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~「あましの会」発足~

鈴木恭平 note あましの会、発足します より
きょん note 2026年2月8日 あましの会、発足します より

 

 

「あましの会」が発足します

 

あましの会、発足します

 

こちらはあん摩マッサージ指圧師の鈴木恭平先生のnote(※ブログサイトの記事)。水面下で話が進んでいた「あましの会」が正式に始まります。

 

あん摩マッサージ指圧師。厚生労働省管轄、認可の国家資格。今年も2月21日に年に一度しかないあん摩マッサージ指圧師国家試験が行われます。最低3年間勉強しないと国家試験を受験することはできません。専門学校、視覚支援学校、大学の養成施設で3年間の実技と座学を習熟し各学校の卒業認定を得ることで国家試験の受験が認可。座学のみの国家試験を受験し、合格すると得られる国家資格免許があん摩マッサージ指圧師です。

按摩(あん摩)、マッサージ(massage)、指圧の3種類の徒手療法を行うのがあん摩マッサージ指圧師。非あん摩マッサージ指圧師にはどれも同じに見えるかもしれませんが発祥、歴史、技術がそれぞれ異なります。別のものなおです。中国から伝来し、江戸時代以前から我が国で盲人(※当時の呼称。現在の視覚障害者。)が担ってきた按摩。明治期にフランスから導入されたmassage。大正時代に日本で確立されたとされる指圧。これらの頭文字をとって“あマ指”あるいは“あまし”と呼びます。あん摩マッサージ指圧師ならあまし師と記載したり。

 

このあまし師らのコミュニティが正式に名称をつけて始まるのです

 

私は国家資格としてあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の4つを持っています。一般に鍼灸師とまとめていますが資格としてははり師、きゅう師と分かれています。ただはり師、きゅう師は一度に学ぶことが多く、試験も同時に行います。国家試験はほとんどはり師・きゅう師で共通問題で、個別問題がわずかにあるだけ。今年も2月22日日曜日にはり師・きゅう師国家試験が行われます。また鍼灸マッサージ科あるいは本科と呼ばれる専門学校の科があり、そこに行けば3年間であまし、はり、きゅうの3つの国家試験受験資格を得られます。本科がある専門学校は全国に19校しかありません。なおこれは視覚障害のない晴眼者向けの専門学校の数であり、視覚障害者向けの視覚支援学校・大学はもっと数があります。私は東京呉竹医療専門学校本科を卒業し、2007年にあまし師、鍼灸師になりました。その4年後に同校柔道整復科を出て柔道整復師も取りました。

 

私は元々あん摩マッサージ指圧師を取りたくて旧東京医療専門学校(現在の東京呉竹医療専門学校)に入学しました。鍼灸はついで。同じ3年間の勉強で取れるのだから鍼灸も取っておいて損はないよ、という助言を受けてです。免許取得後に鍼灸の有用性を実感し、柔道整復科を出てから同じく母校の鍼灸マッサージ教員養成科に進学し、より深く鍼灸を、そしてあましを学びました。4つの資格と専門学校教員免許を持っていますが、基盤にあるのはあましです。鍼灸、柔道整復もできるのであましだけではないのですが、根っこにあるのはあまし師であるという自負

 

2025年はテーマに~按マ指を探求する~を掲げてあましの研究をしました。情報収集、練習、体験。大きな収穫となりました。そして特に大きな出来事がAMASHI fes 2025(以下、あましフェスと記載)に参加したこと。このあましフェスを開催したメンバーらが今回のあましの会を発足しました。

 

あまし師の数は鍼灸師、柔道整復師に比べると少ないです。1998年までは新設校規制があり、鍼灸養成学校、柔道整復養成学校は増やせませんでした。あましも同様に。それが裁判で国(旧厚生省)が敗れたことで養成施設新設解禁となり、1999年以降爆発的に学校数が増加します。あましに関しては法律で新設規制があるので(晴眼者の)定員は増えません。その結果、爆発的に柔道整復師および鍼灸師の数が増えていきます。そして鍼灸、柔道整復の比ではないくらい理学療法士は増えています。近しい医療系国家資格でありながらあまし師はマイノリティになっていきます。特にあまし師は歴史的に視覚障害者の生業としてあったので、視覚障害者のあまし師が多かったのです。ところが近年、新たな視覚障害者のあまし師は減少する一方。国家資格受験者数は右肩下がり。晴眼者の定数は決まっているので新卒あまし師の数は減っていきます。

 

また私のように鍼灸も持つ、通称“あはき師”(あまし、はり、きゅうの頭文字であはき)が晴眼者ではほとんど。鍼灸マッサージ師と称したりしますが、鍼灸もするあまし師が大部分です。私のようにあましを主とするあはき師もいますが、鍼灸を重要視するあはき師の方が多い印象です。学生でも本科(鍼灸マッサージ科)学生なのに鍼灸学生ですと自己紹介する人が多い。専門学校の風土によることだと想像しますが鍼灸の方があましより上位概念にしている意識を感じます。それが私はずっと嫌な感情を持っていました。

