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~あましフェスで「進路お悩み相談室」を担当しました~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 あましフェスでの進路お悩み相談室
あましフェス2026で「甲野先生の進路お悩み相談室」を担当しました

 

 

先週末に開催されたAMASHI fes 2026 in 熱海/あマ指をアップデートする3日間』(以下、“あましフェス”と表記)で5月24日のメインデーで『甲野先生の進路お悩み相談室』というコーナーを担当しました。

 

あん摩マッサージ指圧師を略してあまし、あるいはあまし師と我々は言います。あん摩マッサージ指圧師達によるイベントがあましフェスです。これを運営するのが『あましの会』の方々。昨年、東京都あきる野市の里山で開催されたあましフェスにも私は参加をして、各流派紹介で呉竹代表として登壇しました。呉竹とは母校の呉竹学園のことで、そこのあん摩マッサージ指圧技術の特徴を説明しました。昨年に続いて登壇する機会を得ました。

 

あましフェスを今年も行うと聞いたのは半年くらい前でしょうか。前回が山だったので今回は海だと。更に昨年の一泊二日から今年は二泊三日になるといいます。そしてイベント内容を運営が話し合っていきました。私は運営に携わっていませんが関係者のような立場になります。進捗状況が分かっていました。2月の段階で運営側からこのコーナーの依頼を受けていました。そこから考えることが増えます。

まずオファーをした運営側がどんな光景を考えているのか?当初のイメージでは座談会のような形式を私は想像していました。過去に多数進路相談を実際に受けてきました。その上でより具体的に想定すると難しい状況が浮かんできます。まず相談してくる方は2パターンあります。一つは将来のことが分からずどうしていいのか自分でもはっきりしていない場合。卒業したら漠然と就職してそのうち開業してみたいという。この場合は具体性がなく、どうして開業したいの?どんなあん摩マッサージ指圧師になりたいの?技術を誰に向けて活かしたの?といった問いに答えられません。もう一つは将来の姿がはっきりしていて、免許を取ったらこれをしたいと明確に目標を持っている場合。こういう人には目標に適した環境や力になりそうな人物を紹介するといった具体的なアドバイスをします。前者は“悩んでいる”という状態で後者は“迷っている”状態。対象がなく漠然とした不安があるのが“悩んでいる”人。これがしたいと決めている人はその方向に進むのがいいのかどうか、あるいはどの方針を選択するのが良いのか“迷っている”。悩んでいる相談者と迷っている相談者では対処方法が変わります。

 

悩んでいる人は具体性がないので相談に乗るというよりも情報を提示して、こんな進路が考えられますよと教えます。就職以外にも進学、多職種に就くということも考えられます。免許を取ったら臨床・教育・研究・その他という大まかに4分野の進路選択があると言えます。就職するにしても個人院なのかグループ院なのか、医療機関や訪問・介護施設で職場環境は変わります。情報を教えて実情を知ってもらう。

迷っている人には、私の知見から現実的かどうかや実現するためにどうしたらいいのかを教えます。そして議論して目標に到達できるかともに考えます。あまりにも楽観的ならそれは甘いと言いますし、自信が無いようなら冷静にできそうなことを挙げて実情を整理します。

悩んでいる人にはティーチング(教えること)を、迷っている人にはコーチング(導くこと)を、するようにします。

 

そう考えたときにあましフェスの会場で誰か進路相談をしたい学生なり若手を募って前にでてきてもらうと考えたとして、果たして上手くいくのか?と考えました。前者の悩んでいる人にはまず進路にはこのような選択肢があると教えることになるでしょう。夢があって卒業後はこうしたいと語る参加者には相談になるでしょう。しかし経験上分かっていることですが、相談になるとかなり踏み込んだ話になります。相談者のバックボーン、そうしたい理由、その人の過去など。家族構成や健康状態、金銭事情まで聞くことがありますし、それらを相談者側から開示してくれることが珍しくないのです。個人的な相談ならそれでいいのですが、不特定多数がいる中でそれをしていいものなのか、という葛藤が生まれます。実際にあましフェス当日のバーベキュー中に進路相談されたときは、かなりプライベートなことを聞いた上で助言しました。また私自身も家庭事情などを伝えて。本当に相談するとなると大勢の前で話をするというのが容易ではないと考えました。きっと学生さんは話してくれるでしょうが、それをしてしまっていいことなのか。また進路希望に近い状況にある、その場にいる先輩あん摩マッサージ指圧師に話を振って相談してもらうというパターンも考えてみました。訪問マッサージや教員、病院などやりたい職種に即した。ただこれだと私がする意味は薄く、参加者の状況を把握している運営の先生がした方がいいでしょう。私の知らない先生も参加するはずですし。

 

このように頭の中でシミュレーションをすると、相談よりも先に進路に関する知識(情報)を伝えて、考えてもらうやり方が好ましいと考えました。経験上、相談に来る人の多くはどうしたらいいのか分からない、どんなことができるのかよく知らない、という。未来を見据えている人は勝手に人から必要な助言を得ていくものです。バーベキューなど交流の場で事足りるような気がしますし、それの方が重要。

 

このように考えてみて、運営側はどうしたいのか、という不安がありました。4月に運営の鈴木恭平先生と足達晃大先生と3者で打ち合わせをしました。そこで私の考えを伝えました。相談以前に情報を与えて、当人たちに進路をより具体的に考えてもらうことが必要。どこに向かうか決めてもらう。そうしたら力になりそうな諸先輩方と個別に話をしてもらった方がいい。運営の先生方が私の方針を認めてくれたので助かりました。私はディスカッション形式の画も想定していて。この打ち合わせで口に出したことで考えまとまってきました。

