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~患者さんに救われる~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 患者さんに渡した紅茶
患者さんに渡した紅茶。言葉があることで重宝しています。

 

現在、日本はもちろん全世界(と言っていいでしょう)が新型コロナウィルスの影響を受けています。
数ヶ月後、1年後にこの文章を読み返したときに、あの時は大変だったなあと呑気に振り返ることができればと願うばかりです。

 

経済は停滞し多くの倒産する企業、廃業する個人が出てくるかもしれません。既にその影響は出ています。ひと月前に公立小学校、中学校、高校の休校要請で揉めていたことが嘘のようです。東京都をはじめ各都市で外出を控える要請が出ていますが、今後外出禁止命令に進むことが予測されています。

 

そんな2020年の3月末に改めて感じたことは、私は患者さんに救われているな、という想いです。また実感です。

 

患者さんに救われる。まず直接的な表現としてそうです。

 

幸いなことに今年1月、2月は開業して過去最高の売上でした。年始から中国で新しい感染症が出ているという報道がありました。2月には本格的に流行しています。その状況で普段通り、むしろ前年よりも多くの患者さんが頼ってくださいました。3月もこの外出を控える要請で幾つか予定が変更になりましたが、ぎりぎり昨年を上回り3月における過去最高の売上になりそうです。金銭面の話ですが、コロナウィルス流行の影響を受けることなくここまで来ました。

4月以降の環境がどうなるか予断を許さないですが、生活がひっ迫するような状況にはなっていません。本当にありがたいことです。

 

次に、一人の人間として私は患者さんに救われている、という感覚があります。

 

医療従事者だ、国家資格免許があるだ、と肩書を並べたとして個人開業している立場は人気商売に入ると私は考えています。シビアに考えて。
今の時代『鍼灸院』や『国家資格あります』という看板・謳い文句で人は来てくれません。それは5年前にあじさい鍼灸マッサージ治療院を開院して嫌というほど経験しました。


かつて働いていた職場では役職・肩書があり、私を慕う患者さんが多数いましたが、それは職場の看板と実績、歴史、立地、そして同じ現場で働く同僚達の力によって得られた結果でした。常連さんがたくさんいた地域を離れて、甲野功個人の名前とあじさい鍼灸マッサージ治療院という新しい箱では、誰も来てくれません。毎日地道に自分の存在を知ってもらう努力を重ねて、試行錯誤を繰り返して今に至ります。

 

感覚としては芸能人、タレントに近いようなもの。芸があるに越したことはないのですが、それだけで売れるとは限りません。何か運やきっかけがなければ売れないのです。
そして何かの拍子に売れたとしても芸がなければ一発屋として消えていくため、芸を磨き続けていかないといけないのが芸能人。それに近い感覚が、個人開業した私にはあります。

 

それゆえに、患者さんの存在は私自身の存在価値に直結します。患者さんが来ない、予約がない、というのは「あなたには存在価値がない」と言われている気持ちになります。実際にそうなのでしょう。
人に頼られている。社会に必要とされている。
それを直に実感するのがこの仕事です。どこかの企業や店舗に所属して働いているのでは味わえないものです。

 

患者さんに
楽になりました
身体が軽い
早く来ればよかった
いいところを見つけた
などの言葉をいただくと魂が救われる気がします。大げさではなく。


私は何か製品を売っているわけではありません。同時に不特定多数にいきわたるコンテンツを作っているわけではありません。一対一の直に対面することでしかできない仕事です。相手の心身の状態を探り作用させることを生業としています。言葉の本気さは読み取ってしまいます。

 

わざわざ来てくださって料金を支払いながら感謝の言葉をいただくと本当に嬉しくなりなります。

 

これまで学生のアルバイトを含めていくつかの仕事をしてきましたが、このような気持ちになるのはほとんどありません。心の底から感謝されたことがあっても、独立し孤独な状態で仕事をしている今の方が遥かに心に響きます。まして新型コロナウィルスの脅威にさらされている状況では。

 

 

開業するときに敢えて「治療院」という屋号にこだわりました医師しか「治療」という言葉は使えないだろう、分をわきまえろという意見があるのは重々知っています。しかし、他人様に鍼を刺したり、指で押したりする行為を「これは治療ではありませんから」と思いながらするのは納得ができませんでした。「治療する」という気概と覚悟がないのに行ってはいけないと考えています。


「施術」という用語を使うことが推奨されていますが、「施術」の本来の意味は(辞書をひくと)「主に手術を行うこと」とあり、そちらの方が畏れ多いと思います。


あじさい鍼灸マッサージ治療院を開業する前に大学病院麻酔科で鍼灸師として働きはじめたのですが、そこでの電子カルテには「鍼治療」という項目となっています。大学病院で医師も入力するカルテに「鍼治療」と表記されているのに「治療ではない」というのならば、私が受け持った患者さんは何を受けたのでしょうか。そのような気持ちがあります。

 

それと同じで「患者さん」という言葉を基本的に使うようにしています。場合によっては「お客さん」だったり「クライアント」、「利用者」といった方がしっくりくるかもしれませんが、私にはやはり「患者さん」と表現することにこだわります。だからこそ自らが行うことに責任が持てるのです。ただし「患者様」という表現はしないようにしています。

 

かといって私が治してあげている、という気持ちはありません。できる限りのことをして良くなるお手伝いをしているという感じです。
治せるとはどういうことか?という定義もあります(専門用語で治癒と寛解と症状固定といった分類があります)し、何でも治せるという慢心は持たないようにしています。それでも真剣に臨床に取り組むという意味で治療と患者さんという言葉を敢えて隠さないようにしています。

 

患者さんに救われる。来てくださる患者さんの存在があじさい鍼灸マッサージ治療院、および甲野功が残っている意義を示してくれます。患者さんの言葉で自己を肯定されています。
先行き不透明な今の状況だからこそ、このことを痛感しています。

 

甲野 功

 

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