治療時間

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~箱根ガラスの森美術館の取り組み~

あるとき本屋で目に留まった書籍「愛の言葉 箱根ガラスの森美術館のひみつ」。

 

ガラスの森美術館には何度も訪れていて、とても好きなところ。昨年は紫陽花の名所ということでこのブログでも紹介しました。

気になって本を手に取ると、帯には「リピーター率50%!なぜまた行きたくなるのか。」の文字が。

それを見た私は
リピーター率50%は大したことないな、ディズニーランドのリピート率の方が遥かに上だな
と思ってしまいました。

 

しかし、すぐに思い直しました。
ガラスの森は“美術館”だった!美術館でリピーター率50%は凄い数字なのでは?

と。

 

すなわち私の中では東京ディズニーランドと同格にガラスの森美術館を扱っていたわけです。そう考えるとガラスの森美術館が他とは比較できない存在であると気づきました。仕事がら企業研究の本とかが好きなので買ってみることにしました。
すると客側としてみていたガラスの森美術館を、運営側からの視点で知ることができて色々な勉強になったのでした。

 

まず箱根ガラスの森美術館とは。
箱根の仙石原にあるベネチアンガラスの美術館です。とにかくお洒落でガラス展示以外の楽しみがたくさんあります。初めて訪れたのは20代前半か半ばだったと思いますが、とても気に入って何度も足を運ぶようになりました。
特に紫陽花の花が咲き乱れるこれからの時期は素晴らしい光景で、紫陽花好きも相成ってファンになりました。なお私自身の結婚披露宴ではウェルカムボードにガラスの森美術館で撮った写真を使用しました。

 

園内はどこもとても清潔で綺麗に保たれています。清潔感は東京ディズニーランドに匹敵します。そこがディズニーランドと同列にしている理由の一つでしょう。

園内の風景は幻想的と言えるくらい綺麗に作りこんでいます。映画に出てくるような洋館に水車。整備された庭。花がたくさん咲いていますが池には鴨がいてガラス作品が自然と一体化して展示されており、動植物と人工物が一体化した庭になっています。谷の下には川が流れ、遠くには大涌谷の噴煙が見えます。ガラス細工のお店は複雑な造りになっておりガラス専門店の規模。商品が展示になっているかのよう。水車のある小屋には砂糖を使わないジャムが売っています。レストランでは生歌のカンツオーネが聴くことができます。

 

美術館というより複合施設、ベネチアンガラスのテーマパークといった雰囲気です。

東京の美術館とは佇まいが異なる自然と調和した癒しの場という感じ。私には、美術館に行くという感覚が全く無いのです。美しい風景と美味しい食事、綺麗なガラス作品を見に行くところなのです。その理由が本を読んでよく分かりました。

 

まず運営がレストランを経営する「うかいグループ」で、完全私営美術館であり公的な補助金に頼っていないうこと。母体がレストランであるから食事のレベルが高いのは納得です。
そして館長はデパートで企画展をしてきた方。既存の美術館らしくないのはこのせいでした。あくまでも利益が出る(出す)美術館であること。それが他の美術館とは一線画すものである理由であります。

 

この本を読むと美術館業界のことが分かります。
美術館が儲けるのは悪であると言う慣習。
公営であれば例え赤字でも廃業せずにいられる(営業努力をあまりしなくてもよい)
大企業の文化活動である場合は美術館があることが目的となっており採算度外視であることも
新聞社がスポンサーとなって美術品が全国を回るような企画にしないと採算が合わない。
このような現状があるそうです。

ガラスの森美術館は完全に独立した私営美術館であるため、自らの資本で美術品をはじめ商品を買い付けしています。敢えてこう表現しますが「お客」をよぶために日々企業努力を惜しまない姿勢があるのです。

 

箱根には他にも美術館が多数あります。彫刻の森美術館、箱根美術館、成川美術館、ポーラ美術館、ラリック美術館、岡田美術館、星の王子さまミュージアムなどが主だったものでしょうか。小規模なものを入れればもっとあります。箱根の施設は色々行っています。
しかしながら、挙げた美術館で私がリピートして行ったのは彫刻の森美術館と箱根美術館だけです。彫刻の森美術館は小学生の頃一度行ったことがあり、自分の子どもが生まれてから幼い子どもも遊べる施設があるのでまた行きました。箱根美術館は庭園が美しいから妻が行ってみたいということで再度行きました。どちらも美術館に行きたいとリピートしたわけではありません。
他にも一度は行ってみましたがまた行こうとはなかなか思わないのが現実です。

 

美術館の多くは一度行けばもう十分というものだそう。確かに私もそう思います。そう簡単に展示内容を変えるわけにはいかないでしょう。一点が億単位のものも珍しくないでしょうから。そのため常に変化し続ける美術館というのは理想であり、とても困難だそうです。
それをガラスの森美術館は20年に渡り変化し続けたのです。前回来た時と変わっていることでまた行ってみたいという気持ちにさせてきました。

 

料理に関してもガラスの森美術館は高い水準を保っています。
運営がレストラン経営をする企業であるから得意分野であるのでしょう。当時3歳の娘を連れて行ったときも、娘は美味しくパスタを食べていました。更に食事中に生歌のカンツオーネが始まると、パスタを口から垂らしながら聞き入っていました。食事が美味しいと家族や友人を誘いやすいわけです。なかなか美術館など趣味が合わないと一緒に行こうとは思いませんもの。
また砂糖を使わずメープルシロップで甘みを出しているジャムも絶品です。ガラスの森美術館で初めてキウイのジャムを試食したのですがとても美味しくて驚いた記憶があります。人に勧められるお土産として即買いました。
多くの美術館のレストランや出している食べ物はおまけという感じがありますが、ガラスの森美術館では独立した店舗であり、来場目的になり得る力があります。そのことは運営側も力を入れていることが本から伝わってきました。

 

美術館という枠組でありながら、美術作品・展示以外にも様々な魅力を用意してリピーターを増やしているガラスの森美術館。そして清掃や接客など当たり前のことを高いレベルで日々こなすことで美術館であることを忘れてしまうほどの施設にする。
治療院経営をする上でも参考になることがたくさんあります。治療行為が一番重要なことですが、他にも魅力を作り来る理由をいくつも作ることでリピーターが増えるということ。基本をしっかりやっていくこと。お客としての視点と運営側の視点と両方から見ることで学ぶことができました。

 

ガラスの森美術館がある仙石原はかつて箱根エリアでも栄えていない場所だったそうです。箱根湯本、宮ノ下、強羅、芦ノ湖などがゴールデンコースだったと。確かに私が幼少期に箱根に行ったときには通らなかった場所でした。
それがガラスの森美術館の成功により、後に星の王子さまミュージアム、ラリック美術館、ポーラ美術館が建ち美術館エリアとして名前が知れ渡るようになったと言います。
地域を、人の流れを、変えるだけの力を持つことに驚きました。

 

一人のファンであり、目指す施設の一つがガラスの森美術館です。

 

甲野 功

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