後日、コーナーの紹介チラシを作るので鈴木恭平先生から資料を送るよう依頼されます。チラシ用資料を作成するにあたってより言語化が進んだ気がします。知識を知ろう。話はそれからだ。私の特徴は大学出身一般企業就職、民間療法経験者、4の国家資格(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師)を持つ、専門学校教員免許を持つ、リラクゼーション店・鍼灸整骨院・医療機関の勤務経験がある、開業している、など人よりも多くの学校・職場を経験していることだと思います。この過去を活かして様々なパターンを整理して知識(情報)を提示する。そのような骨子が生まれました。結構な量の文章を鈴木恭平先生に送ったところ、AIでチラシ4枚にまとめてくれました。これには恐れ入りました。ここまでしてもらうとは。

 

1コーナーを任されたということはあましフェス参加者を集める任務も与えられたと考えています。参加者の目標人数を聞いていて参加予定者の数もだいたい把握できていたので。人を集めることをしないといけない。そのためにやってみたのが資料をSNSに小出しにしていくこと。Xで『あましの会』アカウントが「進路お悩み相談室」の告知ポストをしてくれました。それを引用する形で利用予定のスライドの一部を紹介します。この手のセミナーは何度もしているので過去に作成した資料があります。それを切り貼り、加工をして今回の資料にします。事前にそれを出すことで興味を持ってもらう。特に私が何者かよく知らない人に経歴・学歴・職歴を伝える。進路というのは進学、就職、開業といくつかのフェーズがあります。私がどのような経緯でこの業界に入り、専門学校を経て資格を取っていったのか。またどのような職場を経へそこで何を学んだのか。開業して12年、実際のところは。日付を分けてテーマごとにXの引用ポストを続けました。あましフェス当日、私の前に経営戦略の講義があり、どれだけ素晴らしいものでも知ってもらわなければ存在しないことと一緒、という話がありました。まさにそうで繰り返し情報を出すことで見逃されないようにしました。

 

他の狙いの中として、事前に資料を出すことで当日余裕を持って参加者に見てもらえると考えました。私の資料は字が多く、図があまりありません。図にした方が一見分かりやすいのですが、構造を理解するのに頭を使います。文章を読むだけの方が楽なこともあります。何にせよ私の個人情報は事前に出してしまう。

また私が特に伝えたいことも事前に出してしまう。全てではないのですが、これは重要だということはXで事前告知してしまう。これは情報ではなく熱意になります。どんな想いがあるのかを伝えておく。知識と知恵は違う。戦略と戦術も違う。情報と経験から紡ぎ出された感情の乗ったものを発信する。それが私が担当する意義になるはず。複合的な理由になるはずですが、参加する理由に“甲野功に会ってみたい、話をしてみたい”が入ってくるように願います。

発表資料の一部を隠す、もちろん全ては公開しない、流れをバラバラにしておく、など姑息な手を使いつつ2週間あまり告知を続けました。元の『あましの会』通知ポストが表示(インプレッション)1.6万まで行ったのである程度周知には効果があったと思います。

 

あましフェス当日。前日の土曜日から参加した私は現地でも悩みました。パソコンを持参しているので空き時間で資料を変更できます。普段はもうしょうがないと覚悟を決めて臨むのですが、時間がある分迷いが生じます。明日私の話を聞く人がいて、意見交換・情報交換をします。そうするとこれは話さなくてもいいかな、これは入れた方がいいかな、と悪い意味でアイデアが浮かんできて余計な想定をしてしまいます。更に翌日、当日日曜日になると朝から参加者が大勢来ます。コーナーの順番として後ろから2番目で経営戦略セミナー、バーベキューパーティー、実技セッションが前にあります。経営戦略セミナーの内容に感化され。バーベキュー時に色々な人と話をして先に一部内容を話している。思った以上に初対面の人が多く、私のことを知らない参加者が多い。このような状況で益々悩んでしまいました。スライド資料自体がかなり多いのでどこを飛ばすのか。いつになくどんな流れにするか自分でビジョンが見えていない。前の実技セッションを観ながらぐるぐると考えが巡ります。

とりあえず最初の方に私が特に聞いてもらいたい内容を並べて、それを聴いてもらえればいい、という気持ちになりました。後はその場の雰囲気で。普段よりも聞く人が近い状態で話す。後半は情報の羅列なのですが、ついつい話を入れてしまった感じがしました。検索すれば大体出てくるようなもの。最後とその前の内容も本当にあれでよかったのかとやや後悔があります。直前(当日)に手を加えてしまい、時間置いて冷静になってからシミュレーションしないまま出してしまう。その反省がありました。

余裕がない状況でした。周囲からは落ち着いていたと言われますが、内心は結構焦っていて。その証拠にノートパソコンの電源ケーブルを会場に忘れてしまいました。熱海です。簡単に取りに帰ることができません。外に出て忘れ物や落し物はまずしません。10年くらい前に財布を電車で落としてから凄く気を付けてきました。それが治療院に戻って備品整理をしたときに初めて発覚。運営の方に連絡したら会場で見つかり、後日運営の先生が開業している押上まで取りに行きました。

 

今回の依頼は非常に光栄なことでした。そうそうたる参加者の中でコーナーを任されました。全力で取り組んだ子は私のキャリアになりました。オファーをしてくれた『あましの会』に感謝します。

 

甲野 功

 

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