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~下の子の挑戦~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 白銀公園の山
白銀公園の山

 

 

私の下の子は現在小学校1年生。先日学校で行った体力・運動能力調査の結果が届きました。

総合評価はE判定。

A~Eの5段階評価でE。もちろんAが一番良いわけです。

 

なかなかE判定というのを見たことが無かったのでちょっと驚きました。確かに運動の習い事はしていませんし、この夏はコロナ感染対策でほとんど外に出ていませんでした。その前は公園やプール連れて行っていたのですが。スポーツ選手にしたいとか、本人がなりたいという気持ちはないのですが、結果はちょっと気になります。内訳を見てみると分かることがありました。

 

ジャンプ系は評価が高いのです。あとボール投げ。

 

私は子どもの頃から割とジャンプ力がありました。何かジャンプをするスポーツを習っていたわけではないのですが、いわゆる生まれつき、ナチュラルにジャンプ力がありました。下半身の成長が早かったので小学校時代の写真をみると上半身はガリガリなのに太ももの筋肉が発達しています。この仕事に就いて人体の知識を得た大人の自分からみると、すごくバランスが悪いなと思います。

 

小学校時代は走り幅跳びが得意でした。ただクラスメイトに言われたのは、助走が遅くてしかもその助走を全然いかせていない、と。つまりほとんど素のジャンプ力で跳んでいると。そう、走るのは苦手で遅かったのです。単純にジャンプ力があったのでした。理由として物心着く前から山登りをしていたことと当時の自宅が和式便器だったことが考えられます。山登りで足腰が自然と鍛えられて和式便器で足首の柔軟性を培ったのでは。

 

遺伝は子どもに受け継がれたようで、上の子もスポーツをしていない割にジャンプ力があります。立ち幅跳びをさせると結構跳びます。スポーツの習い事をしているクラスメイトはもちろん跳べるのですが、あまり遜色ない。遺伝は下の子も受け継がれたのか「立ち幅とび」「反復横とび」の項目は記録がいい。あと「ソフトボール投げ」。これは保育園の頃、園庭でよくボールを投げていたからだと推測できます。

 

何が芳しくないかというと筋力、走力。「握力」、「上体起こし」、「20mシャトルラン」、「50m走」の記録が低いのでした。ただこれは本当に能力が低いのではなく、やり方が分からない、慣れていない結果だと私は考えました

 

人間、慣れていないことはうまくできないもの

 

私自身の例を出します。幼少期から結構手先が器用でした。折り紙、あやとり、ペン回しなど手先を動かすのが得意。裁縫、刺繍も結構できてシャツに自分のイニシャルを縫ったこともありました。にも関わらず鍼灸マッサージ専門学校に入りお灸のために艾を捻ること、鍼を刺すことが最初は全然できませんでした。艾という乾燥したヨモギの葉を捻って綺麗な形にする。初めて触れるもので勝手がわかりません。当たり前ですが人体に鍼を刺すことなど経験が無いので感触が怖かったです。手先が器用だと自覚していたのですがあの頃の無力感は凄かったです。

またバーベルを持ち上げる運動なども筋力と同時にコツがあってそれができるとさほど筋力が無くともある程度の重さも持ち上がるようになります。

 

握力、腹筋、走ること。これらは使い方が分からなくて下の子はできなかったと私は考えました。もちろんそれを含めての能力調査の結果なのですが。

 

ということで日曜日に子ども達を連れて神楽坂の白銀公園へ。体を鍛えるというよりやり方を学ばせようと思いました。上の子は筋トレをしようと言い出したのですが、大人がするような(筋肥大を目的とした)筋トレはまだ必要ないと考え、(神経系を鍛えるような)筋肉を活性化させるトレーニングをさせようと考えました

 

公園に着いてまずしたことが鉄棒にぶら下がること。まだできない逆上がりを何度も繰り返しできなかった体験を積ませるより、鉄棒を握ってぶら下がることで、手で握る・体重を腕で支える・ぶら下がるために体勢を作る、といったことを覚えてもらおうと。そうすることで、手指は握るという動作、腕は体重を支えるという動作、足が地面に着かないように股関節や膝を曲げておく動作、を各々することで筋肉が頑張らないといけないと認識します。人体も効率化を自然と図るので使わなければ機能は落ちます。ある程度負荷をかけてやらなければと筋肉が起きてきません。

 

続いて鉄棒にぶら下がって揺れる。揺れるためには腹筋を使って足を前に出す、背筋を使って足を後ろにする、ということが必要になります。すると手や腕にかかる負担は増大します。足が地面につかないように腸腰筋をより使うことになります。まだ下の子はぶら下がって自ら揺れることがほとんどできませんでした。できなくてもやろうとすることで筋肉が起きて神経が通るだろうと狙って。

