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~アジサイ塾東洋医学を探す寺社巡り~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 アジサイ塾東洋医学を探す寺社巡り
アジサイ塾の東洋医学を探す寺社巡り

 

 

日曜日にいつも当院に勉強に来る鍼灸マッサージ学生さんと共に寺社巡りをしました。

 

きっかけは昨年、日暮里で行われた『東洋医学について語るBAR』。ここには主に鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師が参加しましたが一般のお客さんもいました。そこで東洋医学を知らない方に東洋医学を伝えるようなことをしました。そこで触れたのが東洋医学の基本となる陰陽論五行説。そのまま話しても理解しにくいので土地や方角、風習を題材にしました。日暮里は江戸城(現在の皇居)からみて北東の方向にあり、これが鬼門の方向で、鬼門封じとして広大な寛永寺を置いた、そのエリアに入るという。北東は十二支でいうと丑寅。十二支、方角は五行説を当てはめることができます。こんな話をしていたら、初詣を鍼灸師と一緒に行ったら面白そう、という一般の方の声が挙がりました。それを聞いた私は、それは確かに面白いだろうなと思いました。一般の方に東洋医学を説明するのに初詣で寺社に行く機会は使えるなと。

 

昨年1月に父が亡くなり今年の正月は喪中。1月31日に一周忌法要をして一区切り。また旧暦の正月にあたる節分が本来の正月という説があり、2月1日の日曜日にこの企画を実行することにしました。どこに行くのかは参加する学生さん達に一任。候補として挙がった明治神宮と江島杉山神社の2つから江島杉山神社を学生さん達は選択。両国にある江島杉山神社に決定です。

ここで学生さん達に今回の趣旨を事前に伝えていました。一般の方に東洋医学を説明できるように神社やお寺、あるいは初詣において東洋医学と関わるものを調べておく。また目に入ったものからアドリブで説明する。話が出たらよい相槌や質問をして話題を広げる。話し手と聞き手の両方をする試みです。お手本となるように私も事前に想定しておきました。明治神宮の場合と江島杉山神社の場合の両方。学生さんが江島杉山神社を選んだことで考えを広げました。江島杉山神社はかの杉山和一検校が祭られている神社。杉山和一とは江戸時代初期に実在した盲目の鍼師、按摩師。検校というのは、当道座という盲人(江戸時代の視覚障害者)における組織で4つある階級で最高位です。管鍼法という技術を作ったとされており(※発見された文献では杉山和一以前から存在していたようですが、広く定着させたのは杉山和一で間違いない)、日本の鍼灸師にとって非常に重要な偉人です。江島杉山神社境内には「鍼灸あん摩博物館」という実質、杉山和一史料館があります。杉山和一の知識は東洋医学に直結します。杉山和一の情報も入れておこうと想定しました。更に江島杉山神社のそばに弥勒寺があるのですが、そこに彼のお墓があります。弥勒寺にも行く予定を立てました。杉山和一のお墓は神奈川県藤沢市の江の島にあるのが有名ですが、もう一つ弥勒寺にもあるのです。この弥勒寺には私も行ったことがないので当日楽しみしていました。このような準備をして当日、JR総武線両国駅で待ち合わせをしました。

 

両国駅から徒歩15分ほど。隅田川方面に歩き住宅街に江島杉山神社があります。墨田区の史跡に認定されていますが世間的には有名ではないかと思われます。途中、会話の内容から間違いなく鍼灸関係者の集団に遭遇しました。焙烙灸という言葉は普通会話に出てこないのですぐに分かりました。案の定、江島杉山神社へ向かっていました。参加学生さんの一人は行ったことがあります。境内の本堂で鍼灸の講義をよく行うのです。私も過去に2回参拝しています。江島杉山神社について境内を巡りました。

 