 

理由はいくらでも分かります。まず(晴眼者で)あましを取るには学校が限られていること。全国で晴眼者であまし師をとる学校は21校。21校で少ないのか?と思うかもしれませんが鍼灸は80校弱。そこに大学・短期大学13校を加えれば90校以上。あましの大学は国立の筑波技術大学のみで晴眼者は入学はできません。地域で言えば北海道、中国、沖縄にはあまし専門学校はありません。東北に1つ、九州に1つ、四国に1つ。多くは関東に固まっていて関西ですら3校だけ。地域によってはあまし師という存在を知らなくも不思議ではありません。

次に鍼灸の方がアピールしないといけません。私も鍼灸師であるから強く実感していますが、鍼灸は技術の幅がとてもつもなく広いのです。大きく現代派、中医派、古典派に分類されるといいます。現代派でもパルス鍼通電、美容鍼、YNSAなど。中医派では醒脳開竅法、三焦鍼法、朱氏頭皮鍼など。古典派でも経絡治療、積聚治療、杉山真伝流など。折衷もあり、日々増えていると言えます。専門学校急増の背景もあり、うちは他と違うと優位性をアピールしていかないといけなくなっています。21世紀に入り競合が増えていますから。昔のようにはいかず、積極的に打ち出していかないと生き残れないのが実情。

そしてSNS全盛の情報化社会。個人も学校も団体も広報活動をしないと存在感がありません。SNSという個人でメディアを持って発信できる社会において何を出さないということはいないようなもの。その点、視覚障害者のあまし師はやはり不利な部分があります。何よりあまし師の絶対数が相対的に少ないわけです。

 

あましよりも鍼灸をアピールした方があはき師にとっては良い。それは当事者としての私の感想。その根本的な理由はあまし師の職域が守られていないのが当たり前になっているからです。法律(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律;通称、あはき法)で非免許者のあまし行為が禁じられているにも関わらず(※あはき法第1条、業務独占)、実質守られていません。整体とかもみほぐしとか名前を変えたり、これは鍼施術を行う前に行う前揉捻だと称したりして。あまし師をあることをアピールする意味がほぼ無く、誰でもできるものでしょう?、と世間に認知されているわけです。ここ数年で状況は変わりつつあると私は感じていますが、まだまだ現状はそうです。どうしてこうなったのかは、そしてその状況が変わりつつあるのかの説明は割愛します。とにかく業界内外にアピールするのは鍼灸の方がいい。それが多い意見だと思います。

 

このような現状において、あまし師当事者は変えていきたいという想いがあります。あるはずです。まず私がそう思っています。

 

あはきの専門学校は全国に19校と書き、あましの専門学校は全国に21校と書きました。2校の差は何か。それは2校だけあん摩マッサージ指圧のみの専門学校があります。“あはき”ではなく“あまし”の学校。それが浪越学園日本指圧専門学校総本山長生寺長生学園の2校。ここだけは鍼灸科がなく、あまし師だけの養成学校です。また京都仏眼鍼灸理療専門学校は本科以外にあまし科があります。鍼灸を取らずにあましのみを取るには(晴眼者の場合は)日本指圧専門学校か長生学園か京都仏眼鍼灸理療専門学校のどれかしかありません。この3校のあまし科卒の先生はあまし師だけなのです。

 

あまし師が鍼灸よりもアピールしない別の理由として、率直にいって、あまり他に興味がない性質があります。日本指圧専門学校では浪越指圧という技術を、長生学園では長生術を主に習います。日本指圧卒は浪越指圧を極めんとし、長生卒は長生術を。母校の先輩後輩は結束があるが、横の連携(他のあまし師との繋がり)があまりない。他にも各学校で特徴のあるあましの技術があるのですが、ほとんど他を知らないし、知ろうとしない。ここ2年で私は調査をしましたがあましには様々な技法があります。元々按摩・マッサージ・指圧と3つの異なる技術をまとめているわけですし。ところが様々なあまし師、学生に専門学校をいくつ言える?と聞いても多くて5~6校くらい。他のことは全然知りませんという人も珍しくありません。鍼灸師は良くも悪くも他を気にしていて、他流派を学んでいる傾向があります。経絡治療と中医学は何が違うのかなど。それを知らないと自分のやり方をアピールできない。鍼灸もかつてはそうだったのだと予想しますが、あましは自分の技術は門外不出、外に出す必要なしという考えがあったと思います。そしてそれが自分たちを守る術だった。しかしこの情報化社会となり、そんなことは言っていられなくなった。私はそう考えています。

