開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:[email protected]
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

SNS社会。毎日大小さまざまないざこざがネット上で勃発しています。取るに足らないものから大問題に発展するものもあります。今や政治面でも大きな影響力を持つSNS。やらないという選択肢はなかなか難しい状況です。プラス面もマイナス面も影響力が絶大。清濁併せ吞む気持ちで向き合うものだと考えています。もはや生活インフラになっているわけで。私のいるあはき柔整(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)業界でも日々トラブルがあるのが現実です。
そんな中、見過ごせない情報を目にしました。直接の面識はなく、顔も本名も知らないのですが非常に法律に詳しいあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師だという「びんぼっちゃま」というアカウントがあります。その「びんぼっちゃま」さんが書いたnoteというブログ記事。そこには、「あはき系団体から恐喝された」という整体士の主張を検証する、というタイトルがありました。非常に衝撃的な内容。文章の著者である「びんぼっちゃま」さんに紹介することの了承を得た上で、内容を紹介しつつ、法律の観点から考えていきたいと思います。
どのような内容かというと神奈川県で整体院を運営している整体師が「あはき系国家資格団体のお偉い様」(※その整体師の表現方法)から恐喝を受けて警察沙汰となり刑事事件になっているというもの。それをThreads(スレッズ。XやFacebookとは異なるSNS。)に投稿したというもの。文言を文字起こしすると
『
daikichi_seitai > あはき団体からの恐喝事件発生のお知らせ
あんま鍼灸系団体から恐喝事件発生のお知らせ
前スレを立てたのは恐喝事件が起きたからです要約すると「あはき(あんまはりきゅう)系国家資格団体のお偉い様」が真っ黒なサングラスをかけて乗り込んできて
「整体師は無資格なのに偉そうにするな営業妨害だ100万円払え」とのニュアンスの恐喝事件(神奈川県戸部警察署で刑事事件保留中)が発生(動画音声あり)
その団体と構成員の治療家とは紳士的なのか?「無資格!」と罵倒する反社会的な感情的な人なのか?
■私からの被害届け取り下げの条件は
本人が反省していると警察から聞かされ、私もあんま鍼灸国家資格団体を犯罪者団体にする気もないので
「金輪際、民間資格の整体師を「無資格」と呼ばせないで下さい、目の前に現れないで下さい、嫌がらせ(ネット含め)をしない様にあなた方の国家資格団体で共有して下さい、その他法令遵守
』
とあります。
初めに私自身の体験談から。過去に職場で働いているときに恐喝を受けた経験があります。罵倒されて数分にあまり謝罪を要求され、更には職場に対して金品もしくはサービスを要求されました。このときは警察署から2名警察官が来て対応し決着しています。ですから恐喝というものがこの業界にはありえないとは考えていません。実際に遭った経験があるからです。だからこそ許してはいけないし、見過ごしてはいけない。その想いがあります。まして私もあはき業界の人間です。あはき業界団体の人間が恐喝行為を本当にしているのであれば、きちんと法の裁きを受けるべきだと考えています。本当にそうであるならば。
ただ一方でこんなことが本当に起きているのか?という疑問もあります。何だかんだで狭い業界ですからこのようなトラブルがあれば耳に入ってくるもの。またこの記事にあるThreads投稿の文面からはいくつか違和感を覚える箇所があります。他にも文字に起こすと以下の通り。
『
daikichi_seitai
先ほどのスレざっくりと貼ります
あんま鍼灸系団体から恐喝事件発生のお知らせ
恐喝事件が起き要約すると
「あはき(あんまはりきゅう)系国家資格団体のお偉い様」が真っ黒なサングラスをて乗り込んできて
「整体師は無資格なのに偉そうにするな営業妨害だ100万円払え」とのニュアンス喝事件(神奈川県戸部警察署で恐喝刑事事件保留中)が発生(動画音声あり)
しかしThreadsの中では「整体師はゴミクズ」「無資格野郎」「無資格」の言葉が飛っていたので加害者から周知徹底されていないのか?と思い投稿しました。2/2
』
『
daikichi_seitai
そもそも、そんなに「他人の職種を罵倒しない」という人間として最低限のモラルを守ることが、あなた方にとって困難な要求なのですか?
