開院時間
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土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

5月23日から5月25日かけて開催された『AMASHI fes 2026 in 熱海/あマ指をアップデートする3日間』(以下、“あましフェス”と表記)。AMASHI(あまし)とはあん摩・マッサージ・指圧の頭文字から。厚生労働省管轄の国家資格免許、あん摩マッサージ指圧師を“あまし師”と略称したり、業界そのものを“あまし”としたりすることがあります。昨年、東京都あきる野市の里山で初開催されたあましフェスが今年は場所を熱海に移して2回目の開催となりました。メインデーの24日には複数の企画が実施されました。
午前中に行われたのが㈱クロスリンク代表取締役矢野敦子氏による経営セミナー、
『怒りのあマ指経営塾 あマ指はもっと発信しよう!』
です。
登壇した矢野敦子氏は株式会社クロスリンクを創業した経営者であん摩マッサージ指圧師ではありません。
あましフェスの参加者のほぼ全員があん摩マッサージ指圧師かあん摩マッサージ指圧専門学校の学生。非あん摩マッサージ指圧師である一般の参加者は2名だけ。非常に稀な参加者です。かつ経営者としても一流で2022年に東京女性経営者アワード(TOKYO Women CEO Award)持続経営部門を受賞しています。新卒で凸版印刷株式会社に入社し営業職に就きます。株式会社博報堂へ出向しプロモーション戦略に携わります。株式会社エムアウトで新規事業を立上げます。2012年に株式会社エムアウトからMBO(Management Buy out。自社から事業を買い取って完全独立する)をします。このような経営者畑の人間が経営セミナーをしたのです。それはとても有意義なものでした。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師は特例といってもよい法的に開業権が認められています。法律では“開設”という言葉を使い、該当する国家資格者が出す店舗を“施術所”といいます。所轄の保健所に開設届を出して施術所を開設するのです。その際に保険所職員の臨検という現地調査を受けなければならないですし、保健所、都道府県知事、厚生労働大臣の改善指導に従わなければなりません。これは厚生部分です。一方で開業するとなると経済活動を開始するわけで所轄に税務署に開業届を出します。確定申告、納税の経営部分です。学生はもちろん、開業したことがない人だと開設と開業・開設届と開業届の区別がつかない場合があります。前者の開設に関わることは法律(通称、あはき法と言われるあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師に関する法律がある)で制定されているので専門学校の関係法規で習います。開業に関しては専門学校の指導要領に無いので教える義務は学校側にありません。つまり経営面は自分たちで学んでいかないといけません。今回、矢野敦子氏が経営者として経営面の講義をしたのです。
矢野敦子氏の㈱クロスリンクは施術所等の予約システムを構築、サービス提供しています。矢野氏本人がネット検索してもあん摩マッサージ指圧師の施術所が見つからないという不満があります。会社が新橋にあるのですが、新橋駅近辺のGoogleマップであん摩マッサージ指圧師のところはゼロ。これは話になりません。経営の第一歩は『知ってもらうこと』だと矢野氏は述べます。知られていない=存在していない。技術があれば患者さんはやってくる?それはNo!なのです。昭和時代ならまだしも今は令和。私達あん摩マッサージ指圧師やその施術所を知ってもらうのは経営における最初の責任なのである。矢野氏の主張です。売り込みとか宣伝とかそういう次元ではなく、責任。それも最初の。この意識が必要です。そのためにIT化が必須。高齢者はネットを見ないという声に対して、総務省の調査(令和6年データ)で高齢者の多くがスマートフォンを利用している実情があるといいます。その事実を踏まえた上で矢野氏はIT化は「最強の接客」だといいます。アクセスすることが簡単であることは、その段階で接客が始まっていると。何故ならば利用者が知りたい情報を容易に得ることで不安を安心に変えるから。
この矢野氏の意見に私は100%賛同します。まさにその通り。レベルに差はあれどネットに情報が出ていないことはあん摩マッサージ指圧師側の怠慢を通り越して悪影響でしかない。私は医療広告ガイドライン、景品表示法、薬機法、あはき・柔整広告ガイドラインなど広告や関連する法律を学んできました。現時点でホームページはかなり規制されていませんし、SNSは個人における表現の自由が認められていると考えています。母校の鍼灸マッサージ教員養成科でも特別授業として何年も“鍼灸師のSNS活用”をテーマに話をしてきました。経営者側からの言葉は、当時者たるあん摩マッサージ指圧師からとはまた違った重みを感じます。
具体的な矢野氏からのIT戦略が語られました。その中から特に気になったものをピックアップします。
・情報が一致しているか
Googleビジネス、ホームページ、Facebook、など各媒体で情報が一致していないといけない。Googleは不確かな情報を広めることを拒みます。屋号や電話番号、住所などが異なっているとチェックが入るといいます。これは以前から知っていたことですが、結構徹底できていないことです。例えば料金を変えたとして、ホームページは変えたがGoogleビジネスページではまだ、あるいはFacebookの商業ページを変更していない、など。ここにXやInstagramなども関わることでしょう。マメにメンテナンスしないといけません。
・これまでに〇万人を施術しました!といった表現
よく見かけるのですが、矢野氏曰く止めた方がいいといいます。例え事実だとしても。利用者は賢くなっていて嘘くさいと感じます。更に嘘だった場合は誇大広告になります。景品表示法違反になります。証拠を示すことができない、言ったもん勝ちみたいなことはさけるべきだと私も思います。
・問い合わせフォーム、LINEチャットはネット予約とは言わない
これが私は一番心に響きました。問い合わせフォームをホームページに置いて、氏名・電話番号・住所などを入力させるフォーム。公式LINEに友達登録してもらって問い合わせてもらう。これらは利用者の手間(負担)が大きく、親切なものではない。ネット予約はもっと簡便にあるべき。矢野氏の本業であるからこその言葉(概念)でしょう。そこから派生したものではないですがE-PARKやホットペッパービューティーは集客媒体であり、クロスリンクが提供するのはシステム媒体である。施術所のインフラという位置づけ。この意見は目から鱗が落ちるものでした。
・初心者はブランド名、手慣れた人は個人名
利用者は最初よく名の知れた大手チェーンを選ぶ。そこから経験を重ねていくと“人だ”と気付くといいます。寿司と似ていて、お手頃な回転すしから始まり、高級回転すし、回らない寿司屋、暖簾の出ていない紹介制の寿司屋とステップアップする。それと同じような。この話も私は大いに頷けるもの。あん摩マッサージ指圧師よりも鍼灸師の方がその傾向は強いと考えています。技術よりも人を売れ。経営者目線でも同じなのだと感じました。
私は独立を決意してから経営関連の本を何十冊も読みました。それ以前に職場で経営者研修を受けていてドラッガー塾という講座を受講していました(※ドラッガーとはもちろん経営学の識者ピーター・ドラッガーのこと)。あじさい鍼灸マッサージ治療院を始めた後は東京都中小企業振興公社主催の「商人大学校」というセミナーを自主的に受講しました。経営面に関しては能動的に学びに行かないと教えてもらえない分野。開業権がある職種なのですが。今回あましフェスでこのような機会があったのは重要で貴重です。文字通りアップデートする場でした。
甲野 功
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