 

※筋肉が起きる、神経が通る、といった表現は分かりやすくしています。運動生理学的には正確な表現ではありませんがニュアンスとして使っています。

 

続いて登り棒にぶら下がる練習。これも棒を掴んで足が地面に着かないようにキープするだけ。それだけと思うかもしれませんが体を静止しておくだけでも結構筋肉を使います(筋肉を刺激します)。何より動作が無いので筋収縮に集中できます。地味なのですが筋肉(身体)を起こす上で、まずは十分かと考えました。

 

静止系の練習をしたので次は動作系のことをしました。

 

白銀公園には大きなコンクリートの山があります。高さ5mくらいはあるでしょうか。階段もありますが色々なルートで上に登ることができます。敢えて一番斜面がきつくてかつ表面がツルツルしたところを登るという挑戦をさせました。少しずれるだけで斜面が緩やかになるため登れるのですが、そこは特に傾斜が急で下の子では登れないところです。上の子も当初はできなかったのですが何度か繰り返すとできるようになりました。

 

助走を付けて斜面を駆け上がり、小さな取っ手になる部分に手をかけて体を持ち上げて登ります。途中斜面で勢いが止まると下に滑って落ちてしまいます。途中まで掴まる個所がありません。

助走をつけること、踏み込んで上に勢いをつけて登っていくこと、出っ張りを掴んだら離さない握力、腕で体を引き上げる筋力といった複合的な要素が成功には必要です

 

正直なところ、内心「これは今日できないだろうな」と思いながらやってみようと言いました。確か上の子は2年生か3年生くらいにできたものだったので。

案の定最初は全く登れる気配がありませんでした。何度やっても途中で動きが止まって下に滑り落ちます。ただいつもと違ったのは諦めずに何度も挑戦すること。本当に飽くなきチャレンジ。以前だったらできないから別の遊びをすると言い出すのですが。

 

観察すると惜しい時と全く成功しない時の違いが分かるようになります。最初に踏み込む位置が悪いと必ず失敗します。山に近すぎると助走の勢いが消えて、遠すぎると足が斜面についたときに力が出ません。また斜面に足をついた段階で上体が起き上がっているとうまくいき、下がっているとダメです。「上を向いて絶対成功するイメージを持ってやってごらん」というと段々あとちょっとというところまで行くようになりました。

上の子も、下の子がこんなに一途に頑張る姿を見たことがなかったので私と一緒に応援しアドバイスしてお手本を見せていました。

 

疲れてくると少し休ませて飲み物を飲ませます。そのときにいくつかコツを伝えて闇雲にやるだけではいけないよと伝えました。何度目か数えられないくらい駆け上ったあるときに、手が出っ張りに届きました。しかし掴んでいられずに落ちてしまいました。それでも手を使うところまで行けたのです。大きな進歩に上の子は大喜び。上の子は山に登って上から応援することにしました。

 

そして開始してからどれくらい時間が経ったか分からないくらい挑戦したあるときに見事登り切ることに成功しました。失敗癖がついているから少し簡単な斜面を登らせて成功した感覚を付けさせてから挑んだときでした

 

今日中に成功はできないだろうと思っていましたが見事に達成しました。最初は絶対できないだろうというくらいだったのに。上の子も自分の事のように大喜び。そして畳みかけるように「感覚を覚えているうちにもう一度やろう」と下の子にいうのです。私の本音としてはできたからもういいじゃないか、そろそろ暗くなるから帰ろうよ、でした。上の子の訴えによりやる気が出た下の子はまた挑戦します。

 

一度できたからと言っても毎回できるとは限りません。また失敗を繰り返します。手の平は擦れて膝はぶつけて。それでももう一度登りたいと。

 

合計3回成功。時間は夕方5時半を過ぎて日が暮れてきました。まだやりたがっている下の子を上の子と一緒に説得して帰ることにしました。体が活性化している実感があるようで顔はすっきり心なしかほっそりしています。上の子は自転車を漕ぎやすいと言っていました。

体力・運動調査の結果は悪かったのですが課題が見つかり、挑戦する気持ちと成功体験を得ることができました。公園に行くと必ず乗るブランコは帰りにちょっとだけ。シーソーも砂場もジャングルジムもやらずに帰りました。下の子が意志を持って何かに長時間取り組んだのはもしかしたら初めての事かもしれません。良い時間を過ごせました。

 

甲野 功

 

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