「レイプされるような格好をした被害者が悪い」というセカンドレイプの思考そのものであり、本質が完全にすり替わっています。
国家資格を持ち、大人としてあなた様も元役員という経歴がありながら、まるで整体師に対して何か劣等感でもあるかのような議論を並べるのはあまりにも見苦しいです。形式論で本質をはぐらかそうとしても無駄です。
実際に100万円を要求された動画・音声の証拠があり、警察が刑事事件として正式に動いている緊迫した状況下で(私が保留させている状態です)、現職役員である加害者本人が事実を認め、約束をしています。
』
まず私が感じ事は恐喝したという業界団体について。あはき業界団体は数が多くないのでだいたいあそこだろうかと予測がつきます。あの団体の神奈川県支部じゃないかと。しかしそこは公益法人のはずなので恐喝などするのだろうか?という疑問。厚生労働省とパイプが上部組織にはあるのでもっと別のやり方をするのではないかと。100万円を要求するというのも、私はあはき師という同業者の立場からすると、腑に落ちないもので、はたして無資格者だからという理由で100万円を支払えるものだと考えるのか?という疑問。実際に山形県ではあはき師が整体院企業に対して不正競争防止法違反で提訴した判例があります。業界団体役員なら裁判という手段をとるのではないかなと思うわけです。当然この判例を知っていると思うので。また真っ黒いサングラスというのも。サングラスをかけるような鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師を私は会ったことがありません。こんな、いかにも、という人物がいるのでしょうか。ただし過去に勤めていた職場に保健所職員が10名ほど乗り込んできた経験があるのですが、そのときは全員黒いスーツを着ていたのでサングラス着用というのもあり得ない話でもないのかなとも考えました。
一方で神奈川県戸部警察署という具体的な警察署名を出していますし、動画・音声の証拠もあるとしています。何より投稿主は顔も所在も氏名も公表しています。匿名アカウントとは異なり現実味があります。全くのでっち上げとも考えられません。ただ、だからこその疑問点があります。私も含めて本当に警察沙汰になった被害者というのは情報をSNSに掲載したりしません。事件当事者であるわけで、みだりに警察への対応状況を公表することは捜査上の問題が起きることがありますし、何より身の危険を感じるもの。警察署から口止めなどの注意は受けなかったのでしょうか。起訴されれば当然、刑事裁判になるわけです。被害届取り下げ条件を記載していますが、それを不特定多数が目に入るSNSに果たして投稿するのだろうかと疑問に思います。
そしてこの「びんぼっちゃま」さんのnoteが公開された直後に以下のような投稿が出ています。
『
daikichi_seitai >ノーサイド
今回の事件に関する一連の投稿ですが、お互いの意思確認ができ、無事に議論が終了いたしましたので、すべて削除いたします。
一般の方には鍼灸と整体の区別がつきにくく、これ以上の投稿は鍼灸業界全体のイメージに影響し、巡り巡って私たちが身を置く整体業界のマイナスにもなると考えたためです。
私は、それぞれの業界がそれぞれの場所で、皆様の健康のために健全に発展していくことを心から願っています。
温かく見守ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
』
刑事事件として捜査していたのを示談により被害を取り下げたということでしょうか。話は戻りますが、私は個人的に恐喝事件を許せないので、本当にあったのであれば司法による罰を受けるべきだと考えています。それが正直な感想として、勝手になかったことにして投稿も削除してしまうということに、納得がいかない気持ちがあります。事実であるならば業界内に情報共有して対策を講じることが必要であります。それこそ業界団体側が公表して。
私はこれまでに業界内の裁判や判例を多数紹介してきました。それに伴い、元々理科系大学を出た私にとって苦手な、法律を学び判例を読んできました。日本は法治国家である以上、法律によってのみ人は裁かれないといけないと考えます。SNS等のネット投稿で社会的制裁を認めてしまうとそれは私刑(リンチ)になってしまう。その点で今回紹介している「びんぼっちゃま」さんは弁護士を目指したという非常に法律に詳しい人。「びんぼっちゃま」さんからみたこの投稿への指摘を挙げていきます。
