきちんと調べるので自賠責保険での不正請求も減ってきていると感じます。少なくとも東京23区では。

 

ところが地方では逮捕報道が出ており、交通事故を悪用した自賠責保険の不正請求が無くなっていないようです。発覚するのは氷山の一角かもしれませんが以前よりも事件化して逮捕される報道が増えていると感じています。そのような状況の中、福岡県でこれまでとは違った逮捕報道がでました。

 

毎日新聞

自賠責保険請求で非弁活動疑い 福岡の行政書士法人副代表を逮捕

2026/1/21 10:53(最終更新 1/21 11:20)

 

昨年、交通事故が起きた際に、事故被害者が整骨院にかかり、その施術費を自賠責保険で水増し請求(つまり実際の施術よりもずっと多額の施術費用を請求した)した疑いで、福岡県の整骨院グループ代表が逮捕・起訴されていました。更にこの逮捕者と提携していた行政書士法人の男が非弁活動容疑で逮捕されたという報道です。非弁活動とは本来弁護士が行う行為を弁護士免許のない非弁護士が行う弁護士法違反の活動です。

 

交通事故における自賠責保険では、事故加害者が賠償金を支払うために請求する「加害者請求」の他に、被害者が加害者加入の保険会社に直接賠償請求する「被害者請求」も認められています。自動車を運転する者はもしもの事故のために自賠責保険に入っており、加害者になった場合は被害者への賠償金を支払うために保険を利用します。その際に自賠責保険に加害者側から請求する。反対に事故被害者の方からも自賠責保険会社に被害を受けた賠償を請求することが認められているわけです。今回逮捕された行政書士法人の容疑者は整骨院と業務提携を結び、整骨院に来院した事故被害者の代わりに被害者請求の手続きを請け負っていました。そして違法な請求額を請求していたという。ただし逮捕の容疑は非弁行動です。行政書士は依頼者のために事実証明などの書面を作成できますが、法的判断が必要な書面の作成や保険会社との交渉は法律業務にあたり、この業務は弁護士にしかできません。しかし実際には認められる事例もあり、容疑者の被害者請求業務が非弁活動にあたるかどうかは慎重に捜査しているといいます。ただし、容疑者は自賠責保険被害者請求における上限額(120万円)に近い請求を繰り返し行っていて、請求が満額認められなかった場合には保険会社側に異議申し立てを繰り返していたことが判明しています。

 

自賠責保険の請求手続きを行政書士がどこまで担えるかは、専門家の間でも見解が分かれていてこの逮捕は異例だといいます。この逮捕をきっかけに行政書士の業務範囲に今後、影響を与える可能性があるとしています。

更に続報がありました。

 

毎日新聞

自賠責保険の代行請求の「第一人者」 独自考案の仕組みで過大請求か

2026/1/21 20:18(最終更新 1/21 20:18)

 

 

 

 

 

逮捕された容疑者は自賠責保険における被害者請求で過大請求をする仕組みを考案したことが問題視されているというのです。報道によると容疑者は、自賠責保険の代行請求を行政書士が担うための仕組みを全国に広めた“第一人者”として知られ、ホームページで大々的に宣伝していたといいます。異例の逮捕に踏み切ったのはこの仕組みが過大な自賠責保険金請求の温床になっていた恐れがあるからだというのです。容疑者は2022年8月、この仕組みを全国に広めるための一般社団法人を設立しています。昨年2025年12月には沖縄県で柔道整復師向けのセミナーを開き、請求上限のほぼ120万円までは心配いらない(請求できる)と説明したという。福岡県弁護士会によれば「最大の問題は、行政書士と整骨院が手を組み、施術実績とは異なる過大な請求が容易にできてしまう点にある。過大請求がまかり通れば保険料が上がり、被害者は国民だ。こうした構造を明らかにした意義のある事件だ」と話しています。

 

整骨院にかかる交通事故被害者の自賠責保険において柔道整復師が不正に課題請求をして違法に儲ける手口。そこに行政書士という立場で乗っかり、さらには仕組み化して他の柔道整復師に教えて提携しようとしていたと考えられます。卵が先か鶏が先か、のような話ですが、報道通りであれば行政書士の本分とは異なった業務でしょう。こういうことが全国に広まれば自賠責保険の保険料が上がってしまいます。

 

毎日新聞はさらに続報をしています。

 

毎日新聞

軽傷事故で過大請求か 自賠責保険会社が支払い拒否のケースも 福岡

2026/1/22 19:20(最終更新 1/22 19:20)

 

 

 

 

この報道によれば、逮捕された容疑者は自動車のミラーが接触する程度の軽微な追突事故でも被害者請求を上限額120万円まで請求していたといいます。提携した整骨院側も書類に施術期間を4カ月と記載した。そのような事故で4カ月も通院が必要なことは考えられません。記載する柔道整復師側もどういうことでしょう。そして費用の支払い拒否をされると容疑者は異議申し立てをした。この行為も本来弁護士が行う法律事務にあたるといいます。

 

これまで幾多の不正請求事例を調べてきました。柔道整復師だけでなくあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師もあります。同業者のやったことを知り、自信の襟を正すため。意図せず違法行為に手を染めないようにするため。自賠責保険の不正請求には柔道整復師の詐欺行為に加担した事故被害者やその関係者も逮捕されるケースがありました。やったことは悪いのですが柔道整復師にそそのかされて不正請求の片棒を担いでしまったのではないかと同情も一部ありました。ところが今回の報道は行政書士法人の者が積極的に自賠責保険の過大請求を行い、それを仕組み化して柔道整復師にレクチャーするという。逮捕容疑は非弁活動ですが、実質、自賠責保険の詐欺容疑が発端ではないでしょうか。柔道整復師から別職種に飛び火したといえるケースで非常に驚いています。

 

甲野 功

 

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