開院時間
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昨日は<第2回あましのかいのあましのみかい>が開催されました。平仮名だと分かりづらいので漢字にすると「あましの会あまし飲み会」となります。「あましの会」によるあん摩マッサージ指圧師らの飲み会というもの。
厚生労働省管轄の国家資格免許『あん摩マッサージ指圧師』。最低3年間の勉強・練習を認可された養成施設(専門学校、視覚支援学校、大学)で行い国家試験受験資格を認定された者が、年に一度、2月の最終土曜日に実施されるあん摩マッサージ指圧師国家試験に合格したら得られます。技術はもちろんのこと、医学知識の習熟が求められます。解剖学、生理学、病理学、リハビリテーション学、臨床医学総論、臨床医学各論といった現代医学知識に東洋医学概論、経絡経穴概論といった東洋医学知識、あん摩マッサージ指圧理論という専門理論、加えて公衆衛生学や関係法規といった科目も国家試験で出題されます。なお国家試験は筆記試験のみ。実技は各養成施設で習得し卒業認定試験を合格することが必須です。
あん摩マッサージ指圧師という長い名称は「あん摩(按摩)」と「マッサージ(massage)」と「指圧」という3つの異なる技術を学ぶことを意味しています。按摩は中国から、マッサージ(massage)はヨーロッパから日本に入ってきた技術で、指圧は様々な技術が融合して日本で誕生しました。本来、技術も理論も歴史も発祥も異なる3つの技術をまとめて国家資格になったのがあん摩マッサージ指圧師です。外から見るとどれも手や指を使って行う“マッサージ”と思われてしまいますが、あん摩マッサージ指圧師のいうマッサージ(massage)は違います。指圧も“親指で押すのが指圧でしょ”と世間に思われているかもしれませんがあん摩マッサージ指圧師の指圧はそのように単純なものではありません。それぞれに細かい流派があります。それは養成施設の特色にも出てきます。
按摩師は古くから我が国で視覚障害者(かつて盲人と言われた)の生業として楽器奏者と並び根づいてきました。昭和の中頃までは視覚障害者をアンマと呼んでいたといいます。歴史的背景から視覚障害者が視覚支援学校であん摩マッサージ指圧師になるための勉強をして資格をとります。一方、視覚障害のない晴眼者は専門学校に入学して資格を取ります。私は専門学校であん摩マッサージ指圧師になりました。視覚障害者向けに国立の筑波技術大学があり、ここでもあん摩マッサージ指圧師を取ることができます。厳密にはあん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格が認定されるということですが。これら養成施設によって得意な技術が異なることがあるのです。例えば神奈川衛生学園専門学校なら後藤流按腹術や結合織マッサージ、日本指圧専門学校なら浪越指圧、長生学園なら長生術、東京医療福祉専門学校なら吉田流按摩といったように。私の母校である東京呉竹医療専門学校でも呉竹指圧やスウェーデンマッサージというのを教えます。
あん摩(按摩)とマッサージ(massage)と指圧。視覚障害者と晴眼者。そしてそれぞれの技術流派。誰がやっても同じでしょうと思われているかもしれませんが、中に入ってみるとあん摩マッサージ指圧師の世界は多様性があります。ここら辺を私は何年も調査しているのですが、分類するとかなり複雑です。按摩の揉捏という技術でも視覚障害者と晴眼者で違うという話もあります。更に母校の呉竹学園はまた独特な揉捏を学びます。
あん摩マッサージ指圧師を略称で「あマ指師」とか「あマ指」とか「あまし」と表記することがあります。頭文字をとって平仮名にする。そう「あましの会」はあん摩マッサージ指圧師の会という意味です。今年に入り、有志による「あましの会」が発足しました。発起人が日本指圧専門学校卒の足達晃大先生、長生学園卒の鈴木恭平先生、㈱クロスリンク代表の矢野敦子氏の3名です。当事者の私がいうのがあれですが、これまであん摩マッサージ指圧師による横の繋がりが鍼灸師に比べると希薄でした。互いのことを知らず、知ろうとせず、長生術?後藤流按腹術?関西伝統指圧?何それ、という感じで同業者ですら他のことが分かっていませんでした。昨年「あましフェス2025」が開催され、かなりの数と各学校卒業生が一堂に会し、交流が行われました。そして今年5月には「あましフェス2026」が熱海で開催され、技術面を含めて交流が進みました。
