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~週刊文春の記事~

今や「文春砲」という言葉が一般になった感じがあります。芸能界や政財界などのスクープする週刊誌、週刊文春。


私はこれまで一度も手に取ったことが無いのですがマッサージはこんなにあぶないという見出しの記事が掲載されたということを知って、生まれて初めて購入してみました。
私はマッサージのプロですから、どのような意図でこのような業務妨害のような見出し記事が出たのか確認しなければなりません。

 

<週刊文春 8月30日号 ㈱文藝春秋発行>

 

問題の記事は以下のようなものでした。
「マッサージはこんなにあぶない 
笹井恵理子(ジャーナリスト)
●肩こり、腰痛改善目的で骨折は寝たきりに
●接骨・整骨院によるマッサージに要注意ほか

 

 

 

この手の記事は数ヵ月から1年に一回くらいのペースで目にします。それは私が業界のニュースに敏感であるからでしょう。何年か前にも新聞に出た同様の記事について詳しく触れたことがあります。

~新聞記事その1 無資格~

~新聞記事その2 マッサージとは?~

~新聞記事その3 医業類似行為~

~新聞記事その4 なぜトラブルは起こるのか~

 

今回も前半はいわゆる無免許マッサージの危険性について書いています。

 

改めて整理しますが、わが国には<あん摩マッサージ指圧師免許>という厚生労働省が管轄する国家資格があります。厚生労働省が認可した養成機関で最低3年間勉強と技術を積んだうえで例年2月末に行われる国家試験を合格する事で取得できる資格です。


ところがこのあん摩マッサージ指圧師免許を持っていない人が、お客さん・患者さん・クライアント、呼び名は様々ですが、不特定多数のひとにマッサージ行為をして仕事にしています。


リラクゼーションサロンや整体、○○療法など。疲労回復を目的とした慰安行為については総務省の職業区分にてリラクゼーション業ができたので一応問題ないと考えられていますが、いわゆる治療目的としたマッサージ行為はあん摩マッサージ指圧師免許がなければ違法になります。

しかし実質守られていない状況にあります

 

記事でも触れていますが、無資格で施術を行っている人の主張は、昭和35年の最高裁の判断で『処罰の対象となるのは、人の健康に害をおよぼす恐れのあるものに限定される』としたことを、正当化の理由としています。実際にこの裁判では無資格者が有罪になっているのですが、無資格でも健康被害の恐れがなければ施術をしても大丈夫という解釈を産んだと言えます。この件は詳しく書くとキリがないので省略しますが、問題となっている無資格者マッサージの大元と言える裁判です。

 

文春の記事によれば、国民生活センターの調べによると徒手手技(器材を使用しない健康増進や治療目的の施術)における健康被害の件数は増えており、昨年度(2017年度)には300件を超したといいます。

 

 

健康被害の増加については前々から一部問題になっているのは確かで、それを報じる記事も過去に出ていますし、業界団体も対策を講じているとの情報が入っています。

 

私が注目したのは、今回の記事で接骨院(整骨院)でのマッサージ被害について言及していることなのです。

 

これまでの無資格者のマッサージ問題は、国家資格を持っていない民間資格者によるマッサージ行為に焦点を当てていました。「無資格」という表現は「厚生労働省が認可する国家資格を持っていない」という意味で使うことがほとんどです。つまり国家資格取得者側からの表現と言えます。

 

言い方を変えると、鍼師、灸師、柔道整復師、理学療法士といったあん摩マッサージ指圧師以外の国家資格を持っている人がマッサージを行うことについては触れてこなかったのです。それがこの記事では、柔道整復師が整骨院で患者さんにマッサージをすることは危険、と書いているのです。


記事の文章を抜粋すると
しかし本来、柔道整復師も、巷にあふれる無資格者と同様にマッサージを行ってはいけない
とあります。

 

 

この点に触れたことは、私はとても重要だと考えています。ついにここに触れてきたか、という感じです。

 

柔道整復師の本分は、急性外傷(いわゆる怪我。捻挫、打撲、挫傷、骨折、脱臼など。)の(手術を伴わない)応急処置にあるのですが、応急処置が終わって、回復期に、落ちた身体機能を戻すための「後療」と称してマッサージ行為をすることがあります。それが転じて<マッサージありき>になってしまっている。


そもそも柔道整復師を養成する専門学校の授業には、マッサージを行うカリキュラムは(厚生労働省からの通達上)ありませんマッサージ行為は柔道整復師にとって本来管轄外なのです。厚生労働省はそのような事を柔道整復師に求めていません。

しかし現場ではマッサージばかりやらされるということが往々にしてあります。

 

私はあん摩マッサージ指圧師であり、柔道整復師でもあります。整骨院、整形外科があるクリニックの勤務経験があります。そこで出会った柔道整復師免許のみを持ったスタッフは「なぜマッサージをしなければならないのか」、「揉み屋で終わりたくない」と不満を漏らしていたものでした。
つまりやりたくないことを嫌々やらされているという心境なのです。
これでは事故が起きる可能性が高くなるわけです。技術力、資格云々の前に資格免許を取った専門家のはずなのに、業務管轄外のことをやらされているという不満を持った上で、患者さんを触っているのですから。

 

またリラクゼーションサロンやマッサージ店と違い、整骨院には高齢者の来院率が一般的に高くなります。骨粗鬆症の進んだ高齢者と働き盛りの青壮年では、圧を入れたときの危険度が大きく異なります。繰り返しますが柔道整復師の学校では骨折の勉強はしてもマッサージの授業はありません。ただでさえ健康被害が起きやすい患者層ですから問題視されるのは仕方がないでしょう。

 

反対に、昨今は整骨院が外傷を診る場所からマッサージ院、整体院になってしまっている所が増えています。そのせいか外傷を扱う気が無い、名前だけの(保健所登録上の)整骨院であったり、専門学校もマッサージを教えて本分である外傷治療をきちんと教えない所もあったりするのです。
その原因は保険請求が厳しくなっているのと専門学校が増えすぎた弊害があるのですが、細かくはここでは書きません。

 

今、整骨院の在り方はこれまでのものと大きく変わってきています。
最近、千葉県の整骨院で無資格者に施術をさせたということで院長、名義を貸した柔道整復師、実際に施術をした人間の3名が逮捕されるという事件がありました。このことは今までは考えられないことでした。
そして今回週刊文春というメジャー雑誌で「整骨院のマッサージは危険」という内容の記事が出ました。
この2つの件が短期間に起きたのは凄く注目することです。

 

整骨院業界に対して風当たりがとても厳しくなっていることを実感します。整骨院の問題は裏に色々な矛盾、複雑な状況が背景にあるのですが、あん摩マッサージ指圧や鍼灸にも関係してくることなので、今後の展開が気になります。

 

甲野 功

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