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~山登りに強い娘~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 長女と高尾山へ
長女と高尾山へ

 

 

先週の木曜日に長女と高尾山薬王院で精進料理を食べてきました。これは長女が通う保育園の卒業親子遠足の企画で薬王院の宿坊にて、親子で精進料理を食べる企画で実現したもの。保育園児と園職員、園児の親が高尾山に向かいました。当日は自宅のある新宿区ですら雪が舞う寒さ。保護者LINEグループで「今日は決行するのですか?」と質問が飛ぶ天候でした。中止という知らせは無いので各自、高尾山薬王院を目指しました(当日現地集合)。新宿駅京王線乗り場に集まる家族は待ち合わせて、電車に乗り京王高尾山口駅に。そこから歩いてケーブルカー乗り場へ。日本最大傾斜角度を誇るケーブルカーに乗って高尾山中腹まで10家族程で移動しました。

ケーブルカーを降りると霧の中。細かい雪が降っています。視界は10mくらいでしょうか。ここまで何も見えない、そして人が少ない高尾山は初めてでしたミシュランに掲載されてから世界的な人気観光地になった高尾山。私もこれまで何度も訪れましたが、このような高尾山は見たことがありません。茶屋、売店もほとんど閉まっています。雪と風が強くないのが助かりますが、保育園児にはつらい天候でした。本当ならば素晴らしい景色が見えたはずなのに。

ケーブルカーが終わると薬王院まで歩くことになります。うちの娘は前々からやる気満々でした。本人は山登りに強いと信じていますし、私もそのようにおだててきました。娘の父方の祖父、つまり私の父は登山家レベルの山好きです。日本百名山を全て制覇し、海外の山にも挑戦。若いころは雪山で遭難し救助隊に助けられたり、頂上で盲腸を発症し激痛に耐えながら自力で下山したり、と武勇伝を持っています。その父の息子である私は、物心つく前から山登りに連れていかれて、どの山を登ったのか記憶にないくらい山に行きました。小学校卒業まで父との山登りは続き、ただただ苦行だった思い出です。それでも高校に入ると入りたかった水泳部は学校にプールが無いことを知り、山岳部に入部するくらいには登山が好きではありました。

 

長女にはそのような経緯を今よりも小さいころからよく話して伝えていました。そして昨年の保育園お泊り保育のこと。長野県女神湖に泊まった際に山登りをしたそうです。後で知りましたが、それまで連れていくことが無かった、園児が歩くには困難な場所だったらしいのですが、今年は男の子が多かったので連れて行ってしまったそうです。その山登りでは先頭グループで歩き、他のお友達の手を引っ張ってあげて助けたそうです。お泊り保育が終わり迎えにいったとき、保育園の先生が、普段の様子からは想像できない山登りに強かったと話してくれましたそのとき、やはり遺伝なのかな、と思ったのです。おじいちゃんもお父さんも山登りしていたから、生まれつき山歩きに強いのかもしれないね、と娘に話しました。おだてると調子に乗るのが子供の特長。それからは、私は山登りに強いと安直に信じるようになりました。去年の11月に家族で新潟に行ったときに、少し山道を登ったときでも、調子よく登っていきました。それを見て確かに山に強いかもしれないと感じました。

 

高尾山の親子遠足が決まってからは、勝手に誰よりも速く登ると意気込んでいたようで、薬王院まで舗装された道ということもありますが、どんどん走って進んでいきます。他のお友達がついていけなくてもお構いなしに先に行くのです。こちらは傘を差しながら走って追いかけることに。幸か不幸か悪天候で人が居ないのでどんどん走って進めます。途中、男坂・女坂という二つの道があります。男坂は距離が短いが急な石階段。女坂は緩やかな坂で距離が長い坂。それが偶然にも女坂の道が工事のため通行止め。きつい階段の男坂しか選択肢がありませんでした。その階段もみるみる登っていく娘。近所を歩くときにはすぐ疲れたといって抱っこしろというのに(もう春から小学生、、、)。走って追いかけながら、普段からこれくらい自分で歩いてくれよ、という愚痴と、なぜ山になるとここまで元気に動けるのか?という疑問が心にありました。先に進みすぎるので止めて後ろのお友達を待つように指示するほどでした。

悪天候でなければ精進料理を食べて解散後に頂上を目指すか、帰りは徒歩で下山する選択があったのですが、ケーブルカーで降りることにしました。娘に感想を聞くと今度は高尾山を登りたいと話していました。山歩きに自信を深めたようです。山登りに才能があるかは定かでは無いですが、何か人より優れていることがあると実感できることは大切でしょう。自己肯定感と言いますか。私も中学校時代、学校行事で金時山に登ったのですが、サッカーやバスケットなどで活躍する同級生が山登りになると歩けなくてグダグダになっている姿をみました。球技全般、どれも得意なものがない私は山登りになると自分の方が強いのだと知り、体育授業時の劣等感が薄まった記憶があります。

 

普段は特に役に立たない山登りに強いという能力。本物かどうかは別として娘の気持ちが前向きになって輝けるならば、今後もおだてて伸ばしていきたいと思います。

 

甲野 功

 

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