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~長女と日本刀を見に博物館へ~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 長女の作った日輪刀
鬼滅の刃に出てくる日輪刀を長女が工作した

 

日本映画史上最速で興行収入100億円を突破した劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」。完全に社会現象ですね。

 

この記録は日本のみならず、新型コロナウィルスで映画館が稼働していない状況で、世界的にも注目するニュースでありニューヨークタイムズも驚きをもって報道したといいます。映画公開前から人気がありましたが、公開後は人気に拍車がかかり、嫌でも「鬼滅の刃」の名前を耳にする状況に。

 

うちの娘たちも多分に漏れず大好きです

 

下の子が通う保育園ではダンスの曲はアニメ「鬼滅の刃」オープニング曲である紅蓮華(ぐれんげ)。迎えに行くと園児たちが大合唱しています。女の子は竹を模した玩具を口につけていますし、柱の羽織を模したマントを付けている園児が多数(何を意味しているのかは説明を省きます)。一度ちくわ(竹輪)をくわえて登園する女の子を見て、ここまで来たか、と思いました。箱根に連れて行ったときも箱根限定鬼滅の刃キーホルダーを買って喜んでいました。

 

小学生の長女は鬼滅の刃に出てくる栗花落カナヲ(つゆりかなを)というキャラクターが大好きで、いつもカナヲちゃんと話します。カナヲちゃんの髪型を真似て横結びに髪を結うこともあります。

 

鬼滅の刃というのは大正時代の日本が舞台で、人を食う鬼を退治する鬼殺隊に入隊した主人公竈門炭治郎(かまどたんじろう)の活躍を描くもの。


鬼は太陽の光を浴びると死んでしまうのですが、それ以外は基本的に不老不死。人間を食べて半永久的に生きることができます。鬼を退治するには日の光に晒すか、日輪刀という特別な刀で頸を切るしかありません(原初の鬼である鬼舞辻無惨は配下の鬼を自由に殺すことができますが)。
鬼殺隊において最前線で鬼と戦う剣士はみな日輪刀を持っています。そしてその日輪刀は各剣士によって特徴があり形状も人それぞれなのです。

 

長女はカナヲちゃんの日輪刀を自分で作るといい出して工作をはじめました。一日でオリジナルの日輪刀(カナヲ使用)を作り上げたのです。紙で作ると刀身が曲がるので中にワイヤーを入れる工夫。よく作ったと思います。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 長女作の日輪刀 鞘に収まれている
あじさい鍼灸マッサージ治療院 長女の作った日輪刀
カナヲちゃんの日輪刀だそう

 

 

その作品をみて私は「きちんと日本刀のことを教えたい」と思いました。というのもちょっとリアリティーが無いからです。
日本刀は基本的に反りがあります。長女の作品は真っ直ぐでこれでは西洋刀(サーベル)に近いなと。知識がないから仕方ないのですがこれは日本刀らしくない。日本刀は日本人が長年かけて進化させた、本来は武器でありながら芸術作品にまで昇華させた文化だと考えています。

 

刀身そのものを研究し進化させていったのは日本刀だけと言われています。
日本刀は銃器や投げつける武器を除いて唯一後退しながら攻撃ができる武器と言われています。
数百年も刀身が錆びずに残っている武器は日本刀くらいのもの。

 

せっかく長女がマンガのキャラクターからとはいえ日本刀を作ってみたわけなので、本物をきちんと見せておきたいと考えました。

 

知っての通り明治の頃に廃刀令が出されて一般に日本刀の所持は禁止されます。届け出を出さないで持っていると銃刀法違反で処罰されます。本物の日本刀を見るには博物館などに行かないといけません。
上野の博物館に行けばあるかなと調べてみると、なんと両国に刀剣博物館なるものがあるではないですか

 

刀剣博物館

そのものずばり、日本刀のみを展示した博物館です。両国ならば遠くないですし、長女を連れて行ってきました。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 刀剣博物館の看板
看板。親子の姿が写っています。

 

 

館内の撮影は禁止なので写真がありませんが、本物の日本刀が数多く展示しておりました。

 

日本刀がどのように作られているのか。たたらの解説があります。鬼滅の刃でも鬼殺隊入隊が決まった隊士は自らこれから使う日輪刀の材料となる鋼を選ぶシーンがあります。日本刀の原材料である玉鋼の塊をみて、これから刀ができるのかと長女は実感がわかないように眺めていました。私も玉鋼の現物を初めてみて興味深かったです。

 

続いて日本刀を分解した様子。刀身、鐔(つば)、柄(つか)くらいしか認識していなかったであろう長女はいっぱい部品があるのだねと感心していました。

 

そして本物の日本刀の刀身

 

よくいって聞かせた刀の反り。資料によれば古代の刀は真っ直ぐだったそうですが鎌倉時代の武士が台頭した時代からは今のような反りが生まれたそう。日本刀は曲がっているのだねと長女は納得してくれました。


刃文(はもん)という刀身の切る側にある文様。画から入って刀に興味をもった長女はきちんと刃文を再現していました。カナヲちゃんは「花の呼吸」の使い手なので刀をピンク色にしたといいますが、切る面は白にしており、無自覚ながら直刃(すぐは)という刃文にしてありました。日本刀の刀身の美しさに驚く長女。昔からあるのに綺麗だと。

 

鬼滅の刃は1000年に渡り鬼殺隊が原初の鬼である鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)を退治するために追い求めるというストーリー。特に江戸時代には継国縁壱(つぎくによりいち)が鬼舞辻無惨をあと一歩のところまで追い詰めるのでした。展示されている日本刀は鎌倉時代から昭和初期まで時代が多岐に渡っています。縁壱の時代の刀はこれだね、などと話をしました。

 

私も日本刀が展示してある博物館に幾度か訪れていますが、日本刀専門は初めてでした。より詳しい解説や展示品を目の当たりにして工芸品としての素晴らしさを再認識しました。

 

刀身に目に見えないくらい細かい字で詩を掘り、イラストを入れているもの。刃文の精密さ。刀身そのものに多くの工夫と装飾を加えておりまさに芸術作品です。何より数百年経過しているのに錆びていないという事実。

刀身以外にも鐔、柄、目貫、鞘などどれも細かい装飾が施させていて驚きます。本当に細かく、目に見えないくらいのサイズでデザインされています。3Dプリンターなど存在しない時代に手作業でこれだけの細工ができることに感動しました。
資料によれば戦後GHQにより約300万振の日本刀が奪われたといいます。武器を没収するという意味以外にも相当な価値がある作品とみられたのではないでしょうか。

 

今回子どもの工作をきっかけに日本刀を見に行くことになりました。長女には本物を見せることができて良かったと思います。今後役に立つかは分かりませんが道を極めた職人が手作りで創り上げる一品を目の当たりにして、ちょっとでも感じるものがあればと願います。間違いなく日本特有のものでもう現代では再現できない技術かもしれません。工作が好きな長女に刺激になったと願います。

 

私にしても日本刀のことをより詳しく知ることになりました。形は違えど鍼というものを人体に刺す仕事をしていますからやや親和性を感じるのです。先人たちの探求心を垣間見ました。子どもの工作がなければ刀剣博物館の存在も知らなかったはず。お互いよいきっかけになりました。

 

甲野 功

 

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