マメ知識として江島杉山神社とはどのような由緒か。江の島にある江島神社を勧請し、杉山和一も神様としたのが本神社。そのため御祭神は杉山和一と弁財天。江島神社の御祭神が弁天様です。なお弁財天(弁天)は仏教の天部であります。神社に仏がまつられているのはおかしく正確には市杵島島比売命が御祭神です。神仏習合で弁財天と同一視された神です。更に頭部が老人で体が蛇という宇賀神と弁財天は習合し、宇賀弁財天と言われました。そのため琵琶を持った弁財天像や蛇の頭に体が蛇の宇賀神像が境内に祭られています。そして杉山和一が江の島の岩屋(洞窟)で修業したエピソードから境内に岩屋を模した施設があります。神道と仏教、杉山和一のエピソードなどを話題にしました。また今年は丙午(ひのえうま)なので十干、十二支のこと、火の属性が重なる比和、江戸時代の八百屋お七騒動を学生さんに説明しました。陰陽論、五行説、五行色体表が関係します。

 

鍼灸あん摩博物館に入ると時間をかけて展示物を観ました。私は三度目ですが、学生さんが熱心に見ているので私も以前に増して詳しく観賞。するとそれまで気付かなかったことがたくさん知ることができました。千葉周作の孫が杉山流の学校を作ったことは新たな知識でした。

 

江島杉山神社を後にすると弥勒寺に向かいます。弥勒寺のことは別の鍼灸師さんに教えてもらいました。本当につい最近のことで鍼灸師でもあまり知られていないのです。私も今回場所を調べて初めて行きます。江島杉山神社から徒歩10分弱で着きました。小さなお寺ですが杉山和一のお墓は大きな看板が置かれていました。また鍼供養塔があります。縫い物の縫い針を供養するところは多数ありますが鍼師の鍼は非常に珍しいです。街並みを歩きながら古い建物がほとんどなく、平地が広がっていることに気が付きました。弥勒寺には戦災慰霊の像があり、この地域は第二次世界大戦の東京大空襲で被害を受けたのではないかと予想しました。学生さんには将来開業することを視野に入れるならば、その土地を歩いて観察することが大事だと伝えました。

 

弥勒寺を出てこの後はどうしたいか学生さんに問いました。回答は昼飯をとりたい。お昼時でお腹が空きます。どこで何を食べるのかも決めてもらいました。両国に戻るか、森下駅周辺に行くか、その先に清澄白河まで行くのか。何を食べるかでは、お米が食べたいという意見がありました。清澄白河まで行くと深川めしが有名です。深川めし自体を知らない学生さんがいてどのようなものか説明。せっかくなら深川めしを食べようかと話します。一人学生さんが以前から気になってブックマークしていたお店があるのでそこに向かうことにしました。「割烹みや古」。駅から離れて住宅地にありました。古民家を改装したのか旅館だったのか。とても広くて味わいのある店舗でした。実は、私は深川めしがかなり気に入っていて15年くらい前に清澄白河で食べてからまた食べたいと願っていました。幸運にもまた深川めしを、それも名店で食べることができたのです。奮発して刺身もつけた定食にしてしまいました。観光客も多くなくて長居してしまいました。

 

みや古を出たらもう少し話をしたいのでカフェを探すことにしました。清澄白河は日本のブルックリンと言われるくらいカフェが充実しています。ブルーボトルコーヒーが日本に来て清澄白河に店を構えてからブームになりました。Googleマップで目ぼしいところを探して歩き回ります。どこもお客さんで混雑。カフェ難民としてうろうろ歩き回ります。そこでみつけた「喫茶こくん」。高齢女性が営む地元の人向けのお店でした。ここで私はロイヤルミルクティーを頼みます。ここでも話をします。学生さんの将来のことや現状の話に。相談も。参加者は全員、専門学校入学前から知っていて、学校に入ってから気になることが変化していることが分かります。助言することもありました。

 

清澄白河駅で解散し、私は都営大江戸線で帰宅しました。東洋医学を探す目的で寺社を巡りました。後半は対話ばかりでしたが。私も学生さん達もどんどん進んでいることを実感します。充実したイベントになりました。

 

甲野 功

 

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