また晴眼者側は視覚障害者側のことをあまり理解していません。一緒に接する機会がないと知る由もないというか。「あましの会」が始まり視覚支援学校で勤務していた先生や視覚障害のある先生もイベントに参加するようになりました。同業で仲間であるはずの視覚障害のあるあん摩マッサージ指圧師のこと。そのことを学ぶ場にもなりつつあります。
そして昨日、「第2回あましのかいのあましのみかい」が中華料理店で行われました。1月の新年会、3月のキックオフパーティーと学会参加、5月のあましフェス2026に続いて。時期的に学生さんが期末試験前ということとあましフェスへの参加があったせいか、参加人数はいつもより多くなかったです。私は学生さんの一人と会が始まる前に喫茶店で経穴の勉強をしました。それくらい試験期間という時期です。参加者が13名で、私が初対面という方が1名でした。何年も前から知っている先生から今年に入ってイベントでご一緒させてもらった先生。今回が初めてという先生は一人だけだったので顔見知りばかりという感じです。
そうなると新鮮味がないように感じるかもしれませんが、昨日の会はまた違ったものでした。
進行の鈴木恭平先生の挨拶で始まった会。メンバーがそろった中盤で自己紹介タイムがありました。氏名、出身校、どこで開業している・働いているか。そしてこの仕事で楽しいと感じるとき。これらを一人ずつ話していく。席順の関係か私がトップバッターでした。前回のパーティーでもこのような場がありましたが、今回はそれより人数が少なく密度が高いので少し長めに話すことにしました(前回は素早く次にまわさないといけなかったので)。私の場合、一人を除いて全員面識があったので基本的な情報(氏名、出身校、勤務地、所得資格)の他にあん摩マッサージ指圧師としてのポリシーと、なぜあん摩マッサージ指圧師(だけではないのですが)になったのかを話した上で臨床で楽しいと感じることを語りました。話すというより語る。親交が長い方にはよく知っている内容ではありますが。鍼灸師、柔道整復師、専門学校教員免許も持つ立場であん摩マッサージ指圧師としての自分は何か。どんなあん摩マッサージ指圧師で在りたいのか。そういった信条を今回はスピーチしました。
最初の私がこんな感じで自己紹介というより所信演説、スピーチみたいなことをしたせいで流れができたのか。次々と出席者の心根が語られていきました。最初に書いた通り同じ資格でもバックボーンが想像以上に多様です。出身学校も違えば職歴も異なります。一人一人の考え方やこだわり、エピソード。私にとって初めて聞いたという内容がたくさんありました。飲み会特有の、盛り上がりましょう!とか自身のセールスといったものではない。人生訓のような深い部分がエピソードとともに語られている。あん摩マッサージ指圧師のみの先生。鍼灸も持っている先生。専門学校学生にこれから専門学校に入ろうというプレ学生。あん摩マッサージ指圧師ではない方。それぞれのストーリーがありあましの世界に対する想いが出てきました。
美味しい料理とお酒を飲んでわいわい。そういう雰囲気ではなく建設的な議論の場という感じがしました。私は体質的に酒が飲めません。実はいわゆる酔っ払いというのが嫌いです。酒が入れば許されるという態度や大きな声を出すというのが嫌です。それでも飲み会に参加するのは貴重な社交場だからです。今回は前回以上に前のめりな空気でした。様々な才能(タレント)が集まり、個々ができることをやっていこう。「あましの会」で始まっている動きがあります。
「あましフェス2026」を終えて、一段階上がった感じがしました。時代が動く、動いている予感です。
甲野 功
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