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~講義再現 「あまし師」、そして「あはき師」~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 セミナー中の様子
セミナー中の様子

 

先日8月4日にあん摩マッサージ指圧及び鍼灸を学ぶ(通称、本科の)専門学校生向けにあん摩マッサージ指圧(略して、あまし)の技術セミナーを行いました。ことの経緯や当日の様子、終了後の感想などを前回書きました。

 

そこではセミナーの内容を書きましたが、座学部分を省略しました。そこを改めてまとめて書いておきます。

 

当日話した内容を編集してまとめております。本セミナーを通して、この部分は私のこだわりやスタンスが出ているところであり、学生さんには少々こちらの主張を押し付けている面もあります。その点を考慮していただければと思います。

 

座学部分の講義を文章にしてみました。

 


スペシャリストとゼネラリスト
「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」という言葉を知っていますか?


経済の分野でよく使われるのですが、医療でも用いられることがあります。
「スペシャリスト」は何かの分野に特化した専門家。医師で言うと専門医にあたります。
「ゼネラリスト」は広く分野を横断して診ていけるひと。総合診療医にあたるでしょうか。

 

我々の世界でもこの2種類のタイプがあると思っていて、鍼灸とか腰痛とか美容とか、何かの分野に専念して突き詰めるひと。それはスペシャリスト。
複数の方法や幅広いジャンルに目を向けているのがゼネラリスト。

 

僕は自分のことをゼネラリストタイプだと思っていて、見ての通り院内の治療コースが多いのが特徴です。
何か一つを突き詰めてそれだけでやろうと考えず、いくつも手段を持って幅広くアプローチすることを信条にしています。

 

 

按摩・マッサージ・指圧の復習
学校で既に習っているかと思いますが、今一度整理してみましょう。

 

各手技の発祥はどこでしょうか?
按摩は中国、マッサージはフランス、指圧は日本。
試験対策的にはこのように覚えるでしょうか。

 

特徴を挙げると按摩は日本最古の法律といわれる大宝律令にもその名前が出てくる最古の国家資格ともいえるでしょう。
マッサージはかの”医聖”と称されるヒポクラテスもマッサージができた方がいいと言及しています。
指圧はアメリカ3大整体、カイロプラクティック、オステオパシー、スポンディロセラピーの要素を取り入れて創られました。

 

各手技の一番よく使う基本技術と独自のものはそれぞれ何がありますか?表を埋めてみてください。
按摩だと最も使うのは揉捏(じゅうねつ)で独自のものは曲手(きょくて)です。
マッサージだと軽擦(けいさつ)、強擦(きょうさつ)でしょう。
指圧だと押圧操作(おうあつそうさ)。独自の技術は意見が分かれるかと思いますが衝圧法(しょうあっぽう)としておきましょうか。


このように各々共通する技術もありますが、独自のものがあります。
似ているようで異なるもの。

 

 

●「あまし師」という資格
このように発祥も歴史も技術も異なる3つの技法を、素手で行うから一緒にしてしまう、とひとまとめにしてしまったのがあん摩マッサージ指圧師という資格です。略して「あまし師」。
なかなかすごい話ですよね。日本らしいというか。

 

そこでせっかく3つの技術を一まとめにした資格免許であるので、このことを活かして組み合わせる方法を今日はやっていきます。

 

授業では按摩は按摩、指圧は指圧と個別にやると思います。いわば点の授業。
点と点を繋げて線にしてみようということ。

 

指圧の母指圧迫に揉捏を入れてみる、強擦を使ってみる。
揉捏に押圧操作を入れてみる。
このような感じで基本技術を組み合わせることで臨床において効かせる圧を入れることができるのです。

 

あまし師といっても指圧一本でやっていく人、按摩のみでやる人もいらっしゃいます。


そこを僕は「あまし師」という資格があってわざわざ3種類習うのだから臨機応変に使い分けて組み合わせてやっています。
こういうところがゼネラリストタイプということですね。

 

 

そして「あはき師」へ
皆さんはあましだけでなく鍼灸も学ぶ本科の生徒。
将来、あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師の3資格を取るわけです。三療と言われる。
業界では三療を持つ人を、頭文字をとって、「あはき師」と呼びます。

 

大変ですが鍼灸とあましを融合した「あはき師」になってください。

 

卒業後に鍼灸をしなくなる方や、あましから遠ざかって鍼灸専門になる方もいます。
せっかく3つ免許が持てるのです。各資格のメリット、デメリットを理解して使いこなしてほしい。

 

あまし、また他の徒手療法全般も含めて、それらを鍼灸より下にみる鍼灸師がいます。鍼灸の方が高尚だと考える。
鍼灸の受診率が低いと嘆く鍼灸師がいます。
世間一般の印象ははっきり言って「鍼灸は痛い、怖い、熱い、怪しい」という取っつきにくいものです。
(世間の人が認識する)マッサージの方がはるかに手軽で受けやすい。

そのギャップがあるから鍼灸師は悩み苦しむ。

 

だったらまずはあましで患者さんの信頼を得て、それから、必要だから鍼灸もどうですか?と提案すればいい。
それができる資格を皆さんは取るのです。

 

また、あましと鍼灸を組み合わせて臨床に使うことができます。


按摩や指圧で体と心の緊張を取って一番の主訴に鍼をする。按摩指圧が従で鍼が主。僕はこの方法をよく使います。
メインの刺激は按摩指圧で硬さが残ったところにピンポイントで鍼をする。鍼が従で按摩指圧が主。これもいいでしょう。
鍼をした上で、全体的にオイルを使ったマッサージをする。このようなやり方も僕はします。

 

あましにだって補瀉の考えが適応できるし、経絡を意識して押すこともできるのです。

 

按摩、マッサージ、指圧の各々の技術を理解しておく。患者さんには好き嫌いがあります。

あましと鍼灸で得意なこと、不得意なことを理解しておく。


按摩とマッサージと指圧と鍼と灸。各技術を患者さんのために上手に組み合わせる「あはき師」を目指してください。
これは勝手な僕のお願いです。


 

 

本科は3つの国家資格を取ります。それも機材を用いる鍼灸と徒手で行うあまし。共通することもたくさんありますが、別物である二種類の免許。


加えてあん摩マッサージ指圧師と一括りになっているがこれまた3つの技術が別個にあります。単純に按摩、マッサージ、指圧、鍼、灸の5分野を習得しなければいけません。
特に鍼灸は千差万別で一人一流派くらい複雑で広い。

 

これだけのことをするのだから先は長く果てしないです

 

だからこそ遣り甲斐があって応用も効くものだと信じています。私はここ数年で東洋医学に、鍼灸に、本腰入れ始めました。資格を取得して臨床現場に出てから10年経ってから。それでも遅いとは思いませんし後悔もしていません。その分、あましを始め研鑽を積んできたことが他にありましたから。

 

今回のセミナーで出会った4名の学生さんがどのような道に進むかはわかりませんが、「あまし師」そして「あはき師」というものにイメージが持てたならば、資格取得後の姿が想像できるようであれば、それだけでも良かったと思うのです。

 

甲野 功

 

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