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~「鍼灸師フレンドリー」って~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 「鍼灸師フレンドリー」
「鍼灸師フレンドリー」。その概念は?

 

 

LGBTフレンドリーという言葉があります。

これは

L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)の人々に対して温かく開かれた状態

と説明されます。

 

Googleが運営するGoogleマイビジネスというサイトはサービスや店舗、施設などを掲載しておりますが、店舗情報に「LGBTQフレンドリーである」という項目があります。ここをチェックするとLGBTQフレンドリーの店舗やサービスであることを意思表示できるようになっています。(LGBTとLGBTQはほぼ同じ意味だと思ってください。)

LGBTQ+についてはこちらを参照してください。

 

このようにフレンドリーという言葉を使ってマイノリティーに対して批判・非難しませんよという意志表示をする取り組みが見られるようになりました。

 

最近、「鍼灸師フレンドリー」という言葉を知りました。これは鍼灸業界のWEBサイトである「ハリトヒト。」が準備している『フレンドリー鍼灸院マップ(仮)』に関係するもの(2021年1月18日現在)。このマップには、鍼灸養成校の学生や同業者の鍼灸師も気兼ねなく施術を受けに来てもいいですよ、という鍼灸院が登録し、全国にある同業者が行くことができる鍼灸院を可視化しようとするものだそうです。

 

このマップを作るにあたり「鍼灸師フレンドリー」という言葉が出ました。元ネタはLGBTフレンドリーからだったようです。

 

「鍼灸師フレンドリー」というのは、裏を返すと“鍼灸学生、同業者お断りの鍼灸院がある”ということです。そうでなければこのような概念は生まれるはずがありません。

 

同じ業界、いわば同志であるはずなのに拒否するってどういうことなのだろうと違和感を覚えました。当院、というか私自身が鍼灸マッサージ専門学校学生や進学希望者へのサポートをしていますし、興味がある同業者の鍼灸師の院へ訪れることをしてきました。わざわざ「鍼灸師フレンドリー」という言葉や概念を持ち出す必要があるものなのかと。

 

平成30年度から専門学校のカリキュラム変更に伴い学生は外部研修が必修化されました。学校附属施術所だけでなく開業している鍼灸院や場合によっては医療機関まで行って研修することが当たり前になっています(私が鍼灸マッサージ専門学校に通っていた時期にはありませんでしたが)。つまり今の学生さんには外で学校の教員以外の鍼灸師と接することは珍しいことではないはずです。その状況で学生を受け付けない鍼灸院とはどういうことなのでしょう。

 

先週もある鍼灸マッサージ専門学校の現役学生が来院しましたが、はっきりと学生どうぞという姿勢を示す院は貴重で助かります、という話をしてくれました。本当に学生拒否という場所があるのだと知りちょっと驚きました。

 

まだ同業者が嫌だなと思うのは納得できます。自分よりずっとキャリアが上の先生だと心理的ストレスがかかります。私も教員養成科時代に習った講師が来たときはプレッシャーを感じます。それでも、あなたは鍼灸師だから受け付けません、という態度を取るのはどういうことでしょう。

 

なぜ「鍼灸師フレンドリー」ではないのかを考えてみます。

 

まず純粋に忙しい鍼灸院。同業者や学生に時間を割く暇がなく、その時間を来院される患者さんに使いたいという鍼灸院です。

これは素直にそうでしょうという気持ちになります。

学生、同業者ということは、どこか”勉強”や”偵察”という要素が含まれるのは仕方ないでしょう。そういう人より純粋に苦しんで来てくださる患者さんを優先したいということであれば、その通りだと思います。世の中には看板を出さず宣伝も一切しない状態で予約がパンパンで新規患者さんを受けいれられないという鍼灸院もあります。そういうところは学生や同業者などの相手をしていられないでしょうし。

 

