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~競技ダンスに陰陽論~

競技ダンス、および学連(学生競技ダンス連盟)に関わってきていますが、本業は鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、など治療をメインにしています。


人より特殊なことは身体の知識があること。そして東洋医学を知っていること
人体についての造詣は医師や理学療法士、はたまたトレーナーなど私より遥かにある方が多いでしょう。鍼灸師には東洋思想という特殊なものの見方を持っています

 

東洋医学の基幹をなす東洋思想。その基本中の基本が陰陽論です。


陰陽論とは簡単に説明すれば、万物は陰陽に分けられると考えること。全ては陰陽に分けられる、陰陽のバランスが崩れると人体に影響が出る。だから陰陽バランスを整えることが治療に繋がる。こういった考えが根本にあります。

 

そこで東洋医学を勉強する前から携わる競技ダンス。


それを考えるときに、陰陽論を通して視ると色々気づくのです。先の春東都戦(学生競技ダンスの大会)を会場で観て色々学ぶことがあったのですが、陰陽における気づきが多々ありました。
競技ダンスにも陰陽論は使える。独特の見方になるでしょうが何かと便利ですので紹介してみましょう。

 

陰陽論を改めて簡単に説明しましょう。

 

陰陽論とは万物を陰と陽の2種類に分けることができるというもの。ただしそれは相対的な関係で、絶対ではありません。二つを比較してどちらが陰に属し、片方が陽に属すということ。なお「左右」ですら陰陽に分けますから、少々無理やりなところもあります。少し優しい目でみてください。

 

陰は、暗い 下 重い 中心 などが入ります。
陽は、明るい 上 軽い 外側 などが入ります。
何となくイメージで分かるかと思います。

 

競技ダンスにあてはめると、リーダーは陽・パートナーは陰、スタンダードは陰・ラテンは陽となります。ドレスでは黒色は陰・白色は陽、音楽ならば長調は陽・短調は陰という感じ。イメージで陰陽に分けたらこちら、ということです。
なおこの話をするとパートナーが陰のはずがない、暗くないだろう、と怒るひとがいます。確かに衣装はパートナーの方が派手です。しかし筋肉量や男女の陰陽を考えるとこの分け方になるのです。(※ダンスにおける男女の役割については陰陽が逆になります。後日ブログを追加しました。~補足・競技ダンスに陰陽論 男女の役割~


捕捉しますと、東洋思想では、だいたいにおいて陰は陽より立場が上です。「陽は陰の使いなり」といって陰に分類されるものは陽より重要なことがほとんどです。大切なものは奥に隠して下っ端が外で守る。そのようなイメージがあります。

 

陰陽の区別は繰り返しになりますが、絶対ではなく相対的です。ラテンは陽としましたが、ラテン種目のみでみればチャチャ(C)サンバ(S)は陽、ルンバ(R)パソドブレ(P)は陰に分類されるでしょう。陽中にも陰陽があり、陰中にも陰陽があります。スタンダード分類の種目内でも同じです。

 

ここからスタンダード・ラテンに分けて論じてみましょう。

 

スタンダードの場合、踊り方に陰陽が出やすいと考えています。
ロアーを深くしどっしりとした重厚感がある踊り方は陰に属し、軽やかに浮遊感を持たせた踊り方は陽。このように感じます。そうなるとヒートで流れる曲によって、各選手のダンスが曲の陰陽に合う合わないがあります。
春東都戦でも、ある選手がある種目において、上半身をよく動かし陽のダンスをしていました。1次予選は明るい陽の曲が流れていて、見ていて「曲にはまって」いました。ところが、2次予選では重厚な陰の曲が流れて曲とダンスが噛み合っていない。これはカウントがずれているわけではなく、「はまっていない」感じでした。この選手は2次予選で敗退しました。準決勝に行けると思っていたのでこの敗退はもったいないと感じました。

 
反対に、ある別の選手のある種目では、踊り方とヒートで流れる曲の陰陽が一致していた感じがありました。その選手は準決勝まで残りました。

 

結果に当てはめているだけと言えるかもしれませんが、競技ダンスが芸術活動であると考えると、当たらずも遠からずではないでしょうか。なお決勝に残る上位の選手は曲の陰陽にしっくりくるようなダンスをしているものです。どの曲でも違和感がない。

 

 

ラテンの場合、表現の陰陽がはっきりすると考えています。
明るくアドリブを入れて外に外にアピールするダンスは陽。高い集中力で周囲の視線を自分に集中される吸いこむような表現は陰。そう分類しています。


素晴らしい陽のラテンを観た客はうきうき楽しく高揚します。

圧倒的な陰のラテンを観ると、観客は固唾を飲んでフロアーに集中します。

種目の陰陽的にも、C,Sでは陽のラテンをする人が多く、反対にR,Pでは陰のラテンを見せる人が決勝では多かったように思います。

選手においてもベースが陽の選手・陰の選手と、区分けがスタンダードよりはっきりしている気がします。リーダー(男性)、パートナー(女性)ともに陽の陽・陽カップルもいれば、双方が陰の陰・陰カップルもいます。互いが陰・陽でうまく分かれているカップルもいます。


一見、陽の方がラテンは有利と思われがちですが、陰を極めると圧倒的な集中力でフロアーの視線をくぎ付けにして、むしろ外にエネルギーが発散していきます。東洋思想では「陰極まれば陽となる」といって陰陽転化という状態です。
その具体例が私の身近にいました。

 

伊從彰造。学生時代、夏全と称される学生最強を決める大会で理科大史上初めてラテン総合優勝した私の同期です。今はプロダンサーとしてスタジオを構えています。
彼は学生時代に「笑わなくたって勝てるのだよ」と話していました。ラテンはもちろん競技ダンスにおいて笑わないというのはあり得ない選択肢です。1年生の最初に言われる初歩も初歩のことです。
しかし、彼は確かに競技中にほとんど笑いませんでした。それと同時に「目の強さは集中力の強さ。笑うことより目を強くすることを考える。」とも言っていました。


彼は3年時の招待試合に分類される大会はほぼ優勝(ラテ新、皐月、東部ジュニア、松前、ツバメ。秋理工は欠場)。今の学生が使う表現でいうと無双状態でした。確か優勝を逃したのは天野杯だけだったはずです。そのような偉大なチャンピオンが話す言葉を、当時の私は<このレベルだと言うことが違うな>と半ば呆れてきいていたものです。

 

今振り返ると彼は典型的な陰のラテンでした。得意種目はR,Pで一番の十八番はR。C,Sでもほとんどアドリブを入れずどちらかというと淡々と踊る印象でした。しかし集中力と技の的確性、ベーシック技術がとても高い選手でした。見ていて吸い込まれる感じでした
学生最後の大会となる4年生の夏全は、まさに「陰極まれば陽となる」ダンスで、同期として彼のダンスをよく知っていましたが、あのようなダンスは見たことがありませんでした。圧倒的な集中力が染み出しているような、ノリノリになるより押し黙ってしまうようなダンスでした。

 

 

治療院には学連選手は多数訪れて、その多くは競技会で勝ち上がりたいために来ます。
そのときに身体的なことはもちろんのこと、陰陽的な話をすることが多いです。それは踊り方、表現だけなく、カップルバランスでも個人の筋肉の上下の付き方などにも言及します。根本には陰陽論があり、陰陽のバランスを整える、外部環境に陰陽を合わせるという考え方がベースにあります。言葉を選んでいますが、結構選手は????という感じになるようですね。

 

競技ダンスに陰陽論を入れて考える。それだけで少しダンスが変わると私は考えています。

 

甲野 功

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