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~心の飢餓~

世界食料デー月間ということで飢餓について考えてみたいと思います。ただし、いわゆる飢餓ではなく、精神的な飢餓についてです。

 

現在の日本では、まず餓死という状況は起きないでしょう。飽食の時代と言われており、大量の食べ物が廃棄されています。
経済的に困窮していても安い食材はそれなりにあります。恥を捨てれば、スーパーやデパ地下の試食、コンビニや飲食店の廃棄物を拾う、などして飢えをしのぐことがでるでしょう。
私自身も子供の頃ですが、あまりにお腹が空いて、当時ビックリマンチョコというお菓子の付録のシールを抜いてチョコを捨てるということが流行っていたことがあり、捨ててあったチョコを食べて飢えをしのいだ経験があります。
今の日本では、幸いなことに水が清潔で公園で十分な量を飲むことができますから、これだけでも発展途上国よりずっと恵まれています。

 

もちろん台風や大地震のような大災害に見舞われた場合は考えられますが、数日我慢すれば食料が手に入ります。極端な話、戦争が勃発すれば餓死はあり得るかもしれません。それを言い出したら全てifです。

 

そんな日本でもお腹が空かない飢餓、すなわち栄養飢餓というものは存在するようです。偏った食生活のため、必要な栄養素が摂取できない状況です。菓子パンやお菓子ばかり食べている。お腹は減らないが、成長期に適切な栄養が足りないため問題が生じる子供がいます。大人でも生活習慣病になる原因となります。

 

食料が無い本来の飢餓に栄養飢餓。これに加えて「心の飢餓」というものがあるのではないかと考えます。

それは最近、こども食堂の存在が目に入るようになったからです。


色々な地域でこども食堂が誕生し、私の住む新宿区でもいくつかのこども食堂が存在しています。区営の施設に子供と訪れるとチラシを見るようになりました。


こども食堂と聞いて、私は当初、
子供の貧困に関連して収入が困難な家庭の子供に食事を安くもしくは無料で提供するもの
だと認識していました。ところが、存在を知ったときに、自らの経験から、
食事を提供するより環境を提供するべきではないか
と考えました。

 

私が子供の頃、大人に言われました。人は寂しくなると食欲が増すと。孤独だと食事で誤魔化そうとするのは何となく分かりました。
共働き家庭で育った私は小学生の頃、成長期ということもありましたが、とにかくお腹が空いてお菓子でも食事でも沢山食べていました。いわゆる鍵っ子で、午後一人家にいるとき、冷蔵庫のチーズや海苔、ときに味噌までも口に入れていました。
友達の家に遊びに行ったときにお母さんが家にいて、おやつを出してくれるという環境に驚いたものでした。

 

家庭にお金が無かったわけではありません。共働き家庭でバブルの時代です。
食べ物があったとしても、心が満たされなかった。寂しかったのだと思います。


こども食堂と聞いて、むしろこの新宿区では共働き世帯で寂しい思いをしている子供に、栄養バランスの良い、皆でとる食事を提供する方がいいのではないか、と思ってきました。


そこで、最近ネットに出ていた記事を見て、考えが整理できました。

湯浅誠 「こども食堂」の混乱、誤解、戸惑いを整理し、今後の展望を開く

これによると、こども食堂には便宜上、共生食堂ケア付き食堂に大まかに分けられると湯浅氏は言います。内容を抜粋すると以下の通り。

 

共生食堂
貧困家庭の子たちだけを相手にするわけではない。そうでない子どもたちも、そしてまた大人たちにも、来てほしい。多くの人たちがごっちゃに交わる交流拠点のイメージ。
みんなでわいわいやりながら、食卓を囲み、思い思いに過ごす、寄り合い所のイメージ。

 

ケア付き食堂
たとえば貧困家庭の子に学習支援を行う無料塾がある。行政や学校の紹介で子どもたちが通い、教師経験者や大学生など一定のノウハウを持つ者が対応する。それの食事版とイメージすると、わかりやすい。無料塾が学習面での相対的落ち込み(格差)を挽回するために行われるように、食事面・栄養面での相対的落ち込みを挽回するために開かれる。そして、一緒に食卓を囲むことを通じてつくられた信頼関係を基礎に、家族のこと、学校のこと、進路のことといった子どもの生活課題への対応(課題解決)を目指す。

 

こども食堂として最初に思い浮かんだのがケア付き食堂のイメージで、私が必要と考えたのは共生食堂に近いものだったわけです。
記事にあるとおり、元々共生食堂のイメージで始まったのが、子供の貧困問題と結びつきケア付き食堂のスタイルも現れ、同じ「こども食堂」の名称で混在しているのが実情のようである。


記事を読んで合点がいきました。

 

私や家族が住む東京都新宿区という場所は、大犯罪が身近にある場所。都内23区で単位面積当たりの犯罪発生率ワースト1位。それも限られた地域で頻発している。アジア一の繁華街と言われる歌舞伎町を有する新宿区。

 

子どもが不良化するのに、

つっぱる→髪を染める→タバコを吸い始める→補導→登校拒否・退学

といった、はた目から見て分かりやすい経緯があります。新宿区ではこの過程を踏まないことがあるのです。


外目には優等生が、突然覚せい剤に走る。

黒髪の女子学生が売春をする。

そういう状況があり得る地域。少し歩いただけで住む世界が変わることを、経験上知っています。

携帯電話が普及した現代ならば、昔よりも更に子どもが犯罪に巻き込まれやすいし、表に出づらいことでしょう。

 

子どもが犯罪に巻き込まれないようにするために、地域で楽しく食事をとる場が必要だと思うのです。心が飢えたときに、それを満たしてくれる悪い誘惑がそばにあるから。


世界食料デー月間に関連して食事環境についても考えてみました。

 

甲野 功

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