 

2024年。私は社交ダンスイベントで長生術の鈴木恭平先生、浪越指圧の神田浩士先生とマッサージブースを出しました。私は呉竹指圧および呉竹の按摩。3流派がベッドを3台並べて。我々3名は学生競技ダンス経験者という共通項がありました。鈴木先生と神田先生は大学が一緒、私と神田先生は教員養成科が一緒など個別の共通項もありましたが。しかし出身専門学校は別々で技術もそれぞれ異なる。その3名で行えたことは個人的に画期的な機会でした。その前にも私の母校で、東京呉竹医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科の卒業論文発表会に日本指圧卒の先生が指圧の研究発表をするということで長生卒と日本指圧卒の先生を特別に会場に呼び、発表を公聴しました。呉竹学園の会場に浪越(日本指圧)と長生の先生が一堂に会する。これも個人的に歴史的な場だと感じました。

 

前々からあまし師の現状に不満があった私。私以上に納得がいっていなのがあましだけで勝負しているあまし師の先生方。鈴木恭平先生にはあましのコミュニティを作ってほしいと要望を伝えていました。私のように鍼灸持ちのあはき師ではなく、あましのみのあまし師の先生方が音頭を取った方がいい。そう願っていました。また別の機会に触れますが、あはき師のあましはあまし師のそれとはやはり異なると考えています。あまし師のあまし師によるあまし師のためのもの。それが必要ではないかと。

 

昨年はあまし師の交流が活発になりました。京都仏眼卒のあまし師、岡本菜己先生。後藤流按腹術4代目の露木美那先生。そこに長生術、浪越指圧の先生が音頭をとって開催されたあましフェス。浪越、長生、京都仏眼、呉竹、花田、神奈川衛生、東洋鍼灸と各種専門学校卒が集合。交流が進みます。そこにはあまし師ではないエンジニア、企業経営者も参加。あましの会の下地となりました。同年の11月には関西であまし交流会が行われ、関西の行岡、関西医療、京都仏眼の3校卒業生が集まります。学校の垣根を越えてあまし師を軸とした横の繋がりが生まれてきました。

そして今年。「あましの会」が発足です。発起人は

鈴木恭平先生(長生学園卒。あん摩マッサージ指圧師。なりひら治療院。)

足達晃大先生(日本指圧専門学校卒。あん摩マッサージ指圧師。SHIATSU CAMP。)

矢野敦子女史(経営者。㈱クロスリンク代表取締役。)

の御3名。

長生、浪越、一般という属性。あまし師ではない方が入っているところが先鋭的。鈴木恭平先生は開業して自院を運営するなか、法律の勉強をしています。足達晃大先生は開業し、各種野外イベントにテントの指圧ブースを出店、またラジオも運営しています。矢野敦子さんはあまし好きとして業界を外から支援してくれる経営者。それぞれが自分の城を持ち、各自外部へのアピールができます。矢野さんが入ることで世間一般の声が入ります。この3名にあましフェスやあまし交流会に参加したメンバーが合流していくことでしょう。もちろん私も。

 

2017年頃。新型コロナなど想像もしなかったとき。Twitter(現在のX)で全国の鍼灸師が交流してムーブメントが起きました。既存の学校、学会、勉強会、流派といったコミュニティではない。個人がフラットに集まりイベントを行う。20~30代の若手が中心となり、40代の中堅も一緒になり。文字通り、東京、関西、中部と各地で個人のコミュニティによるイベントが生まれました。鍼灸師のSNS時代が幕開けでした。今では当たり前になっている講座の動画配信。2018年時点で全国の鍼灸師に向けてZoom配信されていました。

このときに感じた大きなうねりをあまし業界でも感じています。

 

鈴木恭平先生が述べるあましの会は何を目指すのか。

・学びだけでなく「遊び」もある

・技術だけでなく「経営」もある

・臨床だけでなく「社会」もある

・業務だけでなく「生き方」もある

このような表現をしています。『あマ指をアップデートする』、『社会的定着』というキーワードを挙げます。発起人3名の考え方が反映されているでしょう。技術、学術はもちろんのこと、カッコイイ生き方をする。稼げないといけない。社会貢献できる職種にする。発起人以外にもイベントで耳にした想いが乗っかっています。鈴木恭平先生は法律面で、足達晃大先生は世間へのアピールで、矢野敦子さんは経営面での得意分野あるでしょう。そこに賛同者が持てる能力や特色であましをどのように“アップデート”し“社会的定着”をさせるのか。私だと全国の技術を研究することや学術面でできることがありそうです。

 

業界団体でも学会でもない、個人の繋がり。あましの会に期待しています。またずっと内心で願っていたコミュニティです。大きなムーブメントが起きるのではないかと期待しています。

 

甲野 功

 

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