まずこちら
『
ポイント1:成否不明の「恐喝未遂罪」を既成事実として流布する不当性
発信者は「恐喝事件発生」と断定して流布していますが、現時点で恐喝をしたとされる業界団体側の役員(以下、役員個人)が逮捕・起訴されたという情報はどこにもありません。また、整体士本人が「(私が被害届を)保留させている」と述べている通り、現段階で刑事事件としての捜査進捗や立件の可否が公に確定しているわけではありません。法的に、相手を畏怖させる目的での「威圧的な態度」そのものが恐喝罪における脅迫行為(黙示の害悪の告知)とみなされ、同罪が成立する可能性自体は否定できません。
しかし、明示的な暴行や害悪の告知がない場合、その態度が「正当な権利行使の範囲(抗議)」なのか「刑事犯罪としての恐喝」なのかの線引き・判断は極めて困難を極めます。警察がすでに取り扱っている(相談を受けている)事案であるにもかかわらず、起訴前に「恐喝未遂罪」を真実として世間に流布することは、客観的な正当性がありません。実際、発信者のウェブサイトには、あはき法12条違反や、適法に医業類似行為を行う旨の表示を逸脱した広告(腰痛・肩こり・不妊治療の標榜)という明確な「不法行為(落ち度)」が存在します。これに対する正当な法令遵守の要求(是正抗議)という側面がある以上、司法の判断を待たずに現段階で「恐喝未遂罪が成立している」と世間に断定・流布するのはあまりにも早計です。
』
起訴前の段階で恐喝事件発生と断定していることは法的に認めらないだろうという主張。法律専門用語が多数登場するので完全に理解しがたい部分があります。「不法行為」とか「是正抗議」という文言を初めてみました。ただ私が抱いた違和感と同様に神奈川県警察がすでに相談を受けている事案であるにもかかわらず起訴前に恐喝未遂罪が確定しているような投稿内容はおかしいと述べています。
続いて。
『
ポイント2:約束(示談)の具体的内容と、そこにある「公私混同」
発信者は、相手方の役員個人と交わした約束(示談?)について、次のように言明しています。
「現職役員である加害者本人が事実を認め、約束をしています」この約束の具体的な中身は、「今後、その役員が所属する業界団体を通じて、当該整体師のことを『無資格者』として批判(罵倒)させないよう、業界内に周知徹底する」というものです(前掲の種市先生のツイート内スクショなど)。
ここで決定的なファクトと矛盾が浮かび上がります。示談の主体はあくまで「役員個人」であり、団体執行部(組織)が公式に関与・合意したわけではないことが整体士自身の口から明確に示されています。もし主体が個人であるならば、代表権や執行部の決議もない一個人が、組織全体を縛るような「業界内への周知徹底」を勝手に契約内容に盛り込むこと自体、役員の立場を利用した明らかな公私混同であり、権限を逸脱した無効な約束です。
法的にそのような権利は一個人に存在しません。つまり本件は、業界団体による組織的な恐喝などではなく、あくまで一個人の行為の域を出ないものです。そして個人の行為として恐喝未遂罪になるかどうかも判断が難しいことはポイント1で指摘のとおり。
』
恐喝したとされる業界団体役員個人の示談を団体および業界内への周知徹底と広げていることへの指摘。確かに被害届取り下げの条件を不特定多数が閲覧できるSNSに投稿することの違和感とともに、その要求が業界団体及び業界全体に及んでいるというのは理屈に合わないと感じます。
「びんぼっちゃま」さんが指摘する3つ目のポイント。
『
ポイント3:私的トラブルを「業界団体の犯罪」へ飛躍させる名誉・信用毀損の不当性
以上のファクトを繋ぎ合わせると、本件の本質は「一役員個人の不適切な言動(とされる行為)と、それを受けた個人間の実効性のない私的な約束」に過ぎません。発信者の発言をそのまま受け止めるならば、今回の事態は「(個人と交わした)無資格と呼ぶなという約束が業界内で周知されていない」という、完全に個人間の私的な不満・摩擦です。にもかかわらず、組織としての公式な合意や関与の事実もない段階で、いきなり主語を最大化し「あんま鍼灸系団体から恐喝事件発生」と流布した行為は、深刻な問題を孕んでいます。特定の団体名を巧妙に伏せることで、個別の法人からの名誉毀損による法的措置(提訴)のリスクを回避しつつ、「あはき業界(国家資格者全体)=恐喝を行う反社会的組織」であるかのような虚偽の印象を世間に植え付けているからです。