次に経営判断で拒否をする場合。その院の鍼灸施術をとても必要としている学生や鍼灸師であれば継続して通うでしょうが、多くの場合は1回とか2回程度で通院が終わるのではないでしょうか。そうなると割が合わないと考える場合もあるでしょう。

実際に当院に来た将来鍼灸専門学校進学予定の人は「通う気が無いのに受けに行くのは失礼かと思いまして」と申し訳なさそうに話をしてくれました。

どのように判断するかは院長あるいはオーナーの考えなのでそれぞれで良いと思います。現場はよくても経営陣が認めないというケースもあるのではないかと予想しますし。

 

システム上困難な場合。各院の事情はそれぞれです。多数のベッドで複数のスタッフが同時に多人数の患者さんを相手にするような院では学生・同業者を受け入れるのに抵抗があるかもしれません。同じ専門知識を有するわけですから他の患者さんやスタッフに聞かれたくない話になるかもしれません。また知られたくないことが臨床現場にあるかも。。

先に挙げた経営判断も同様に長が業務に支障をきたす恐れがあると判断し、一律で拒否することがあると考えられます。

 

ケンカ(口論)を吹っ掛けられるかもしれないから嫌

 

実はこの理由が一番だと思います。かつ鍼灸師特有のことだと。

自分が行っているスタイル(流派、手法、経営方法など)を否定、批判されたらどうしよう、という不安。

このことは決して稀なことではないのが怖いことです。

 

例えば○○流というやり方を心酔している鍼灸師あるいは学生がいたとします。そういう方が別のやり方知らない方法をしているのを見て、なぜそれをするの?、何の効果があるの?、うちのやり方ならばこうする、などと議論をしようとすることがあるようです(いや実際にありますね)。鍼灸師であればプロ同士の意見交換、学生であれば純粋な疑問、ということになります。しかし中には、お前のやり方は間違っている、うちの方が優れている、といった批判やマウントを取るような態度をとる場合もあります。なぜか上から目線の高圧的な態度をとってくる鍼灸師はいます。

 

私は学生も鍼灸師も拒否しませんが、ある学校関係者には最大限警戒をします。以前、職歴も年齢も下の同業者に「そんな腕で臨床に出ているの」とバカにされた経験があります。まだ自分よりも年上で経験も長いというなら分かるのですが、1ヵ月前に鍼灸師免許を取得した年下の新卒に言われるとさすがに頭にきます。というより大丈夫なのか、この人と呆れますし、その自信と言い方はどこから来るのだろうと疑問になります。

この人はやはりというかある学校の卒業生で、この学校卒業生で他にもこういう人を何人か知っているので変に納得できました。やはりこの学校卒業生は警戒しなければならないなと誓ったものです。

 

このような目に遭ったら防衛策として一律学生・同業者出入り禁止にしたくなるでしょう。

どの世界にもこういう人は一定数いるとは思います。各々の人間性の問題と言われればそれまでです。

しかし鍼灸師という職業は特にこだわり、自己愛が強いように感じます。そうでなければいちいち「鍼灸師フレンドリー」ということを強調する必要はないと思います。

 

なぜフレンドリーになれないのかはもう少し考察が必要ですが、学生や同業者を受け入れて施術をするのはある程度の覚悟が必要かもしれません。敢えて「鍼灸師フレンドリー」を明示する『フレンドリー鍼灸院マップ(仮)』というは画期的です。利用者の多くは学生、新卒鍼灸師が多くなるのではないかと予想します。そのような人達に有意義になるようになればと願っています。

 

そして同業者を排他しない「鍼灸師フレンドリー」が広まることを願っています。もちろん無条件で認めるのではなく、議論するところは議論を重ね、批判するところは批判する姿勢が大切です。あれはダメだと頭ごなしに否定したり、こちらの方が上だと見下すような態度をとったりすることが、好ましくないという意味です。

フレンドでなくてもよくて、フレンドリーであればいいので。

 

甲野 功

 

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