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~補足・競技ダンスに陰陽論 男女の役割~

以前、競技ダンスに陰陽論というブログを書きました。その中で自分で書いおきながら、少し納得いかないというか補足説明が必要な個所があったので追記で書きます。

 

競技ダンス(社交ダンス)においては男性をリーダー、女性をパートナーと呼びます。陰陽で分けるとリーダーが陽、パートナーは陰としました。これは男女の陰陽で分けた考え方になります。男性は一般的に力が強く体格も大きく、外で働くイメージであるから陽。反対に女性は一般的に男性よりも力が弱く体格は小さく、家で家事をするイメージであるから陰。現在では必ずしもこのようなイメージにはならない場合も多いのですが、従来の陰陽論ではこのような陰陽の分け方になります。


そのためリーダーを陽、パートナーを陰と書いたのですが、競技ダンスの役割で考えると男女の陰陽が逆転してリーダーが陰、パートナーが陽になります
そのことと虚実、補瀉についても説明していきます。

 

競技ダンスにおいて、
リーダーが幹、パートナーは花もしくはリーダーが額縁、パートナーは絵画
などと称されます。華やかな部分を担うのはパートナーの役割で、パートナーを輝かせるのはリーダーの役割です。陰陽で考えるとパートナーが陽、リーダーが陰となります。


東洋医学では概ね陰の方が陽よりも重要でありますが、競技ダンスにおいても重要度はリーダーの方が高く、リーダーが上手であればパートナーをかなりの部分引っ張っていくことができます。そのためリーダーはパートナーの3倍練習しないといけない、と言われるくらいです。

 

衣装やメイクにおいてもパートナーは華やかな色合い、多彩な形から自由にドレスを選ぶことができます。髪飾り、イヤリングなど装飾品も豪華です。対してリーダーはレパートリーが少なく、スタンダードならば原則燕尾服で色もほぼ黒のみ。ラテンは若干レパートリーがありますがパートナーのドレスほど多くはありません。そもそもパートナーより派手な衣装のリーダーなど基本的に見たことがありません(芸能人がテレビ番組のために着ている衣装くらいしかありません)。

 

またリフトという相手を持ち上げる技があるのですが、一度もパートナーがリーダーを持ち上げているところを見たことがありません。20年以上に渡り一度もです。当然持ち上げる方が下ですからパートナーが陽、リーダーが陰ですよね。

 

競技ダンスにおける男女の役割でとても重要なことは男性が導いてステップや進路方向、構成を決めること。ですから男性をリーダー(leader)と言います。場合によってはパートナーがリードすることもありますが、原則リーダーが行います。

 

つまり陰の力が重要であるということ。これは東洋医学(東洋思想)に繋がる考えです。

 

東洋医学では陰陽のバランスが崩れると対象を崩し病に至ると考えます。同じことが競技ダンスにおいても言えると考えています。

 

虚実(きょじつ)と言って、エネルギーが足りない状態を虚(きょ)、余計なエネルギーが余ったり滞ったり邪がいる状態を実(じつ)と東洋医学ではいいます。
陰陽であてはめると、陽実・陽虚・陰実・陰虚の4パターンに大まかに分けられます。細かくはもう少しありますが簡単にするためにこの4つのみで考えます。


競技ダンスに当てはめると
陽実:パートナーがやりすぎてカップルバランスが悪い
陽虚:パートナーが花になり切れず目立っていない
陰実:リーダーが前に出過ぎてリーダー本位になっている
陰虚:リーダーは踊れていなくてガタガタ
という感じです。

 

細かく説明しましょう。

 

競技ダンスでいう陽実はパートナーがでしゃばり過ぎている状態。

リーダーのリードを無視して自分勝手に踊っている。前回名前を挙げた私の同期である伊從彰造プロ。学生時代は日本一に輝く名選手でしたが、サンバを苦手種目としていました。理由は「パートナーが暴走するから」でした。実際にある競技会で、パートナーがリーダーから離れて勝手に進んで踊り続けてしまい、伊從がダンスを止めて迎えに行きリバースロールという身体を密着させる技から再開させようとしました。ですが時間切れで音楽が終わってしまい、フロアー上でパートナーに怒っている姿がありました。改めて言いますが二人は学生日本一になる名カップルです。それほどのレベルでもパートナーが暴走すると手に負えないわけで、典型的な陽実状態でした。

 

陽虚はパートナーが動けない状態。

いわゆるパートナーが下手。リーダーの動きについていくだけもしくはついていけない状態。華やかに見せなければいけないのですがリーダーのリードについていけないわけです。単なる技術不足という意外にも筋力不足、表現力不足なども理由に挙げられます。パートナーとしての大事な役割ができていない状況。下級生パートナーのカップルや実力差がありすぎるカップルに見られ、よくある光景と言えます。

 

陰実はリーダーがやり過ぎている状態。

ラテンですとリーダーが目立とうとし過ぎてパートナーを大切に扱っていない。リーダーの方が男性で筋力・体力があるのでパートナーを無視してアピールしてしまうことが往々にしてあります。タイミングもパートナーがついてこられないスピードにしたりするわけです。

スタンダードですとリーダーが振り回し過ぎてしまう。外回りのパートナーの事を考えないで大きく動きパートナーが吹っ飛んでしまうような状態。これも割とよく見受けられる光景ですね。

 

陰虚はリーダーが踊れていない、リードできていない。

これが一番悲惨で一番勝てないパターンです。どれだけ上手なパートナーが組んでもある一定レベルの力がないとまともなダンスになりません。

 

これらは前回陰陽論で説明したように、相対的な関係です。普通のレベルのパートナーでもあまりにパートナーが上手すぎてリードしきれないならば陽実になりますし、その逆もまた然り。カップル間のバランスが重要です。


東洋医学では陰陽のバランスを整えることが治療に繋がると考えますが、ダンスにおいても陰陽を調整することが大事です。

東洋医学には補瀉(ほしゃ)という考えがあり、
弱った状態にエネルギーを与えることを補(ほ)、その方法を補法(ほほう)と、
余計なエネルギーを取ってあげることを瀉(しゃ)、その方法を瀉法(しゃほう)と
呼びます。


つまり実の状態には瀉法を施し、虚の状態には補法を施すことが必要なのです。

 

これを競技ダンスにおいても同じ考え方ができて、
陽実のカップルには陽への瀉法、つまりパートナーを抑えてリーダーのリードに従うようにさせ、
陰実のカップルには陰への瀉法、つまりリーダーにパートナーが動きやすいもしくは輝けるように工夫させる、
ということができます。

虚の場合はどちらも上達させる補法です。ダンスでの補法は一般的な指導なので特に難しくはありません。

 

大事なのは競技ダンスに瀉法という考えを入れること

 

下手な方を上手くさせようと思いがちなのですが、やり過ぎてバランスが崩れているならばそれを抑えた方がいい場合もあります。
私は東洋医学を学ぶ前は、とにかく何でもプラスに足し算で考えていました。もっと技術を、もっと筋力を、もっと動いて、などと。その足し算理論ではうまく行かないことが出てきたのですが、当時はよく分かっていませんでした。
余分なものを省く引き算が必要なこともあると気づいたのが陰陽論を学び、虚実や補瀉を知ってからです。


後輩のダンスを見るときも陰陽論で4パターンに当てはめてみると、とても分かりやすくそして対処法もすっきりとします。
競技ダンス選手は陰陽・虚実・補瀉をもとにダンスを考えると良いのではないでしょうか。

 

甲野 功

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