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~人の歴史をみる~

夏休みをとって8月13日と14日に母校東京理科大学舞踏研究部の合宿に参加してきました。一番の目的はシャドウコンペの審査をすることでした。

 

シャドウコンペとは競技ダンス部である理科大舞踏研究部の夏合宿における伝統行事で、本来男女ペアでダンスをして競技をするところを、一人で(ソロで)踊って順位をつけるイベントです。
出場対象は1、2年生であり、運営を3年生、補助や手伝いを4年生が行い、審査員をOBが行います。

 

毎年、有志のOBが合宿に参加してコンペの審査員を引き受けるのですが、今年はモダン(スタンダード)専攻のOBが私だけでした。
社交ダンスはモダンとラテンに種目が分かれており、学生競技ダンス東部ブロックでは明確に専攻種目が分かれるシステムのため、基本的に専攻種目ばかり練習して、専攻していない方はあまり練習しません。今回OB9名でジャッジをしましたが、8名がラテン専攻、1名がモダン専攻という大きな偏りが出てしまいました。この状況ですとモダン専攻の2年生は私がどのような審査をするのか、とても大きい意味になります。

 

昨日、コンペは無事終了し、今年も涙ありの熱い戦いがありました。

毎年ジャッジをしていると、人の歴史が見えてきます。
本部席で審査員を担うOBが現役生の頃に、彼らのコンペをジャッジしました。1年生、2年生と学年を重ね、大会運営で忙しく働いている姿も、最上級生となった4年生で後輩を見守る姿も。そこからから更に卒部して社会人となり、私と同じ立場になって現役生を審査する側に立つ。

 

選手として出場している2年生も同じように1年間の成長という歴史が見えます。去年、何が何だかよく分からない感じでコンペに出て早々と予選落ちしていた選手が1年後、目まぐるしい成長を遂げて決勝に残る姿。昨年同様決勝に残って優勝する選手。


また運営側として昨年このコンペに出場し、今年は運営側で司会を担当した後輩は、閉会式の結果発表で感極まって泣いてしましました。色々思うことがあったのでしょう。

 

今年の1年生は男子が4名と、とても少なく男性部員が過剰傾向の理科大には異例のこと。反対に1年生女子が17名と私が知る限り最高出場数。去年の1年生女子が2名しかいなかったことからしても、異常事態に近いありさま。そのため、1年男子では予選ごとに1名が落ちていく残酷なシステムとなり、1年女子は大激戦となりました。
毎年のことですが、閉会式で審査員側から選手をみると、多くの1年生が悔しさを滲ませた表情。

またここから、彼ら彼女らの歴史が始まるのです。

 

 

ずっと続けているこの経験は、今の仕事にとても役に立っています


西洋医学(現代医学)は病気をみる、東洋医学(伝統医学)は人をみる

と表現されることがあります。人をみるという“みる”には様々な意味があります。
見る、診る、観る、視る、看る
東洋医学が単に病気をみるだけではない、全人医療と言われる所以です。その中にその人の歴史をみるということが大切です。

 

交通事故で怪我をした、感染源となる蚊に刺されて感染症を発症したといった、原因がはっきり分かる急性疾患は別として、治療院に来る方のほとんどの症状はその人の歴史、これまでの積み重ねの先にあります。そして、患者さん自身がそのことに気付いていません。ですから問診票には記載してくれないので会話しながら読み取ります。


学生時代に野球をしていた。幼少期に喘息だった。若いときに帝王切開をした。こんな出来事が現在の症状に関係していることがあるのです。EBM(根拠に基づいた医療)に対するNBM(患者の物語に基づいた医療)という概念と同じです。NBMは患者さんのこれまでを踏まえて医療をしていこうというもので、東洋医学に近い考えた方ですね。

 

臨床現場で、その人の背景と症状を組み合わせて考え、指摘したり改善提案したりします。
それができるようになったのは、部活動に携わりながら自然と時系列で人をみる訓練ができていたからでしょう。過去を踏まえて現在をみる。すると未来も想像できるので、先を踏まえた処置ができてきます。
点ではなく線で人をみることを部活は教えてくれています

 

甲野 功