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~映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城を観にいきました
映画ドラえもん新・のび太の海底鬼岩城を観にいきました

 

 

先日『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』を観てきました。子どもと一緒に行きましたが、今回は子どもの付き添いではなく、私が観に行くのに子どもがついてきたのです。

 

『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』公式サイト

 

今日の情報でも大ヒットペースで週間興行ランキング首位をキープしています。新しい邦画、洋画、アニメが春休みで公開されているのに。今週末には『名探偵コナン』が封切りになりますがどうでしょう。

 

のび太の海底鬼岩城」。この作品がすごく好きなのです。元々子ども向けの漫画として始まったドラえもん。これぞ国民的漫画として言わずと知れた金字塔。藤子・F・不二雄先生が描く傑作です。誰もが通ったことでしょう。幼少期にふれなくても保護者としてみたという人も。アニメ化してからは国民的アニメとなります。最初は別の局で放送したそうですが、テレビ朝日系列で放送されると不動の位置に。今やテレビ朝日の顔です。そのドラえもんアニメですが、私は普段の放送をほとんど観ていません。小学校低学年を過ぎると好きだったのは大長編ドラえもんであり、映画版です。令和の子どもには知る由もないでしょうが、通常とは異なる、話が続くバージョンがありました。通常のドラえもんは1話完結。それが複数の週にわたってストーリーが続く。文字通り大長編です。これが映画の原作となり映画ドラえもんが公開されるのです。アニメオリジナルのパラレル西遊記を除くと、藤子・F・不二雄原作(※当時のクレジットは藤子不二雄でした)の大長編第一弾は『のび太の恐竜』でした。しかも1話で完結した話を膨らませて続きを描く形式。そして『のび太の宇宙開拓史』、『のび太の大魔境』と続いていきます。今回観た映画の原作は大長編ドラえもん第4弾となる『のび太の海底鬼岩城』なのです。その後も『のび太の魔界大冒険』、『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』、『のび太と鉄人兵団』、『のび太と竜の騎士』と作品を残していきます。第17弾の『のび太のねじ巻き都市(シティー)冒険記』が遺作となります。

 

今回の大長編ドラえもん『のび太の海底鬼岩城』が完成したのが1983年(昭和57年)のこと。また最初の『映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城』が公開されたのも同年3月です。1983年(昭和57年)3月は私が6歳のとき。小学校に入学する直前です。年代的にアニメも漫画もドラえもんを素直に見ていた時代です。映画版を見たのはおそらく封切りしてから数年経っていると思います。テレビ放送か小学校の課外活動でバスに乗ったときだと思われます。映画館で『のび太の海底鬼岩城』を観た記憶がないので。原作の漫画を買うようになって大長編ドラえもんを集めました。特に好きだったのが第3弾『のび太の大魔境』から第7弾『のび太と鉄人兵団』まで。小学生高学年の頃に出会った作品たち。一番素直に楽しめました。この中でも『のび太の海底鬼岩城』と『のび太の鉄人兵団』は強く印象に残っています。ストーリーとしては『のび太の魔界大冒険』が最も優れていると思います。

 

藤子・F・不二雄先生が亡くなりオリジナルの映画が製作されるようになります。声優陣が一新。アニメはセル画からデジタルへ。3Dも使用されるようになり。どんどん私が子どもの頃に観た昭和ドラえもん映画から変わっていきます。ある程度の年齢になるとドラえもん映画から距離を置くようになります。もはやどんな作品なのか興味もなくなり。それが親になって子どもが見たいというところからまたドラえもんアニメに戻ることになりました。また昭和時代の大長編ドラえもんをリメイクして映画化する動きが平成の中頃におきます。『のび太の恐竜2006』、『のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』。新しい声優と最新技術で昭和の大長編ドラえもんを作り直します。作画能力が強化され、オリジナル要素が加わりました。幼少期の思い出は強力で若干の違和感を覚えながらテレビ放送されたリメイク版の映画ドラえもんをながめました。

その後も『新・のび太の宇宙開拓史』、『新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ 天使たち〜』、『新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜』、『新・のび太の日本誕生』、『のび太の新恐竜』、『のび太の宇宙小戦2021』と昭和に作られた大長編ドラえもんの映画がリメイクしていきました。その中でリメイクされていないのが「のび太の海底鬼岩城」と「のび太と竜の騎士」。その中の「のび太の海底鬼岩城」が遂にリメイクして映画化されたのです。これは観にいこうと決めました。

 

昭和50年代に作られたとは思えないストーリー。本作がずっと手が付けられなかったのは核戦争を訪仏させるのからもしれません。まだ米ソ冷戦時代でキューバ危機も記憶に残っていただろう時期。別の名称にしていますが報復措置として大量の核爆弾を世界に打ち込むというもの。※あまりにも有名なので旧作の内容はあまり隠さずに書きます。その世界の危機を救うためにのび太達が海底鬼岩城に向かいます。そして相手は人工知能のポセイドン。作った人類が滅びても機械のポセイドンはずっと起動しています。海底火山の噴火を攻撃とみなし報復のため鬼角弾を撃ち込むという。基本的な構造はハリウッド映画のターミネーターと同じ。人間が作り出したテクノロジーによって人類が滅亡の危機に晒される。行き過ぎた科学が暴走する。何か現在のAIの進歩と符合しているような気がします。核戦争の実感は昭和50年代よりも薄れているかもしれませんが、AIが人類に危機をもたらすかもしれないということは、現実味があります。

