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~32回卒論発表会に行ってきました~

昨日のことですが、母校東京医療専門学校代々木校舎にて
第32回鍼灸マッサージ教員養成科卒業論文発表会
が行われました。


今年も昨年と同様、事前に抄録を入手した上で足を運びました。参加する時間を取るために、患者さんには予約をずれていただきご迷惑を掛けました。それでも実りある経験でしたので、患者さんたちにフィードバックしていきたいです。

 

今年の発表者は教員養成科33期生。私は教員養成科30期ですから3期下になります。

東京医療専門学校の教員養成科は2年制で、1年生時に上級生の卒業論文発表会を聞く側、質問する側として参加します。その翌年に自らが研究した内容を発表します。私は卒業後もこの発表会を毎年聞いているので、29期~33期までの発表を聞いてきました。


当然ながら、発表する皆さんとは面識がほぼありません(一人だけ元職場の関係で挨拶したことがある方がいましたが。)それでも毎年発表会に足を運ぶことで、たくさんの気付き、新しい知識と発見、交流があります。
事前に抄録を読むことで研究内容を予習できること、同じ環境で研究してきたはずなので発表者に親近感がわくという特長があります。そして、前年度の発表を踏まえて追研究といえる発表が毎年あるのも楽しみです。同じ、もしくは近いテーマを新しい手法、新たな視点で次の学年が研究し発表する。継続して発表を聞くことで流れが見えるのも興味深い点と言えましょう。

 

今年も気になったポイントを挙げたいと思います。

 

パフォーマンスアップに関する研究が多かった
3年後の東京オリンピックを見据えているのもあるのでしょうが、スポーツ分野での鍼灸などの刺激を介入することでパフォーマンス向上できるか、というものが幾つか見受けられました。私自身の卒業研究テーマが、鍼通電刺激によって垂直跳びの数値が向上するか、という能力アップに着目したものでした。


また、リハビリ分野での高齢者転倒予防に対する実験もありました。
スポーツでも予防でもそうですが、鍼灸や徒手手技によって、外傷・疾患といった普段よりマイナスの状態を通常のゼロに戻すだけでなく、パフォーマンスアップしたプラスの状態に持っていけないか、というのは私の大きな命題です(具体的には社交ダンス、競技ダンスのパフォーマンスアップなのですが)。


こういった実験研究の報告を聞くと新しい方法を臨床で試してみようと心躍ります。

 

被験者の絞り込みがされていた
実験をする際に被験者を集めることは大きな課題です。サンプル数(N数)が少ないとどうしても実験価値が下がってしまいます。N数は多いに越したことはありません。しかし、適正な被験者を集めることはとても困難です。私自身の経験でも、鍼を受けて垂直跳びをしてくれる被験者を集めるのは大変でした。とにかく参加してくれる人ということで、20代から50代まで、男女同数になるようにお願いしたものでした。


それが今年の実験では最初から被験者を絞り込んでいるものが多かったのです。ある競技で一定レベルに達した選手のみ。ある疾患の既往歴がある人のみ。このような研究対象をきちんとスクリーニングして実験を行っている例がいくつかありました。こうすることで、より実験結果に重みが出ます。私自身、在学時もしもスポーツ経験者のみを対象に実験をしたら、どのような結果になっただろうか、と思い返しました。


一般性を持たせるために幅広い範囲で被験者を集めることも大事なのですが、研究主旨を踏まえて敢えて被験者を選別することもまた大事。手間を惜しまず集めたことは素晴らしいと感じました。

 

在校生のバックボーンが凄い
事前に抄録に目を通したときに、どうやったらこんな実験ができるのだろう?というものがありました。
専門的な医療器材を使ったもの、学校では到底不可能な環境下でのもの、どのコネで被験者を集めたの?というもの。発表者のこれまでの経歴を聞いてみて納得したものでした。このような人材が鍼灸界に、そして教員養成科まで進んでいるのだと驚きました。凄い人がたくさんいるのだな、と思いながら発表を聞いていました。

 

新たな知識
鍼灸の世界は広い、まだまだ知らないことばかり、と今年も思いました。3月で鍼灸師になって10年目になりますが、発表会は初めて聞く言葉、技術、を知る機会でした。
恥かしながら、赤羽幸兵衛が創始した地熱感度法というは初耳でした。そのようなものがあることすら知りませんでした。
また、教員養成科を卒業してから知った三焦鍼法という手法も、今年の研究発表に取り入れられていて、新しいワードやトレンドを知る機会になります。発表のたびに座長の先生が補足解説してくれますし、質疑応答でベテランの講師が説明しながら質問してくれることで講習会の一面もあります。

 

新しい視点
毎年のことですが、私には思いつかない発想で研究をしているな、というテーマに出会います。今年ですと、現代医学的観点であるデルマトームと東洋医学的観点である経絡を実験によって比較しているもの。五行説分類と心理学の恋愛タイプに相関があるか。このようなテーマは私にとって思いもよらぬものの見方、考え方。視野が広がりました。
また、今年の吸い玉(吸角)の実験報告を聞いて、治療院で導入しようと思いました。それまで臨床でも授業でも使ったことがありましたが、いまいち跡が残るのが好きになれませんでしたが、今回の発表で新しい用途がありそうだと感じました。発表会に足を運ばなければ設備投資しようとは思わなかったでしょう。

 

昨年も同じような内容の記事を投稿しましたが、今年も大きな収穫がありました。これから鍼灸界で活躍していく鍼灸マッサージ教員養成科33期の皆様お疲れ様でした。

 

甲野 功