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~プレイヤータイプとマネージャータイプ~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ガラスの森美術館の紫陽花
ガラスの森美術館の紫陽花。ガラスの造形と生花の紫陽花が両方あります。

 

どの職種でも当てはまると思いますが、仕事をする上で人を大まかに2種類に分けることができるのではないでしょうか。

 

プレイヤータイプマネージャータイプです。

 

プレイヤーとはスポーツでいうところの選手。実際に試合に出て活躍する。
マネージャーは監督やサポートスタッフ。実際に試合に出ることはなく指導や育成を行い、試合においては指示を出す。

双方の関係は一般企業であれば従業員と役員。一般職と管理職。チームレベルでいえばチームの一員とチームのリーダー。

 

現場の最前線に立つのがプレイヤーで、現場から一歩引いてメンバーの管理や指導など間接的に現場を動かすのがマネージャー、と大雑把に定義したとして各々そこに向いている・適性があるのがプレイヤータイプとマネージャータイプと考えています。<タイプ>としているので性質や資質のような意味合いでとらえています

 

私の本業たる臨床家、すなわち患者さんに鍼灸、あん摩マッサージ指圧などを用いて治療をすることを生業とする業界では、その多くがプレイヤーでありプレイヤータイプが多いと思います。この道を選択するきっかけとして、ほとんどの人は「自分で患者さんに鍼灸なり、マッサージなりの施術を行いたい」という理由があるからだと思います。そしてそのことに憧れがありかつ苦にならない人。

 

もう15年くらいこの業界にいると、毎日数時間他人をマッサージしたり鍼灸をしたりすることに何の抵抗も困難も感じなくなっていますが、一般的には相当変わったことです。たまに一般のひとにマッサージ(正確には按摩と指圧ですが)を軽く教えたりしますが、30分も継続して行えません。すぐに疲れたといって諦めます。長時間施術できるというだけで一般人とは異なる能力です。

 

私の感覚ですと、何時間も料理をすることは苦痛でしかたありません。何時間もかけて何品も料理を作るひとの感覚が信じられません。

近所のネパールカレーの味を新大久保のスパイス専門店でスパイスを購入して自宅で再現した妻の行動は、私からしたら理解の範疇を超えているのです。「ちゃんとスパイスがあればできるわよ」と言いますが、食べただけで何のスパイスが入っているかなど私にはわかるはずもなく、常識のレベルが違いすぎます。

反対に私が2~3時間休みなく誰かをマッサージし続けることは妻には真似できないことでしょう。それに鍼灸やらリフレクソロジーやらオイルマッサージやら美容やらもやるのです。

 

つまり鍼灸マッサージ師は原則、施術することを苦に思わない、興味がある、乱暴な言い方をすれば<やりたがりな人>ばかり。プレイヤータイプが大半だと思います。むしろそうでなければ臨床の現場に立つのは難しいでしょう。

 

しかし患者さんに施術をするよりも人を育てたりサポートをしたりすることに面白さを感じる、やり甲斐を感じる、そちらの方が得意、という人も少なからずいます。私はそのような人たちをマネージャータイプと呼んでいます。

 

メンバーが複数人集まって組織が出来上がれば自ずとかじ取りをする人間ができてきます。完全に好き勝手にメンバーがやる場合もありますが、せいぜいプロジェクト単位で恒常的な組織運営(例えば鍼灸院を開業するなど)は不可能でしょう。自分を押さえて全体をみることができ、かつ良い方向に向かわせることができる人。リーダーとか院長とかの役割を担う人です。

 

私の経験上、マネージャータイプの人はこの業界に少なく(マネージャーの役職に就いている人はもちろんいますが)貴重だと思います


かく言う私自身も以前の職場では、グループ院における本院の副院長という管理職の立場に苦慮して職場を去った経験があります。下を育てる、経営面に主軸を置くという状況が耐えられませんでした。まだまだ学ぶことがあるし、人を教えている場合ではないし、患者さんに向き合っていたいという希望がありました。
そのような私の性分とは反対にチームプレーが得意で親分肌の同僚がいました。私は正直なところ職人肌で、棟梁になれませんでした。

 

マネージャータイプと言えば専門学校の専任教員がそうでしょう。鍼灸師になるべく学校に入学した学生を教育することが本業。
基本的に、臨床現場で活躍するために入った学生からすると学校しか知らず臨床の力がないと揶揄されやすい立場になります。反対に臨床で役立つことを伝えようとすると「国家試験に出ないことは話さなくていい」と批判されることもあるわけです。


プレイヤー志向の生徒からすれば開業して臨床現場の最前線にいる、週一くらいの頻度で実技を教えに来る非常勤講師の方が優れてみえてしまうもの。臨床現場に立つための基礎学力や基礎技術を教える専任教員のありがたみが分からないことも多いようです(教員養成科の同期や現役の先生方の話を聞くと)。


それでも教員が天職で学生を成長させることに生きがいがを感じ、生徒から慕われて尊敬されている先生もいます。このような方は本当にマネージャータイプなのだなと思います。

 

私は自分のことをプレイヤータイプだと考えています。しかしマネージャーの資質も必要不可欠であることも理解しています。

開業するということは臨床家(プレイヤー)でありながら経営者(マネージャー)にもなるということです。従業員だったときは、特に新人時代は、患者さんに向き合うことが精一杯でそれが全て最優先事項でした。自身が院長になるということは、患者さんからいただく料金を全額懐に入る代わりに、集客・広報・会計・運営・経営といったそれまで組織がやってくれたことを自ら行うことになります。自己プロデュースではないですが、他人の目で臨床家の自分自身をどう動かすか考えていかないといけません。

 

実際にやってみて臨床家(プレイヤー)としてのやり甲斐や楽しさとは別に、経営者(マネージャー)としてのそれらも知ることができるようになりました。最近は学生への指導や勉強会を主催するなど他人を育てるようなこともちょこちょこ始めています。

 

このような経験からもマネージャータイプの重要性をとみに感じています


鍼灸師というものは特に「自分が一番」という人が多いと思います。まあそういう人たちが集まるとも言えますし、開業権があるということでそうでないとやっていけない環境になっているとも言えますが。
だから自分のこと中心になりがちで、業界全体のことや組織を運営するということができる人が少ないと思うのです。私もひとのことは言えませんが。

 

これまでに何人か出会ったマネージャータイプの鍼灸師さんの価値をより感じるようになっています。


これまでの私は「いかに患者さんに感謝されたか、症状を改善させられたか、どれだけの人数を診てきたか」といった臨床家視点の指標ばかり。そこに「どれだけの鍼灸師をサポートしたか、鍼灸師を成長させたか、鍼灸師に感謝されたか、環境をよくしたか」という鍼灸師や業界全体に向けた指標を持つ方々。そういう出会いがここ数年でありました。

 

どちらが上でもないですし、どちらが重要とも言いません。ただこれから卒業して国家資格を取る今の学生さんに2つのタイプがあることを知ってもらいたい。もしくはいまいち今後の展望が見えていない鍼灸師にも。
マネージャータイプの資質があるのならば、それを発揮できるステージに移ることで能力を発揮できるかもしれません。その選択肢が頭の片隅にあるだけでも業界を去る鍼灸師の数が少し減るのではないかと考えています。

 

甲野 功

 

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