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~アフター「鍼灸の日」・鍼灸受診率を上げるために 悪いイメージを受け入れる~

4月9日「鍼灸の日」

 

大きなイベントを行い、これまでより世間に鍼灸が届いたと思います。

それを点に終わらせず線に繋げるために何ができるのか。

それを考える、第二弾。

 

鍼灸業界は鍼灸の持つ「悪いイメージ」を受け入れる。これを考えてみます。

 

鍼灸を経験したことのなり人には「痛くて熱くて怖そう」というイメージが一般的ににはあります。はっきり言えば悪い印象を持たれています。この世間一般のイメージに対して過剰に反論する鍼灸師がいますが、そこをちょっと待ってみて、と提案したいのです。

 

「鍼って痛そう」(一般の声)

「それだからダメなんだ!鍼は痛く無くて素晴らしいもの!なぜ良さが分からないのだ!(怒)」(鍼灸師)
みたいなやり取り。

 

鍼が痛そうというイメージ、それは当然です。体に針が刺されば痛いに決まっています。
灸が熱そうというイメージ、それはそうでしょう。草に火を付けて皮膚の上て燃やせば熱いことは間違いないです。
これらのイメージは人間が生物として持つ正しい防御本能であり、これまでの経験から学んだことです。パッと見て大丈夫そうと思う方が普通におかしいことです。

 

それに対して、
鍼灸師が
針ではなく鍼を草ではなく艾(もぐさ)を、使用して、
習得した技術を持って行うと
思ったよりも痛くないし熱くないし怖くない
ということを理解してもらいたい。

 

大事なことは、まず世間一般の鍼灸に対する「痛そう、熱そう、怖そう」のイメージを受け入れてみる。ひとは自分の意見を真っ向から否定されると反発したくなります


痛くない?注射は痛いじゃないか、根性焼き(死語?火のついたタバコを皮膚に押し付けること)はどうなんだ、となります。すると、鍼は注射針と違うしお灸は根性焼きと全く違うだろう、と鍼灸師の応酬。不毛です。

 

まず「そうですよね、鍼灸は痛いとか熱いイメージがありますよね。」と受け入れる。傾聴というやつです。その後に、鍼灸師側の主張をする。これはどうでしょうか。

 

私は鍼が初めての人に「痛いですか?」と聞かれると「そりゃ痛いですよ」と答えます。
「尖ったものが皮膚に刺さるわけですから。ただ鍼は細いので痛点という痛みを感じるセンサーより小さいですから触ったときにチクっとした感覚はあっても注射のような痛みは無いと思いますよ。」と続けます。

 

そして実際に鍼をすると、ほぼ全員が「全然痛くない」と言います。


この「全然痛くない」という言葉は「(思っていたよりも、想像していたよりも)痛くない」ということです。鍼初心者には切皮痛も響きも区別がつかないですし、最初から痛いはずと思って身構えていれば「痛くない」という感想にだいたいなります。たとえ、痛み(のような刺激)があったとしても許容範囲で収まり「痛くない」になります。
反対に「鍼が痛いはずないだろう!」という態度で行えばちょっとでも刺激を感じたら「ほら痛いじゃないか、この嘘つき!」となります。


鍼灸師が学生時代から経験してきた失敗した鍼の痛みと未経験者が感じる痛みは別物です。鍼灸師にとってこんなの痛みに入らないだろうと捉えていることが、患者さんにとっては大きなことになりかねません。

事前に痛いというイメージを受け入れることで患者さんのハードルが下がりマイナスなのが、普通のゼロであるだけで評価はプラスになります。効果が出れば大きなプラスになるのです。


私の患者さんで周りに鍼治療は痛くないと伝えてくれている方がいますが、その患者さんも当初はマッサージだけで鍼は痛そうだから嫌だといって鍼を受けていませんでした。それが、実際に鍼を受けてみたら印象がガラッと変わって周りに宣伝してくれるようになりました。もしも、鍼は痛くないからやってみろと無理強いしていたら、こうはなっていないと思うのです。

 

それに鍼灸師には絶対に痛くない熱くない鍼灸の技術を持っているわけです。鍉鍼(刺さない鍼)や円皮鍼を薦める、棒灸で皮膚から離して行う、などいくらでもやりようがあります。こちらの話を聞いてもらえるように前段階を作ることが必要でしょう。

 

鍼灸未経験者の負のイメージを受け入れる。そもそも未経験者は鍼灸を受けたことが無いので心に浮かぶものを述べています。不安です。
実際に鍼灸を受けて痛い・熱い経験をした人は実際の体験がありますから恐怖です。
恐怖は対象があるから別の対象(体験)で変えることができます(鍉鍼や棒灸のような別の手段)が、対象がない不安はそうは行きません。実体験を伴っていないから、まず相手の不安を受けいれることが大切だと考えています。

 

「痛そう、熱そう、怖そう」というイメージがあるから鍼灸受診率が上がらないのだろう!という意見があるかもしれませんが、実際には嘘です。臨床経験が長くなれば気づきますが、イメージが悪くとも鍼灸を受ける環境が揃えば鍼灸治療を受診します


例えば私が娘の親子スキーに行ったとき、鍼は絶対嫌だと言っていた保護者は結局鍼を受けました。不安を取り除き、デメリットを極力減らすことで受けさせることはできます。
学生競技ダンス選手限定の美容鍼モニターを募ったときも15名が鍼未経験者でしたが鍼を受けました。無料という経済的損失がないこと、美容という興味、ダンスという共通点、などによって最初は怖いと思っていた女子学生達が大切な顔に鍼を刺されていました。

 

実はイメージが悪いから鍼灸を受診しないのではなく、受ける理由が無いから受診しないのです。痛そう、熱そう鍼灸と関わないための言い訳に過ぎません。そこまで世間は鍼灸に興味がありません。

 

世間に届かせるために多くの人間が力を合わせて4月9日にイベントを行い、成功させました。その世間に鍼灸の存在が届いたとしたら、次は受診させるための障壁を取り除きます。

そこに良くないイメージがあるのは確かならば、それを受け入れた上で次の提案をした方がいいと思います。人によって鍼灸を神聖視しすぎて、鍼は痛そう、灸は熱そう、という声を頭ごなしに否定するようなところがあります。それでは興味を持った世間は引いてしまうのではないでしょうか。

 

「痛いですよ。でもね、やってみると思っている以上に痛くはありませんよ。」
このセリフを使うとマッサージ目的の方にも鍼を受けて入れてもらいやすいです。

 

甲野 功

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