開院時間
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有料配信ですが整骨院の不正請求をテーマにしたドラマが放送されることになり、考えさせられます。
岡崎紗絵主演!『プロフェッショナル 保険調査員・栗田凛』FODで配信決定
これは現在フジテレビで放送中の玉木宏さん主演のドラマ『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』のスピンオフ企画。FODとは、株式会社フジテレビジョンが運営するビデオ・オン・デマンドおよび電子書籍・コミック配信サービスであるのこと。今回注目しているドラマはFOD特別編という形で『プロフェッショナル 保険調査員・栗田凛』というタイトルになります。前編が3月19日22時54分から、後編は3月26日22時から配信開始です。
サイトに掲載されているドラマのあらすじが気になる点です。都内にある「かちこち整骨院」で治療費の請求内容に不自然な点があることで保険会社から主人公の保険調査員に依頼がきます。以前職場の所長に同様の調査を依頼したところ、不正は確認できないという報告があった。保険会社はこの保険調査員が「かちこち整骨院」の不正請求に加担している可能性も含め、“保険調査の調査”という極秘ミッションを主人公に依頼してきた。「かちこち整骨院」の院長が女性で色気駄々洩れのセクシー院長で通院患者に証言を求めるも彼女の虜で調査が進まない。主人公の女性保険調査員はどのように解決するのか。このようなあらすじです。
フィクションですからどんなストーリーでも構わないのですが、関係者とすると生々しいと感じてしまいます。整骨院の請求内容に不自然な点がある。保険調査員もその不正に関わっているかもしれない。あまりにもありそうな話。というより現実に似たような事件が起きています。このあらすじ内容から察するに交通事故での自賠責保険かと予想します。整骨院の不正請求というのは大きく2種類あります。
一般の通院患者さんの保険証情報から虚偽の療養費を請求するパターン。整骨院を開設している柔道整復師は急性外傷(脱臼、骨折、捻挫、打撲、挫傷)の応急処置において、療養費を患者さんの代わりに請求することができます。このシステムを受領委任払いといいます。脱臼、骨折は継続して施術する場合は医師の同意が必要なのですが、捻挫、打撲、挫傷は医師の同意なく柔道整復師の判断で施術を継続できます。そこで虚偽の申請書類を作成して療養費を不正請求します。請求先は国民健康保険や健康保険組合、協会けんぽ、共済など。患者さんは施術料の3割~1割分の負担額を支払うだけで、残りの7割~9割は整骨院の柔道整復師が代わりに請求します。患者さんが知らないところ自己負担外の保険部分を不正に多く請求して儲ける。これが1つの不正請求。
もう一つが、交通事故が起きた場合に事故被害者が整骨院にかかり交通事故による施術費用を自賠責保険で支払うケースがあるのですが、そこで整骨院と事故被害者(患者)が結託して必要のない施術をしたかのように書類を申請して保険会社に施術費を過剰に請求するというもの。交通事故を起こした方は負い目がありますのでなるべく補償をしたいと考えますので被害者(あるいは整骨院側)から請求された金額を支払いがちになります。
このドラマを観ていないので分かりませんが、このあらすじからだと後者の不正請求ではないかと思われます。ドラマでの主人公が所属するのは“外資系保険会社が扱っている少々変わった保険を専門にした保険調査会社”とのこと。健康保険証には関りが無さそうに感じます。後者の交通事故による不正請求だとした場合、実際に事故被害者、整骨院、保険会社が結託して不正請求が起きた事件があります。なぜ私が知っているかというと報道されているからで、つまり逮捕者が出てニュースになっているからです。ですからこのドラマのあらすじを読んだときに生々しいなと感じました。整骨院の院長が若い女性でセクシー。屋号が「かちこち整骨院」というのはかなり現実離れをしていて、地上波では流さないことを踏まえるとコメディ感がうかがえます。そんな整骨院あるか!と同業者として突っ込める、というか。対比して不正請求の部分はリアリティが強い気がするのです。
ドラマのシナリオを作る際にある程度は現実的にするはずです。このドラマが『ワンピース』や『ドラゴンボール』のようなファンタジーを基盤にしていれば別で、なんでゴム人間がいるのだ?など野暮な疑問でしょう。元のドラマも架空であるが保険調査員という実在の仕事をテーマにしています。ある程度実社会があるという前提です。そのドラマで整骨院の不正請求を扱うというのは、荒唐無稽ではなく、どこか真実味があるかだと思います。そう考えると世間に整骨院が不正請求をしているという話が通じるし、舞台として面白いと脚本家が考え、制作陣が了承したということでしょう。その現実に考えさせられます。柔道整復専門学校では学習の多くを急性外傷や人体の構造、病気のことに費やします。脱臼、骨折の整復方法(※骨を正常な位置に戻す操作を整復といいます)と包帯固定を必死に練習します。柔道の実技授業が必須で打ち込み、受け身、乱取り、礼法を学びました。私は30歳を過ぎて柔道着を購入したのです。3年間の学習を経て国家試験を突破した者が整骨院で働くのです。それがかつての整骨院でした。現実とギャップがあるからドラマ(フィクション)が面白いのだ、と言われればそれまでですが、こういう感じで舞台になるのは複雑な気持ちです。
なお本ドラマの主人公、保険調査員天音蓮を演じているのが女優の岡崎紗絵さん。最近公開した厚生労働省のページ「知ってほしい国家資格のハナシ」に出ている方。「よくかんがいぬ」という博識な犬のキャラクターに、柔道整復師ってなに?、と質問して柔道整復師や整骨院の解説を動画でしています。たまたま出演が重なっただけでしょうが、でき過ぎた偶然を感じます。厚生労働省のページで啓蒙活動をする役とドラマで疑いのある整骨院を調査する役が同時期に同じ女優さんがしていることに。
あくまでもフィクションのドラマであるので気にすることではないかもしれませんが、整骨院勤務経験のある柔道整復師の私には触れずにはいられない出来事でした。
甲野 功
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