個人間の私的摩擦という事実を、組織的な犯罪へと意図的に飛躍させ、関係のない大多数の国家資格者全体の社会的信用を著しく傷つける行為は、正当な表現活動の域を完全に逸脱した悪質なプロパガンダ(印象操作)であると言わざるを得ません。
』
一個人から恐喝を受けたという行為から示談(?)になったという私的な問題において、主語を大きく「あんま鍼灸系団体から恐喝事件発生」と称し、我々のあはき業界全体が恐喝を行う反社会的組織であるかのような印象をSNSを通して植え付けたという指摘。まさに私が抱いた懸念であり、本当に恐喝が行われていのであれば司法の判断により罰を受けないといけないですし、今後の反省と再発防止のため公表されるべきだと思います。あはき学生に教える立場もある私は重要な事例として情報共有する内容です。一方で万一そのような事実が確認できなかった場合はとてつもないあはき業界に対する悪質な印象操作になります。むしろあはき業界が訴えるレベルの。
不特定多数が閲覧できるSNS(Threads)に被害にあったと投稿するだけして、ノーサイドと一方的に終わりにして削除する。投稿した以上は責任を持ってもらいたいというのが私の感想です。繰り返しますが恐喝事件にあった当事者として。また投稿を削除したから無かったことにならないのは現在の社会をみていれば分かること。示談が成立して被害届を取り下げになったのであればきちんと時系列で(個人は特定しないようしてでも)ことの顛末を説明してもらいたいものです。そして今臨床にいるあはき業界の人は知っておく事例。今回終わった(とされる)ことを蒸し返すように取り上げましたが、SNSで一定数投稿が読まれたケースなので出しました。
甲野 功
追記
紹介したnote主の「びんぼっちゃま」さんの主張を掲載しておきます。過去に起きた群馬県草津町の事例を出して意見を述べています。実際に何が起きたのかは謎ですが、法治国家である以上、法律や判例を根拠に議論することの重要性を感じます。
『
おわりに
発信者の整体士は、自身のウェブサイトに明確な法的不法行為(医業類似行為を行う旨の表示)という大きな落ち度がある点について正当な指摘・批判を受けると、性犯罪の深刻な文脈である「セカンドレイプ」という言葉を保身のために流用し、最後は一方的に議論を打ち切って対話を拒絶しました。
このように、自身の主張に対する客観的な疑問や論理的な検証の要求に対し、「セカンドレイプ(被害者バッシング)」という過激なレッテルを貼ることで、事実の究明から逃れようとする構図は、近年大きな社会問題となった「群馬県草津町の町長に対する虚偽の性被害告発事件(新井祥子元町議による冤罪事件)」の構図と完全に酷似しています。
草津町の事件でも、告発内容の決定的な矛盾や不合理さを突かれた側が、客観的な事実検証の要求を「セカンドレイプだ」「セクハラだ」と称して不当に敵視し、議論そのものを封殺しようとしました 。
しかし、その後の司法判断によって告発内容のすべてが虚偽であることが暴かれ、言葉を保身の盾にしていた側が刑事罰を受ける結果となっています 。
本件における整体師の言動も、全く同じ歪んだ論理に基づいています。
本当に「団体として恐喝をした」という確固たる根拠があるのであれば、名誉毀損などのリスクを恐れずに、該当の団体名を実名で書けば良いはずです。
または確固たる根拠があれば訴えられても請求は棄却されます。
それをせず、自身の法的な落ち度を指摘されたからといって、性犯罪の深刻な文脈(セカンドレイプ)を自身の保身やリスク回避のために都合よく流用し、団体名を伏せたまま業界全体への誹謗中傷や印象操作を続ける姿勢は、あまりに見苦しいと言わざるを得ません。
SNS上の感情的なレッテル貼りに惑わされず、こうした客観的な法律(あはき法)、ガイドライン、そして社会的な実例に基づいたファクトベースの視点を持つことが、物事の本質を見極める上では極めて重要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
』
コメントをお書きください