 

もう一つ手を付けなかった理由としてジャイアンとスネ夫が死ぬ直前までいく描写があること。少年漫画ではかなり珍しいといえます。自分勝手な行動で危機に陥る。そこにドラえもんの出したひみつ道具である自我を持つ“バギーちゃん”は危険を予測しながら指示通りに走行し見捨てる。この時の“死ぬんですか?”という無機質な台詞は漫画でも怖かったです。令和の今、子ども向け映画でこれが表現できるのかという懸念がありました。知っている大人なら頭をよぎったと思います。「のび太の海底鬼岩城」がリメイクされると知ったときにこのシーンを改変するのか否かは気になっていました。藤子・F・不二雄先生の作品はところどころ残酷なまでに現実をみせることがあります。後の大人向け短編集では遺憾なく発揮されましたが少年向けのドラえもんでも垣間見えることがあります。

 

またどちらも自我を持った機械であるポセイドンとバギーちゃん。この対比が作品のキモになります。どちらも人間によって作られました。物語の序盤はバギーちゃんもポセイドンと似た性質です。小学生当時は気づきませんでしたが、大人になり、AIが発達しシンギュラリティというAIが人類を超える特異点が予測される今になって、この話の奥深さを認識します。このような未来を40年以上前に藤子・F・不二雄先生は予感していたのでしょうか。

 

本作『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』は偶然かもしれませんが現実とリンクすると感じるところがあります。原作通りなのですが、夏休みに海に遊びに行こうとするのび太達をのび太のママはニュースから海は危険だからやめた方がいいと助言しようとします。それを察知して早めに旅立つドラえもん。そしてママから皆を任されているから危険なことはできないと行動を制止するドラえもんとそれを無視して勝手に行動するジャイアンとスネ夫。そして二人は死にかける。ただの偶然なのでしょうが沖縄の修学旅行における死亡事故が頭をよぎりました。私も子の親で修学旅行を見送る立場。40年前から知っているストーリーなのにスクリーンで観ると心が苦しくなりました。映画館にも行きませんでしたが『のび太の宇宙小戦2021』がコロナ禍により2022年3月に公開されたとき。ロシアがウクライナを信仰し始めた直後。本作は宇宙にある星が軍事クーデターにより大統領が地球に亡命してくる話。小学生の時には感じなかった感情が芽生えたものでした。予定通り2021年に公開されていたらきっと懐かしいな、という気持ちになっただろうに。

 

今回の『新・のび太の海底鬼岩城』は概ね原作に忠実でした。これまで子どもの付き添いで令和のドラえもん映画を何作か映画館で観ました。どれもオリジナル作品で藤子・F・不二雄先生ではありません。幼少期から大長編ドラえもんを読んできた私には、やはり違和感があります。キャラクター、設定は同じなのだけどどこか違うというか。それが今作は藤子・F・不二雄先生の作品という納得感がありました。それはリアルな戦争、小学生が(自業自得なのですが)死にかける、という現実を見せる点でも。またこれまで映画館でみてきた令和の映画ドラえもんだと若干間延びする気がしました。余計なカットというか。それがこの『新・のび太の海底鬼岩城』にはなく、どんどん進みます。オリジナルのキャラクターが登場するのがリメイク版ではよくあり、今回も原作にはない登場人物がいます。それもストーリーの整合性を上げるためのもので、原作を知る側として異物感はありませんでした。

 

もう一つ大きな改変(というより追加)は“正しさと正解の違い”です。細かくはネタバレになるので書きませんが原作にはないエピソードでとても重要なものでした。本作の監督が原作の「のび太の海底鬼岩城」を読んで付け加えたのではないかと思います。この概念が出ることでポセイドンとバギーちゃんの対比がより深くなると思いました。そしてAIが発達した今という時代に合っている。このタイミングで「のび太の海底鬼岩城」をリメイクしたことは意義があると感じます。

 

藤子・F・不二雄ミュージアムに行き、ドラえもん制作秘話を知りました。子ども向けだから情報は正確にしないといけない。そういう信念が作者にありました。恐竜が登場する話は最先端の情報と図鑑を参考にした正確な描写を心掛けていた。キャラクターはデフォルメされていますが恐竜の描写は非常に写実的に描いていました。昭和の映画ドラえもんで唯一リメイクされていないのが「のび太と竜の騎士」。最新学説を加味するとかなり話が変わってくるのかもしれません。

 

今回は自らの意志で観に行った映画ドラえもん。一緒についてきた子どももすごく良かったと感想を述べていました。文字通り子どもから大人まで楽しめる作品。

 

甲野 功

 

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