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昨日は久しぶりの学連OBOG練習会に参加しました。
『学生競技ダンス連盟』を略して学連といいます。連盟に所属する大学生が社交ダンスを競技として行う競技ダンスの組織になります。社交ダンスにはスタンダード(ボールルーム)とラテン(ラテンアメリカン)の2部門あり、学連では2年生以降に専攻を決めていずれかの競技に専念します。私は東京理科大学で学連に所属し、専攻はスタンダード(ボールルーム)。当時はモダンと呼ばれていました。学連OBOG練習会もスタンダードとラテンの2種類があり、月に1回、交互に行っております。なお当時の名残で学連OBOG練習会ではスタンダード(ボールルーム)とは呼ばず、モダンというようにしています。
学連OBOG練習会モダンの講師は武蔵野美術大学OBの本池淳先生。学連時代の1学年上の先輩です。本池先生は大学卒業後にプロ選手となり活躍。現在は競技を引退し、自身のダンススタジオを持ち、講師やデモンストレーターとして活躍しています。この日は翌日にイギリスのブラックプール(※社交ダンスの聖地として有名)に息を控えていました。
学連OBOG練習会は毎月ありますが、2月、3月、4月と予定が重なり参加できませんでした。2月に母校のOBOG会、3月に学連OBOGダンスフェスタと近しいイベントに参加はしていたのですが。4月は丸々ダンスをしていなかったので体が鈍っていることを実感していました。少々不安を覚えながらの参加でした。
学連OBOG練習会では毎回、事前にテーマが発表されます。今回のテーマは『チェイスとホイスクと私』。経験者ならピンときますが、チェイスとホイスクはステップの名称です。正確にはタンゴのチェイスとファーラウェイホイスクのこと。タンゴはモダンに分類される社交ダンスの種類です。アルゼンチンタンゴではなくコンチネンタルタンゴの方。モダンはワルツ、タンゴ、ヴィニーズワルツ、スローフォックストロット、クイックステップの5種目があり、その一つがタンゴです。つまりタンゴ種目におけるチェイスとファーラウェイホイスクの2つのステップをする内容。この2つのステップは非常にポピュラーで王道。誰もがだいたいやったことがある、見たことがあるというもの。私はモダン専攻でしたから慣れ親しんだ足型です。
学連OBOG練習会は非常に理論的なレクチャーになります。学連時代は努力、根性、ノリという感じでしたし、本池先生の学連時代も知っていますが、だいたいそうでした。それが普遍的な誰にでも通用する理屈を教えてくれます。チェイスとは何か。ファーラウェイホイスクとは何かを追求していきました。
まずチェイス。この足型はベーシックステップに分類されます。つまり基本的なもの。カーチェイスのチェイスで直訳すると追跡。女性の横に入り込んだ男性の後を女性が追いかえるような動きになります。本池先生と私は1学年差なので習ったダンスの内容がほぼ同じです。社交ダンスも時代と共に進化、変遷を経ていきました。本池先生の話す内容は、学連当時私が習ったこととだいたい同じなので安心します。チェイスの由来もかつて習った通りでした。細かく足の向き、男女のポジションを解説します。3歩目の左足がつま先から着くということを知らなかったか忘れたのか、言われてはっとさせられました。タンゴは他のモダン種目よりもベタ足、フラットに着地することが多いので。ここはつま先からだったのか!と思いました。そして女性の後ろに切り込むように進み、OP(アウトサイド・パートナー)というポジション(男女の位置関係)になります。最初はPP(プロムナード・ポジション)から始まり、一瞬クローズド・ポジションとなり、OPへ。そこから横を女性が進んでいく。
続いてファーラウェイホイスク。一つ一つ用語の解説が入ります。ファーラウェイホイスクのファーラウェイ(フォーラウェイ)とは。ファーラウェイはPPの状態で後退すること。ではPPとは何か。男女が同じ方向を向いて前進あるいは後退できるポジション。プロムナードは小道という意味。男女が向き合って組んでいるモダンでは基本的に男性が前に進めば女性が後退します。それが男女ともに同じ方向に進むことができるポジションをPPといい、PP状態で二人とも後退するのがファーラウェイ。ホイスクはPPの状態で進行方向が切り替わるもの。ワルツにもホイスクがあり、(パーティーステップではなく競技ダンスにおける)学連で最初の最初に習う足型がワルツのホイスクでした。ここで発見でした。ホイスクとはその足の形と男女の位置を示すものだと思っていたのですが、進行方向を切り替える、すなわち後退から前進に変わるところを言うのだと知りました。ホイスクを知って30年。そうだったのか、と思いました。そしてファーラウェイの状況から入るホイスクがファーラウェイホイスク。これにより理解が深まりました。大学2年生のときに習ったファーラウェイホイスクですが、何となく回転するものだと思っていました。それが分解して解説されたことで、後退してホイスクで前進に切り替わっているのだと再認識しました。それだけで動きの意識が変わります。
チェイスとファーラウェイホイスクを確認しました。それをつなげます。PPの状態から始めてファーラウェイホイスクをし、ピポットという回転動作を一つ入れてからチェイスに繋げてそのあとシャッセ、リンクにする。シャッセとは横に移動する足型でリンクをPPに入るタンゴの決めステップ。繋げるとポジションがどんどん切り替わり進行方向も複雑になります。タンゴは得意な種目でやったことがある流れなので足型が分からなくなることはありませんでしたが、繋ぎ部分がやや難しいです。ファーラウェイホイスクで前進に切り替えてクローズドポジションに移行しながらピポットで回転。そこからのチェイス。最初にやったチェイスはPPから始めていて、その違いがあります。
更にネックの切り返しが入ります。ネックはそのまま首で顔を振る動作をネックアクションといいます。タンゴには特有のネックアクションがあり、それが魅力の一つ。敢えて淡白に平坦に踊らせていたところにネックの切り返しを加えて表現をさせていきます。これが入ると格段に複雑になります。タンゴ特有のざらつき。このように本池先生は表現しますが、右を向く前に一瞬左を向く、といった素直ではない動きがあります。ここで初めて知ったことですがネックの切り返しは両足が開いて閉じる動作の中で生じるという。足の上では行わない。タンゴはその場でネックを切り返すイメージがあるので勘違いしていました。移動を伴わない状態でネックは切り返さない。学連にはフォーメーションという8組同時に踊る競技がありますが、そこでの表現で大げさにネックを切り返すことがままあり、その印象がありました。確かに他の種目では足と連動して移動の中にしかネックの切り返しはありませんでした。これがラテン種目だとまた違うのでしょう。
今回はタンゴにおけるファーラウェイホイスクとチェイスに注目した練習会でした。毎回、そうだったのか!という発見と驚きがあります。ラテンの練習会は慣れない動きが多すぎて理解が追い付かないのですが、モダンは余裕があり理解が深まります。またホールド(保持)、ボックスという基礎練習をすることで強制的に体が起きた感じがして体が軽くなりました。やはり少し無理をしてでも動いた方がいいのだと分かります。
甲野 功
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