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厚生労働省が「知ってほしい国家資格のハナシ」というページを作成しました。
この“国家資格”とは何かというと、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師のこと。そう、全て私が持っている国家資格なのです。このようなページができたことに驚きます。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師。この3つをまとめて「あはき師」と略すことが業界では常。ただそれは我々の関係者では常識であって、世間では耳馴染みがないでしょう。とこがこのページは大きく「あはき師ってなに?」と書かれています。
柔道整復師。略して柔整師。これも私の業界では至って一般的な用語ですが世間ではそうでないでしょう。柔道整復師の整復を制服と誤変換してそのまま表記しているものや、あの東京キー局TBSのニュースでも柔道“整体”師と呉表記をするほど知名度がありません。バラエティー番組ではなく裁判の結果を報道するニュースのテロップに柔道“整体”師ですから。同じくこのページには大きく「柔整師ってなに?」の文字。
『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師とは?』というタイトルで説明文が続きます。
『
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師をご存じですか?
これらはすべて、必要な教育を受け国家試験に合格した方に与えられる国家資格です。
このページでは、これらの資格のご紹介と、関連情報をお伝えしていきます。
』
4つの国家資格をあはき師と柔整師に分けて説明する動画があります。それには岡崎紗絵さんという著名な女優が登場。更には『よくかんがいぬ』というゆるキャラが登場し、説明するのです。このキャラはシュナウザー犬で、よく考える性格であり博識で、街をまとめている長老という設定だそう。タスキをしていてそこには「国家資格」と書いてあります。女優さんを起用し、新しくキャラクターを作り、動画を作成しているところに厚生労働省の本気度を感じます。
動画は
の2編に分かれています。どちらも1分半ほどの長さ。更にページの下には各5項目でショート動画で切り抜いています。動画の内容は私にとっては当たり前すぎるくらい基本の基本であります。それをわざわざ動画で説明している。更には切り抜き動画で十数秒に分割しているのです。2分にも満たない動画を更に分割。ショート動画に慣れた若者を意識しているようです。女優、ゆるキャラ、ショート動画。私のような中年ではなく、確実に30代以下の若い層をターゲットにしたページになっているように見えます。
なぜ今このようなページを厚生労働省は作ったのでしょうか。国家資格はもちろんあはき師、柔整師だけではありません。どれも厚生労働省管轄の国家資格ですが、医師はもちろん、歯科医師、看護師、放射線技師、管理栄養士など厚生労働省の国家資格は多数あるのです。それにもかかわらず「知ってほしい国家資格のハナシ」と範囲が大きい国家資格を掲げながら、内容はあはき師と柔整師だけなのです。
私は当事者ですから予想がつきます。この4つの国家資格は法律で正式に開業権が認められています。法律上、「施術所」と言われるお店を始めることが許可されています。あはき師に限っては出張専門の業態での開業も可能です。つまりあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師のいずれか一つでも国家資格を持っていれば施術所を開設することができます。開設するというのは法律的な表現で、つまり開業するということ。言い換えると施術所を持てるのはあはき師、柔整師しかいません。なお医師、歯科医師も開業権がありますが、その場合はもちろん医療機関(病院、クリニック、診療所)であった施術所とは呼びません。施術所はあはき師、柔整師の国家資格持ちでないと開業できないし、いずれの国家資格を持っていない者がオープンしたお店を施術所とは呼びません。
こういった知識を周知させようという狙いがあるのでしょう。動画の内容がそうですし。あはき師、柔整師という国家資格があり、その者がやっているのが施術所である。一方、国家資格を持たない無資格者もいるのだと暗に示しているわけです。国家資格(あはき師、柔整師)を知ることでそうではない無資格者の存在も認識してもらう。その意図が感じられます。
なぜかというと、ページは小さい文字ですが
『あはき師、柔道整復師の広告規制について動画でもご紹介しているとおり、施術所には広告規制があり、ガイドラインが策定されています。ガイドラインには無資格者による広告の在り方についても記載しており、国家資格を必要とする業を行っていると利用者に誤認を与えるような表示は、不適切と示しています。』
と書かれているのです。まず広告規制があり、ガイドラインがあるという。それは昨年施行された「あはき・柔整広告ガイドライン」のことです。その中には無資格者による広告の在り方についても記載してあると示しています。ここがなかなか凄いと思うことで、「あはき・柔整広告ガイドライン」というからあはき師、柔整師に向けた内容だろうと思いがちなところを無資格にも向けたものですよと伝えているのです。更には『国家資格を必要とする業を行っていると利用者に誤認を与えるような表示は、不適切と示しています。』と釘を刺しているのです。どういうことかというと無資格者が利用者(お客)にあたかもあん摩、マッサージ、指圧、鍼、灸、柔道整復を仕事として行っているかのような広告表現は不適切だと言っています。“業”というのは“反復継続の意志をもって行うこと”と解釈されるもので、料金の有無を問わず仕事として行うことだといえます。不適切と示している=やるなという意味があるのは見てとれます。あはき・柔整広告ガイドラインにははっきりと禁止としていますから。
この文言の下には
のページに飛ぶリンクが貼られています。詳しいことはこの先に書いてあると言わんばかりに。
これは相当なことで、知りませんでしたとは言わせないよ、という厚生労働省の意志を感じてしまいます。あはき・柔整広告ガイドラインは作成に6年もかかり、当初の計画から大幅に完成が遅れました。当初のスケージュールでは周知期間に1年間をとり、1年後から本格的に取り締まるというもの。これは厚生労働省のホームページに予定表が掲載されています。昨年2月から1年。この「知ってほしい国家資格のハナシ」ページも周知徹底させる取り組みなのでしょう。その先にあるのはあはき・柔整広告ガイドラインによる取り締まり。そのように私は考えています。
甲野 功
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